『SING/シング:ネクストステージ』ミーナのドレスを動かすまでに1年
『SING/シング:ネクストステージ』で、ミーナがまとう舞台衣装。そのドレスをアニメーションとして動かすために、1年を要したそうです。衣装デザインを手がけたロダルテのローラ・マレヴィが、イタリア版『Vanity Fair』の取材で明かしています。服の形を考えるだけでなく、映像の中で動く衣装にするまでの時間でした。[1]
・舞台衣装を作ったのは、ロダルテの姉妹
参加したのは、ファッションブランド「ロダルテ」のケイトとローラ・マレヴィ姉妹です。実写映画『ブラック・スワン』でも衣装を手がけた二人ですが、今回は生身の俳優へ服を着せる仕事ではありません。監督やアニメーションのチームと、動物たちのための衣装を作っていきました。[1][2]
ローラによると、参加したのは2018年頃。姉妹が大切にしたのは、それぞれの登場人物が、最後の舞台へどんな気持ちでたどり着くかでした。衣装を単に華やかにするより、人物ごとの性格や変化を服に表そうとしたのです。[2]
・青いケープの下に、白いドレスを隠した
ミーナの衣装には、『ロミオとジュリエット』のイメージが使われました。初めての恋を経験する彼女を、シェイクスピアの物語を思わせるドレスで表現しています。[1]
最初に身を包む大きなケープには、ミーナの内気さが重ねられています。そして、それを脱いだ先には、喜びに満ち、世界へ心を開いた姿が現れる。ローラは、このように衣装の意味を説明しています。一着の見た目だけでなく、脱ぐ動作まで人物の変化に結び付けていたのです。[1]
公開された資料には、スケッチ、青いケープ、白いドレス、生地の見本、完成画面が並んでいます。白い衣装の幾重にも重なるひだと、ケープの細かな表面。同じ人物でも、覆われているときとドレスが広がったときでは、輪郭の見え方が変わります。
・CGの服にも、手仕事の質感を持ち込む
姉妹は、ロダルテが得意とする手染めやビーズ細工のような手仕事の感覚も、映画へ持ち込みたいと考えていました。均一に整えすぎず、自然な揺らぎや細部を感じられる衣装です。資料に布の見本が添えられているのも、形だけでなく質感まで伝えようとする仕事の一端が見えます。[2]
実物の服を作る場合とは違っても、動きが自然に見えることは欠かせません。ケイトは、アニメーションならではの自由がある一方で、衣装は実在するように感じられ、正しく動いてほしいと話しています。[2]
ケイトが特に気に入っていた衣装も、ミーナのドレスでした。たくさんの手間がかかった一着が、物語を美しく語るところが好きだと話しています。[2]