🔍 ポップコーン探偵
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探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

2009年公開の本作は、シリーズ第1作から第5作まで編集を担当したケヴィン・グルタートが、長編監督へ転じた作品である。グルタートはそれまでの速い編集や混乱の勢いを引き継ぎながら、『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』(2008)の編集経験も生かし、静けさと間を置いて恐怖を立ち上げようとした。医療保険業界を題材にしたことについては、企画時には保険改革がこれほど大きな政治争点になるとは予想していなかったと、後年の取材で振り返っている。装置の一部は脚本段階で完成していたわけではなく、現場の予算と時間に合わせて製作者や美術担当と案を練り直した。製作費約1,100万ドルに対し、世界興行収入は約7,000万ドルとなり、前5作が超えていた1億ドルには届かなかった。保険会社に命の値段を問い返す映画だったが、映画会社の側には興行という別の採点表が待っていたのである。

― ポップコーン探偵
この映画の トリビア!!!
32件

ピックアップトリビア

制作の裏側
信頼度

『ソウ6』回転木馬に約200の撮影アングル――監督が予定を超えた難場面

『ソウ6』の回転木馬の場面には、約200もの撮影アングルが必要だったそうです。 監督のケヴィン・グルタートが、2023年の取材で振り返っています。200台のカメラを一度に並べたという話ではなく、場面を組み上げるために撮る必要があった角度の多さです。[1]

・装置だけでなく、相手の顔も撮らなくてはいけない

回転木馬に拘束された人々は、外にいるウィリアムへ助けを求めます。場面写真を見ると、人物たちを囲む柵と、装置の外で判断を迫られるウィリアムが、はっきり分かれています。回転する小道具を見せるだけではなく、中の人々と、それを見ている人物を行き来する場面なのです。

柵の内側と外側で、立場が分かれる場面。場面写真:Lionsgate/掲載元:Film Storiesの監督インタビュー。
場面画像は上記の掲載元で確認できます。

その配置を踏まえると、約200という数も、装置の大きさだけの話ではないと分かります。助けを求める側の表情、選ぶ側の反応、両者の位置関係。観客に何を見せるかが切り替わるたびに、必要な画も変わっていきます。

・初監督作で、予定を大きく超えた

グルタートにとって『ソウ6』は初の長編監督作でした。本人は回転木馬の撮影を非常に厳しかったと振り返り、自分が予定を大きく超過した、唯一の撮影だったと話しています。[1]

それでも、この場面は本人のお気に入りでした。『ソウX』を作る以前のシリーズで、最も好きだった罠として回転木馬を挙げています。画面では次々に選択が迫られますが、その短い時間を作るために、現場では多くの角度を撮り重ねていたのです。[1]

・脚注

  1. abcFilm Stories「Saw X | Director Kevin Greutert discusses traps and the future of Saw」(2023年)、監督本人の回転木馬に関する回答と、Lionsgateクレジットの場面写真。(リンク)
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制作の裏側
信頼度

ケヴィン・グルタートをシリーズに留めたのは、前作の編集と本作の監督を組み合わせたオファーだった。『ソウ5』(2008)の編集と本作の監督を製作者から提案され、外部作品への誘いが増える中でも続投を選んだという。編集室でシリーズを形づくった人が、撮影現場の指揮へ回った。

制作の裏側
信頼度

息つく間もない編集の合間に、静かな時間を置く。グルタート監督は『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』(2008)の編集を経験し、恐怖には速度を落とす時間も必要だと考えた。本作では前任監督たちの激しい勢いを残しながら、静まり返ったところで急に恐怖が戻るリズムを狙っている。

制作の裏側
信頼度

ウィリアムを嫌な人物だけで終わらせないのは、グルタート監督のこだわりだった。脚本づくりと配役の段階には、罠にかけられて当然と思えるほど卑劣な男にする方向もあったという。監督は観客が気にかけられる人間味を求め、ジョンとの対面も大切にした。苦しむ人への関心を失わせないための判断だ。

制作の裏側
信頼度

医療保険の仕組みを殺人ゲームへ変えた本作だが、企画時点で政治争点の大きさまでは読んでいなかった。グルタートは後年、何かについて語る映画にしたかったものの、制作中に医療改革がそこまで大きな話題になるとは思っていなかったと振り返る。狙った題材が、公開時の社会の議論と重なった例だ。

制作の裏側
信頼度

初期には、ホフマンがマフィアと対決する案も出た。悪人を私的に裁くなら犯罪組織を狙うはず、という発想だったが、脚本家パトリック・メルトンは、それではマーベルの「パニッシャー」を作ることになる、と説明。誰が善人か悪人かを簡単に割り切れない本作の方向へ、話を戻したという。

音楽
信頼度

【ネタバレあり】終盤の試写版には、『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)などの音楽が仮に置かれていた。脚本家マーカス・ダンスタンによれば、従来のシリーズ音楽ではこの結末の感情に合わず、別の方向が必要だったという。仮音楽で求める盛り上がりを探り、作曲家チャーリー・クロウザーが本作の音楽へ仕上げていった。

制作の裏側
信頼度

グルタート監督が脚本に求めたのは、一場面で三つの働きだった。筋を追うための情報を渡すこと、驚きや恐怖を作ること、台詞で言わない意味を画面で伝えること。脚本家ダンスタンは、この三層が一緒に動くよう求められたと説明している。回想も、既知の場面を別角度で見せるだけにしない方針だった。

撮影・美術
信頼度

蒸気室は、炉の火と蒸気を備えた多層の巨大セットだった。撮影監督デヴィッド・A・アームストロングは、そこへテクノクレーンという伸縮式のカメラクレーンを走らせたと語る。人が配管の間を抜けるだけでなく、カメラも空間を移動させ、上下に広がる試練を見せていた。

撮影・美術
信頼度

本作の肌の見え方は、強い配色をさらに抑える方向で作られた。撮影監督アームストロングは、『ソウ3』(2006)や『ソウ4』(2007)の鮮烈な色から、『ソウ5』(2008)で少し引き、本作ではさらに引いたと説明。色で押し切る画面から、自然な肌の色を見せる画面へ寄せている。

制作の裏側
信頼度

シェルビー役のカレン・クリシェは、妊娠中に回転台の場面を撮影していた。後年の取材で明かした、あの装置に座っていた時期の思い出だ。六人の出演者が命乞いをする場面の裏には、画面を見ただけでは分からない俳優自身の身体の事情もあった。

制作の裏側
信頼度

シモーヌ役のタネドラ・ハワードは、テレビ番組の優勝者として本作に参加した。『スクリーム・クイーンズ』(2008)の第1シーズンで、十人の女優がホラー演技の課題に挑み、映画出演を競う仕組みだった。賞品の出演権は、画面を一瞬横切るだけの役ではなく、冒頭の試練の中心人物へつながった。

制作の裏側
信頼度

ハワードに渡された脚本は、自分が出る場面だけだった。題名も「エボリューション」のような仮題で、映画全体で何が起きるかは本人にも分からなかったという。秘密を聞き出そうと金や旅行、車まで持ちかける人もいたが、断ったと語っている。出演者なら結末を知っている、とは限らなかった。

制作の裏側
信頼度

【ネタバレあり】アマンダが戻る回想には、新しく撮った場面が使われている。制作情報をまとめた資料によれば、ショウニー・スミスが本作のために新たに演じたのは『ソウ3』(2006)以来。過去の映像を挿すだけでなく、ジョンやホフマンとの関係に新しい出来事を足し、すでに見た話の受け止め方も変える再登場になった。

制作の裏側
信頼度

コスタス・マンディロアと飲みに行った共演者は、翌日から二日間の回転台撮影が待っていた。マンディロアは、その俳優が回され続けて気分を悪くしたと笑って振り返る。本人は相手の名前を明かしておらず、役者の特定まではできないが、装置に座る側には厳しい巡り合わせだったらしい。

検閲・版違い
信頼度

スペインでは、300館の公開予定が直前のX指定で止まった。当局が暴力賛美を理由にこの区分を付けたため、通常の映画館にはかけられず、当時8館しかなかったX専用館での上映を配給会社も拒んだ。翌2010年にはプロデューサー編集版が18歳未満非推奨の区分となり、10月8日に公開されている。

検閲・版違い
信頼度

タイでは、上映禁止への異議申立てにも15日という提出期限が立ちはだかった。現地の同時代記事によると、2009年11月の公開が撤回され、2010年6月にも禁止は維持。文化当局は公序良俗への影響に加え、配給会社の申立てが期限を過ぎていたと説明したという。年齢制限付きで公開された、という話とは異なる。

宣伝・公開
信頼度

北米3,036館で始まった本作は、初週末約1,412万ドルで2位。1,945館で公開中だった『パラノーマル・アクティビティ』(2007)は、第5週にもかかわらず約2,110万ドルで首位だった。新作の大規模公開が、小規模から広がった別のホラーに逆転された週末だった。

版違い
信頼度

【ネタバレあり】米国の別編集版では、二つの罠の起動が連動する。劇場版のホフマンはジルが退室する時に45秒のタイマーが始まるが、ディレクターズカットではブレントがレバーを引いた時、60秒で動き出す。ウィリアムへの決断がホフマンの運命にもつながるよう、終盤の因果関係ごと組み替えられている。

版違い
信頼度

【ネタバレあり】アマンダがセシルを診療所へ向かわせる回想は、米国ディレクターズカットで誘惑するやり取りが長くなる。劇場版にはない台詞と身体接触が加わり、アマンダがセシルを動かす様子がより露骨に見える。ジルの子どもの死へ至る、二人の関係の受け止め方も変わる編集だ。

版違い
信頼度

【ネタバレあり】アマンダがコーベットへ警告する短い場面は、エンドロールの後に置かれた。米国ディレクターズカットには、救出する人物を信用しないよう伝えるやり取りがあり、劇場版にはない。『ソウ5』(2008)の救出を知っていると、ホフマンの行動を別の角度から見直す仕掛けになる。

制作の裏側
信頼度

撮影の約一週間前、本作を後から3Dに変換する案が持ち上がったという。監督のラジオ取材を紹介した資料によれば、グルタートは2Dの画面として考えていたため、この変更に不満を抱いた。結局は時間の制約から実現せず、3Dの試みは『ソウ ザ・ファイナル 3D』(2010)へ持ち越された。

制作の裏側
信頼度

【ネタバレあり】ゴードン医師を本作で再登場させる案もあった。監督の取材を参照する資料では、ケイリー・エルウィズが参加できず見送られたと説明している。『ソウ ザ・ファイナル 3D』(2010)で実現した再登場とは、用意していた物語も違ったという。単に次作の場面を一年早く撮る案だった、とは限らない。

制作の裏側
信頼度

回転台の試練は、十人から六人へ人数を絞ったという。監督の雑誌取材を参照する資料は、本作が第六作であることに合わせた変更と説明している。完成画面の人数を数えるだけでなく、最初はもっと大きな集団を想定した場面だった、という制作の話だ。

制作の裏側
信頼度

【ネタバレあり】シモーヌの腕切断は、別人の手と義手をつなぐ方法で撮ったという。制作を振り返る記事では、ハワードの腕から先へ作り物を渡し、机の下に隠れた代役の手とつないだと紹介される。本物の手が動く先で、刃が作り物へ入るよう見せる仕掛けだ。

制作の裏側
信頼度

蒸気室の熱そうな配管には、塗装と照明の仕掛けがあるという。制作回顧の記事は、配管の光をネオン色の塗装に照明を当てて作り、俳優の近くで蒸気を見せる時には煙の装置を使ったと紹介している。画面の熱気と、俳優が触れる場所の条件を作り分けたわけだ。

制作の裏側
信頼度

秘書と資料係を吊るす場面は、安全ワイヤーの消去が大きな作業になったという。制作回顧では、俳優を支えるワイヤーを後から画面上で消すため、全編でも特に費用のかかる場面になったと紹介されている。派手な機械の大きさだけでは、撮影と仕上げの手間は決まらなかった。

制作の裏側
信頼度

本作の興行は、次の終幕構想にも響いたという。脚本家の発言を紹介する資料では、『ソウ ザ・ファイナル 3D』(2010)は二部構成を考えていたが、本作の成績にスタジオが慎重になり、一作に絞られたと説明される。シリーズがすでに二本を撮り終えていた、という意味ではない。

情報不足・要確認
信頼度

公開前、シモーヌ役のハワードには、タップの娘という噂まで届いていた。ほかにも過去の犠牲者の妹、ジグソウの隠し子など、事情通を名乗る人が役の正体を語ったという。ハワード本人は取材で、そうした筋書きが次々送られてくる様子を笑って話した。関係者情報を装った予想が、噂へ育った例だ。

情報不足・要確認
信頼度

アマンダがセシルといる時の震えは、本当に寒かったからだという話がある。トロントの雨と低温でショウニー・スミスの震えが止まらず、監督が音声解説で明かしたという筋だ。ただし、その説明を聞ける音声や該当位置はまだ特定できていない。震える芝居の見た目だけで、当日の気温までは分からない。

情報不足・要確認
信頼度

【ネタバレあり】アマンダとコーベットの短い場面は、もとは二人で歌う案だったという話がある。曲は「ユー・アー・マイ・サンシャイン」(1939)で、使用権を得られず警告の台詞へ変えた、という説明だ。別編集版に場面があることと、その歌の交渉経緯は別の話。どの権利者との許諾が成立しなかったのかは伝わっていない。

情報不足・要確認
信頼度

ウィリアムの事務所の水槽には、本物のピラニアを入れたという話がある。監督自身も後年、その対面を「ピラニアの場面」と呼んでいるが、それだけでは撮影に生きた魚を使った証明にはならない。生体の管理や撮影方法の説明は見当たらず、保険会社の比喩だったという解釈も、材料の話とは分けたい。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

配信で見る

ソウ6はどこで配信?

ソウ6を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。

U
U-NEXT
2026-10-19確認・見放題
H
Hulu
2026-10-19確認・見放題
P
Prime Video
2026-10-19確認・購入
N
Netflix
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