『ソウ4』監督を呼び戻したのは脚本87ページ目――結末から作った続編
『ソウ4』を監督するつもりがなかったバウズマンを引き戻したのは、脚本の87ページ目でした。 『2』『3』を手がけた本人も、そこに至るまでは続投に乗り気ではなかったそうです。読み手として仕掛けに引っかかったことが、もう一度作り手になる理由になりました。[1]
・85ページ目では、まだ心は動かなかった
監督によると、最初に持ちかけられたのは、まず脚本だけでも読んでほしいという話でした。85ページ目の時点でも、腹が立つわけでも、興奮するわけでもない。それが87ページ目で変わります。そこまで読んだ内容が、別の意味を持ち始めたのです。[1]
バウズマンは『ソウ』を手品にたとえています。観客は種を見破ろうとして映画を見て、最後にだまされたと分かると、もう一度確かめたくなる。シリーズを作ってきた自分が、その読み方で驚かされたことが決め手でした。[1]
・最後の20分から、最初の場面へ戻っていく
では、その仕掛けはどう組み立てたのでしょう。公開時の記者会見で監督は、パトリック・メルトン、マーカス・ダンスタンとともに、最後の20分を中心に考え、冒頭までさかのぼって構成したと説明しています。罠を思いつくことより、観客の見方を最後に変える構成の方が難所だったそうです。[2]
しかも『3』ではジグソウが死んでいます。続編を前へ進めながら、過去も描き、新しく登場する人物の先も考えなくてはいけません。単純に次の事件を足せば済む状況ではありませんでした。[2]
ストラム役で参加したスコット・パターソンも、複数の話が並行し、回想が重なるため、監督が稽古の段階で時間関係を説明してくれたと話しています。その人物に何が起きた後なのか、これから何が起きるのか。それが分からなければ、目の前の場面を演じられないからです。[2]
監督を驚かせた87ページ目のために、そこまでの場面を逆向きに組み立てる。『ソウ4』の仕掛けは、脚本を読む段階でも、撮影現場でも、時間の整理が必要なパズルでした。