『デッドフォール』はなぜ監督が交代した? 爆発よりも「気の利いた結末」を望んだ
スタローンとカート・ラッセルが組んだ『デッドフォール』は、撮影途中で監督が交代した映画でもあります。アンドレイ・コンチャロフスキー監督は、製作者ジョン・ピーターズと終盤の作り方をめぐって対立し、解任されたと振り返っています。監督が撮りたかったのは、車が次々に爆発する結末ではありませんでした。[1]
・参考に挙げたのは、『ワンダとダイヤと優しい奴ら』
2010年のThe Flickcastの取材で、コンチャロフスキーは、ユーモアと機知のある終幕を望んでいたと説明しました。理想の例として挙げたのが、犯罪コメディー『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(1988)です。対してピーターズが持ち込んだのは、何度も見たような車の爆発だった、と話しています。[1]
本人は、その爆発を撮りたくなかったため、むしろ解任されることを望んでいたとも語りました。「暗い映画を作りたい監督と、明るい映画を求める製作者」というより、最後の見せ場を、破壊で決めるか、気の利いた展開で決めるかという食い違いだったようです。[1]
・後任が仕上げても、画面の監督名は変わらなかった
AFI Catalogが採録した当時の報道によると、撮影は予定より遅れ、製作者側は一部の場面の削減や変更を求めました。コンチャロフスキーは約3か月撮影した後に離れ、アルバート・マグノーリが引き継いでいます。[2]
その後、出演者とスタッフを呼び戻し、冒頭をさらに2週間かけて撮り直しました。それでも、完成版で監督として名前が出るのはコンチャロフスキーだけです。あの一本には、途中で引き継がれた撮影と、追加の撮り直しが収まっていました。[2]
・脚注
- abcThe Flickcast:コンチャロフスキー本人取材(Lon Harris、2010年11月24日)。
- abAFI Catalog「Tango & Cash」。監督交代、追加撮影、画面上のクレジットについての制作記録。