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探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

2005年公開の本作は、ダーレン・リン・バウズマンが売り込んでいた未製作企画『The Desperate』の脚本を、『ソウ』(2004)の続編へ組み替えて生まれた作品である。製作者グレッグ・ホフマンが脚本に興味を持ち、パートナーのオーレン・クールズとマーク・バーグが続編への転用を決めたと、バウズマンは回想している。監督自身はリー・ワネルと約1週間半をかけて冒頭から脚本を書き直したと語っており、元の企画をそのまま続編の看板で上映したわけではない。長編監督経験のなかったバウズマンにとって、この改稿はハリウッド映画を任される入口にもなった。製作費は資料により約400万〜500万ドル、世界興行収入は約1億5,000万ドルを記録した。自分の映画を実現するために売った脚本が、別の映画の続編になる――夢の叶い方にも、映画会社なりの都合があるのである。

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この映画の トリビア!!!
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ピックアップトリビア

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『ソウ2』は別の映画だった――『The Desperate』が続編になるまで

『ソウ2』の出発点は、『ソウ』の続編として書かれた脚本ではありません。 ダーレン・リン・バウズマン監督が長年温めていた、オリジナルのホラー脚本『The Desperate』でした。家の中に集められた人々が殺し合う閉鎖空間の物語が、ジグソウのゲームへと作り替えられたのです。[1]

・売り込みには、架空の事務所まで用意した

監督自身の回想によると、転機は父から届いた手紙でした。両親がロサンゼルスでの生活を支えるのは、あと1年。それまでに映画の仕事につながらなければ、帰郷するか、別の仕事を見つけるようにと告げられます。[1]

バウズマンは脚本を磨き、売り込みを始めました。当時は代理人もマネージャーもいなかったため、架空の会社のレターヘッドや留守番電話まで用意したそうです。やがて脚本を読んだプロデューサー、グレッグ・ホフマンから連絡が届きました。[1]

当初は『The Desperate』そのものを映画化する話でした。ところが、共同製作者のオーレン・クールズが『ソウ2』に変えることを提案します。バウズマンは未公開だった『ソウ』を見せてもらい、自分の脚本と空気が近いことを理解したと話しています。[1][2]

・名前を残しても、同じ映画にはならない

2021年のインタビューで、バウズマンは最初の改稿を4週間で行い、その後リー・ワネルが参加して、さらに『ソウ』の世界へ近づけたと説明しています。原案にあったのは、自らゲームへ参加する人々と、映像越しに事件を見せられる警察官。オビやザビエルなどの名前は残りましたが、設定や役割は変わりました。[2]

監督が強調しているのは、完成した『ソウ2』は、それ自体で別の作品になっているということです。代表的な注射器の穴も、焼却炉の罠も、元の脚本にはありませんでした。題名と悪役を取り替えただけではなく、人物とゲームを組み直した改作だったわけです。[2]

『ソウ2』でバウズマンは長編監督デビューを果たしました。長く売れなかった自作の脚本が、別の映画の続編になる。その大きな変更が、本人にはハリウッド映画を監督する入口になりました。[1]

・脚注

  1. abcdeDarren Lynn Bousman公式サイト「Saw II / I was “Desperate”」、監督自身による売り込みと映画化の回想。(リンク)
  2. abcBloody Disgusting、Jason Jenkins「‘The Desperate’: Darren Bousman Details the Original Script That Was Turned into ‘Saw II’」(2021年5月14日)、監督本人への取材。(リンク)
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『ソウ2』注射器の穴はどう作った? 12万本の準備と、偽物でも怖い撮影

『ソウ2』の注射器の穴は、本物の針を敷き詰めて撮ったわけではありません。 撮影用に針先を加工した注射器を大量に用意し、俳優の身体と、傷を見せるための造形を使い分けています。ぞっとする場面の前に待っていたのは、膨大な小道具の準備でした。[1]

・最初に用意した本数では、穴が埋まらなかった

Bloody Disgustingの制作解説によると、金属の針を外して光ファイバー製の針先に替える作業には、複数人で4日かかりました。途中からは、時間の都合で針先を取り去ったままのものも使っています。最初の4万本でも、6万本でも足りず、最終的には約12万本と、かさを増す発泡素材が必要になりました。[1]

画面の印象を決めるのは、穴の中だけではありません。皮膚に刺さったように見える部分には特殊造形を使い、腕から注射器を抜く寄りのショットには、シリコーン製の腕を用意しました。山ほどの小道具と、画面いっぱいに映る一本では、見せ方も違うのです。[1]

・ぬるぬるした素材が、動きやすさも助けた

アマンダ役のシャウニー・スミスも、公開当時の取材で、スタッフが本物の針を折り取り、小道具の針に替えていたと話しています。本人の記憶では「10万本くらい」。制作解説の約12万本とは数字に幅がありますが、いずれも大量の手作業が必要だったという話です。[2]

スミスによると、撮影直前には結晶のように見える、ぬるぬるした素材も加えられました。見た目を不気味にするだけでなく、彼女が動くと注射器も一緒に動き、身動きを取りやすくしたそうです。[2]

しかもスミスは、子どものころ注射が怖くて診療所から逃げ出した経験の持ち主。偽物だと分かっていても、この穴に入ること自体が恐ろしかったと振り返っています。安全のために針を替えることと、俳優が怖がらずに演じられることは、別の話だったのです。[2]

・脚注

  1. abcBloody Disgusting、Meagan Navarro「Butcher Block – ‘Saw II’ and Its Grisly Needle Pit」(2019年)、注射器の加工・本数・特殊造形の制作解説。(リンク)
  2. abcRadio Free Entertainment、Michael J. Lee「Shawnee Smith and Emmanuelle Vaugier on ‘SAW II’」(2005年10月25日)、スミス本人の回答。(リンク)
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【ネタバレあり】終盤で明かされる「監視映像は生中継ではなかった」という仕掛けは、元脚本にもあった。バウズマンによると、『The Desperate』(未製作、邦題未確認)は賞金を狙う人々が自発的に参加する12時間のゲームで、ジグソウの強制的な試練とは設定が違っていた。

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リー・ワネルは、本作を残酷な罠の短編をつないだだけの映画にはしたくなかったと話している。そこで物語全体を貫く軸になったのが、エリック刑事をジグソウと向かい合わせに座らせる構成だった。監禁された人々のゲームと、父親が話を聞き続けられるかというゲームを、並行して進めている。

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製作者グレッグ・ホフマンの日誌によると、前作から1年後の公開に間に合わせるには、5月初めに撮影へ入る必要があった。脚本が完成していなくても、セット建設やスタッフの手配は止められない。リー・ワネルが約2週間集中して改稿し、準備と脚本作業が重なったまま撮影開始へ進んだ。

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結末を守るため、多くの俳優には脚本の全体が渡されなかった。撮影中にも改稿があり、アマンダ役のショウニー・スミスによると、新しいページを受け取る際には古いページを返す決まりだったという。出演者だから全員が最初から種明かしを知っていた、という撮り方ではなかった。

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エリック役のドニー・ウォールバーグが気にしたのは、「なぜ刑事は、ジグソウの前に座り続けるのか」だった。前作の主人公と違い、エリックは椅子に鎖でつながれてはいない。息子を助けるため離れられない状況に説得力を持たせようと、撮影後もホテルで台詞を練り、トビン・ベルと別の言い方を試したという。

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ジグソウが刑事に、息子へ最後に何と言ったかを問いかける場面。ドニー・ウォールバーグは、自分は電話を切る時や子供を学校に送る時、最後に必ず愛情を伝えると話している。それをできなかった父親の後悔が重要だと考え、この問いかけを脚本に加えるよう求めたという。

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ジグソウ役のトビン・ベルは、2017年のイベントで好きなシリーズ作を聞かれ、本作を挙げた。理由は、前作のように床に横たわるだけでなく、起き上がってこの人物の頭の中を探れるようになったから。登場時間の増加が、ベルにとっては悪役を一人の人間として演じる機会にもなった。

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ショウニー・スミスは妊娠中に本作を撮影した。後年の回想では衣装担当には知らせており、お腹に余裕を持たせられる病院着のような衣装を選んだという。撮影中ずっと「誰にも知らせなかった」という話とは違い、少なくとも衣装づくりに関わる人とは事情を共有していた。

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リッグ役のリリク・ベントが最初に受けたのは、麻薬売人ザビエル役のオーディションだった。ベントによると、「黒人俳優を売人役に型にはめたくない」と説明され、リッグ役へ回ったという。当初は不満もあったが、台詞が少なくても目や緊張感で語る人物にしようと監督へ提案し、演技に取り入れてもらった。

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注射器の穴の撮影直前、本物の針の入った包みが落ちてしまい、安全確認のため撮影を止めた――というバウズマンの回想がある。大量の小道具の中から混入した針を探すことになったという。これは負傷が起きたという話ではなく、再開前に危険を取り除いたという撮影上のトラブルだ。

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注射器の穴では、当初アマンダが首まで沈むような画も考えられていたという。共同製作者ダニエル・J・ヘフナーの説明では、注射器は水のようには動かず、人が思ったように沈まない。完成場面の見た目は、恐ろしさの構想だけでなく、大量の小道具が実際にどう動くかにも左右された。

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手を入れると抜けなくなる箱の罠は、監督が出した「血で満ちていく瓶」のアイデアから発展した。美術のデヴィッド・ハックルは、レンズの光を通す穴を開閉するカメラの絞りを研究。そこから、内側に刃を持つ4枚の三角形が動く仕組みを考え、箱の底へ取り付けたと説明している。

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アディソン役のエマニュエル・ヴォージエによると、箱の罠は透明な樹脂で作られ、刃先も鋭くない小道具だった。それでも撮影では両腕が抜けない姿勢になり、血を流す仕掛けの準備ややり直しを待つのは大変だったという。刃が安全な小道具であることと、その場面を楽に演じられることは別だった。

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ビリー人形は本作で作り直され、目を遠隔操作し、口を小型モーターで動かせるようになった。製作者の日誌には、前作で身近な材料から人形を作ったジェームズ・ワンが、この機械仕掛けの新型を見た時のやり取りも残る。続編の予算は、人形の動かし方にも変化をもたらした。

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製作者グレッグ・ホフマンの日誌には、長編初監督のバウズマンが撮影2日目、始めるところで「カット」と叫んでしまった話がある。現場ではその後、カメラを回すまでの手順を写真入りで示す案内まで作ったという。日誌に残った、監督の初々しい失敗談だ。

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ショウニー・スミスによると、トビン・ベルはジグソウの部屋に欲しい物のリストを用意し、画面では見えないほど細かな小物まで指定していた。スミスは、右奥の床の隙間に小さな庭の小人を置く、といった細かさだったと説明している。台詞だけでなく、人物の周りの物にもこだわる役作りだった。

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【ネタバレあり】バウズマンによると、製作側は米国の映画審査を見越し、先に自分たちで残酷描写を削っていた。肺を吐き出す場面、さらに多くの注射器のカット、長めの炎の場面などがその例だという。審査機関から大量の修正を命じられた、という話とは区別している。

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ローマ数字の「II」を二本の切断指に見立てた予告ポスターは、米国の映画業界団体MPAAの広告審査で認められなかった。すでにネットへ出ていたが、配給会社は公式サイトから画像を撤去した。問題になったのは映画本編の公開禁止ではなく、宣伝画像の審査だった。

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【ネタバレあり】結末を見抜けるヒントはどこにあるのか。バウズマンは取材で、ジグソウのアジトのエレベーター内、ジグソウの右側にある水容器のそばを挙げた。監視映像の仕掛けを知ってから部屋を見直すと気になる場所だが、掲載された回答では、手掛かりの物の正体までは明かされていない。

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作曲家チャーリー・クロウザーは、本作の劇中音楽にリンプ・ビズキットのウェス・ボーランドをギターで迎えた。後年の取材では、曲を聞いたボーランドから予想外の音やフレーズがすぐに出てきたため、最初から録音できるよう準備しておく必要があったと振り返っている。

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本作を撮った日数は、公開当時の監督取材によると25日。製作者の日誌でも6月6日の撮影終了を報告している。そこから7月16日に映像の編集を固め、9月9日に完成させる予定を立てていた。短期間の撮影の後にも、音楽・音響・編集を進め、秋の公開へ仕上げる日程が続いていた。

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後の続編まで緻密に計画された物語に見えても、製作者たちは最初からシリーズ全体の設定集を持っていたわけではなかった。オーレン・クールズによると、当時は次を作れるかも分からず、一本ずつ組み立て直していたという。本作が別脚本から生まれた経緯も、その作り方の一例だった。

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注射器の穴に使われた小道具は、撮影から数年後にはコレクター向けの商品にもなった。2012年には、製作会社と契約した販売会社が、使用済みの小道具をホログラム入り認証証明付きで販売すると告知している。宣伝でも、本物の医療用の針ではなく撮影用の小道具だと明記されていた。

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SWAT側の技術担当役には、映画サイトで「The Arrow」として書いていたジョン・ファロンも参加した。製作者の日誌によると、撮影現場を取材するだけでなく、出演のために3日間現場へ入ったという。本作の宣伝を支えた映画サイトと、実際の撮影現場が交わった小さな出演だ。

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【ネタバレあり】ジグソウが息子を「safe and secure」な状態で見つけられると告げる台詞は、種明かしの後では別の意味を帯びる。英語のsafeには「安全な」だけでなく「金庫」の意味もあり、ダニエルは本当に金庫の中にいる。バウズマンも、本作のジグソウの言葉は二通りに取れ、見返すと嘘をついていないと説明している。

情報不足・要確認
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本作のDVDが初週300万本を売り、配給会社最速記録になったという話には、作品の取り違えがある。根拠として挙げられる2005年2月の記事が報じているのは『ソウ』(2004)のDVD・VHS発売だ。少なくとも、その記事を本作の販売実績として使うことはできない。

情報不足・要確認
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ザビエル役には当初ヘンリー・ロリンズが決まり、日程が合わずフランキー・Gへ交代したという説がある。ただし、この交代についてロリンズ本人や製作側が語った資料は確認できていない。リッグ役のリリク・ベントがザビエルの選考を受けた証言はあるが、それだけではロリンズの契約や降板理由まで分からない。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

配信で見る

ソウ2はどこで配信?

ソウ2を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。

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