『ソウ5』水のキューブはどう撮った? 俳優の恐怖と、やり直しの少ない編集
『ソウ5』でストラムの頭を覆う透明なキューブは、俳優が実際に入って撮影した小道具でした。 スコット・パターソンは公開前のコミコンで、この撮影に一日を費やし、恐怖からスタッフに出してもらったこともあったと語っています。[1]
・入る前と、入った後では違った
パターソンの証言は、2008年のサンディエゴ・コミコンで報告されています。ハックル監督も同じ場で、最初はパターソンが平気そうだったものの、実際に入ると様子が変わったと話しました。監督自身、説得力のある場面にするには、俳優と実物の小道具による撮影が重要だと考えていたのです。[1]
ここで怖いのは、巨大な装置ではなく、顔のすぐそばに壁があり、その中へ水が入ってくること。逃げるための動きまで制限される設定なので、画面は自然と顔や手元へ集中します。
・少ないテイクを、複数のカメラで拾う
撮影した映像をつなぐ段階にも工夫がありました。Blu-ray特典を紹介したAVForumsのレビューによると、何度も撮り直しにくいため、現場では複数のカメラを使っています。一度の演技から、編集に必要な違う角度を残すためです。[2]
特典「Slicing the Cube」では、監督と編集担当が、この場面をどう組み上げたかも説明しています。短いフレームの差し込みや、映像を逆向きに使う処理も、その方法に含まれていました。俳優が装置に入っている実感を土台にしながら、時間の切迫感は編集で作っているわけです。[2]
パターソンの体験だけを見ると、我慢の撮影の話に聞こえます。しかし完成した場面の息苦しさには、やり直しを減らす撮り方と、撮れた素材を組み合わせる仕事も重なっていました。