ゴールドスミスの音楽が、初めてアルバムになったのは47年後
1973年の犯罪映画『ザ・ファミリー』。ジェリー・ゴールドスミスが書いたその音楽は、映画の公開から47年後、2020年に初めてスコアのアルバムとして発売されました。映画の中では聴けても、音楽だけをまとめて聴く盤は、長く出ていなかったのです。[1]
・録音は、1973年の春と初夏
発売元Intradaによると、録音は1973年4月と6月に行われ、ゴールドスミス自身が指揮しました。アルバムの制作には、状態のよい2分の1インチの3チャンネル・ステレオのセッション・マスターを使用。録音素材からミックス、編集、マスタリングを行っています。[1]
この盤は25トラック、53分52秒。映画公開当時に作られた音を、後年の再演で置き換えたアルバムではなく、当時の録音から取り出したものです。[1]
・大きなオーケストラに、一本の電子音
音楽は、フル・オーケストラに一台のシンセサイザーを加えた編成でした。Intradaの解説は、倉庫やガレージを舞台にした緊迫場面で、シンセサイザーがリズムや色彩を担う点に触れています。一方、暴力が噴き出す場面には、弦や金管による激しい音楽を使いました。[1]
ゴールドスミスには、妻キャロルと作った「Our Last Night」という歌もあります。本作の音楽は、犯罪映画の荒々しさだけでなく、歌や愛のテーマも含んでいました。[1]
・映画で使われなかった曲まで、聴けるようになった
アルバムには、録音されたものの完成した映画では使われなかった愛のテーマのアレンジと、長いタイトル曲の別バージョンも収められています。映画を何度見ても、その形では聴けなかった録音が、ここでまとめて紹介されたのです。[1]
「47年後に初めて聴けた」と言ってしまうと、映画で流れた音楽まで存在しなかったようになります。遅れて実現したのは、スコアを一枚の作品として聴く機会でした。映像から離して耳を傾けると、緊張を刻む電子音から、使われなかった旋律まで、別の順番で映画の仕事が見えてきます。