🔍 ポップコーン探偵
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探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

2023年製作・米国公開、日本では2024年公開の本作は、『ソウ』(2004)と『ソウ2』(2005)の間へ時代を戻し、トビン・ベル演じるジョン・クレイマーを中心に据えたシリーズ第10作である。監督ケヴィン・グルタートによれば、脚本は2017年には存在しており、『スパイラル:ソウ オールリセット』(2021)の後に改めて読み、ジグソウ本人を描く企画として可能性を見いだした。ところが特殊メイク用に俳優の身体の型を取る作業と、その後の製作に必要な時間を確保できず、一度は映画の中止を告げられたという。そこで監督、美術のアンソニー・ステイブリー、撮影のニック・マシューズ、助監督バーバラ・コールらは、特殊メイクを使わない場面を先に撮り、準備のための休止を挟んで撮影を再開する日程を提案し、企画を救った。製作費約1,300万ドルに対し、世界興行収入は1億ドルを超えた。恐怖の装置より先に解かなければならなかったのは、特殊メイクの納期という、ずいぶん現実的な難問だったのである。

― ポップコーン探偵
この映画の トリビア!!!
33件

ピックアップトリビア

編集・音響
信頼度

『ソウX』の悲鳴で警察が来た――編集助手のオフィスで起きた通報騒ぎ

『ソウX』では、映画の悲鳴を実際の事件だと思った隣人の通報で、編集助手の作業場所に警察が来たそうです。 ケヴィン・グルタート監督が、2023年のNMEの取材で明かしています。撮影中ではなく、音を仕上げていたときの出来事でした。[1]

・扉の向こうでは、何を作っているか分からない

場所はロサンゼルス、ノース・ハリウッドのオフィス。編集助手が作業していたのは、目を吸引する装置の場面でした。悲鳴に生々しい効果音が重なり、音量も大きかったため、周囲には映画の作業だと分からなかったようです。[1]

監督によると、警察官は誰かが拷問されているという通報があったと伝えました。編集助手は映画の仕事だと説明し、中で見てもよいと応じます。すると警察官たちは笑い、確認の申し出は断ったそうです。[1]

・公式クリップでも分かる、顔と機械の近さ

Lionsgateは、その場面の一部を公式クリップとして公開しています。顔につながる管と、逃れようとする人物を近い画面で見せる映像です。作業中の部屋の外へ届いたものは、この画面を伴わない、悲鳴と効果音だけだったわけです。[2]

作業していた場面の一部。映画内の暴力表現を含む公式クリップです。公開元:Lionsgate Movies「Eye Vacuum Trap」。

監督は、この編集助手を普段はとても穏やかな人物だと紹介し、警察が来たと分かった瞬間の顔を想像していました。音の迫力と作業する人の人柄との落差も含めて、監督が語ったのは笑い話としての制作秘話でした。[1]

・脚注

  1. abcdNME、Alex Flood「‘Saw X’ editor had police called on him by neighbours who heard screaming」(2023年9月29日)、グルタート本人の説明。(リンク)
  2. Lionsgate Movies「SAW X (2023) Official Clip – ‘Eye Vacuum Trap’」(2023年9月15日、1分21秒)。(リンク)
制作の裏側
信頼度

『ソウX』は一度中止を告げられた――特殊造形を待つ撮影計画で救った映画

『ソウX』は、準備が間に合わず、一度は製作中止を告げられた映画でした。 グルタート監督が全米監督協会の上映後トークで語ったところでは、問題は配役と特殊造形の準備期間。出演者の型取りが必要なのに、まだ全員の配役が決まっていなかったのです。[1]

・木曜日に中止の電話、月曜日に集まった4人

俳優の身体から型を取っても、必要な特殊造形の準備には、さらに少なくとも6週間かかる。予定どおりには進められないという電話が、木曜日に監督へ届きました。[1]

それでも月曜日、監督は誰か来るのではないかとオフィスへ向かいます。集まったのは、美術のアンソニー・ステイブリー、撮影のニック・マシューズ、第一助監督のバーバラ・コール。監督と合わせた4人で、撮影日程を考え直しました。[1]

・全部を待たず、撮れる場面を先に撮る

出した案は、特殊造形を使わない場面を先に3週間撮り、その後5〜6週間休んで、1月に再開するというものです。休んでいる間に、必要な造形を仕上げる。撮影と準備の順序を入れ替える計画でした。製作側はこの提案を承認し、映画は動き続けることになりました。[1]

この案では、完成を待つものと、今すぐ進められる仕事を分けています。「準備が終わるまで何も撮れない」という予定を崩し、特殊造形が不要な場面を先に取り出したのです。

『ソウ』といえば、完成した画面では罠の仕掛けへ目が向きます。しかし今回は、その造形を用意する時間そのものが難所でした。映画を救ったのは、新しい罠のアイデアではなく、撮影する順番を組み替えるという、現場の具体的な提案だったのです。[1]

・脚注

  1. abcdeDirectors Guild of America「Director Kevin Greutert discusses Saw X」(2023年11月1日)、10月31日のロサンゼルス会員上映後Q&A。(リンク)
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企画・脚本
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本作の脚本は『スパイラル:ソウ オールリセット』(2021)の公開より前、2017年に存在していた。ケヴィン・グルタート監督によると、ジョン・クレイマーを中心に据える案は一度脇へ置かれ、クリス・ロックの企画を先に映画化したあとで戻ってきたものだ。

企画・脚本
信頼度

本作の初期案では『ソウ2』(2005)と『ソウ3』(2006)の間を描く予定だったが、グルタート監督はもっと初期のアマンダを求めた。製作者オーレン・クールズによると、幻滅を深める前の彼女を見せるため、物語を『ソウ』(2004)直後へ移したという。

企画・脚本
信頼度

ジョンががんの実験的治療に望みを託す筋立ては、『ソウ6』(2009)が土台にある。製作者オーレン・クールズは、ジョンが保険会社へ実験的治療の保障を求める場面が本作の発想の基礎だったと説明している。

俳優・演技
信頼度

トビン・ベルは本作でもジョンの台詞を、人物像に合うよう自分でも書き直した。製作者マーク・バーグによると、脚本家もベルを交えて調整していたという。グルタート監督は、撮影後の追加録音でもベルが台詞を補い、映画を助けたと語っている。

ロケーション
信頼度

本作の舞台には当初、東欧が検討されていた。ところが製作者マーク・バーグによると、観客層の調査でラテン系が38%を占めると判明し、メキシコシティへ変更したという。現地の撮影スタッフの充実と、ロサンゼルスからの近さも利点として挙げている。

演出
信頼度

本作でジョンを長く画面に出すことは、監督にとって賭けだった。『ジョーズ』(1975)や『エイリアン』(1979)の「怪物を見せすぎない」手法とは逆に、殺人鬼の側へ観客を置く。末期がんに追い詰められるジョンを見せ、恐怖だけでなく共感も抱かせる狙いだった。

公開・宣伝
信頼度

本作の製作者たちは、結末が広まるのを避けるため、一般向けの調査試写をしない方針を取っていた。知人に見せることはあっても、本格的な観客の反応は公開で初めて知る。本作でも上映後の反応やファンの投稿を読み、今後どの人物を掘り下げるかの参考にすると語っている。

キャスティング
信頼度

本作のガブリエラ役のレナータ・バカと面談した際、製作者二人は約30秒で採用を決めたという。マーク・バーグの回想では、彼女が入ってきてまもなくオーレン・クールズと顔を見合わせ、起用しようと一致した。正式な演技試験というより、メキシコについて気軽に話す場だったそうだ。

撮影技術
信頼度

初期作のざらつきは、単に暗く撮って再現したのではない。本作ではソニー・ベニス、クックのパンクロ/アイ・クラシック系レンズ、パールセント1フィルターを組み合わせ、撮影後にも粒子を加えた。ニック・マシューズ撮影監督は、鮮明すぎるデジタル映像を避けたかったという。

撮影技術
信頼度

本作はほぼすべてのテイクを二台のカメラで撮り、編集点は4,000以上に及んだ。そのため照明は一方向ずつ作り直すのでなく、部屋全体を撮れる設計にした。工場の照明器具の中へ撮影用LEDを組み込み、さまざまな方向から人物を狙えるようにしたという。

撮影技術
信頼度

本作でジョンが手術を受ける場面のぼやけには、ワセリンを塗る手法も使われたという。音声解説の紹介記事によると、像を部分的にぼかす特殊レンズを二台分そろえる予算がなく、フィルターへワセリンを塗って補った。もうろうとしたジョンの主観を表すための工夫だ。

特殊効果
信頼度

切断や傷の特殊メイクを作ったのは、ロサンゼルスのフラクチャードFX。本作では多くの出演者がメキシコシティから同地へ移動し、自分の体の型を取った。血を送る係、機械を動かす係、俳優の芝居を合わせ、実物の造形物を切る場面を成立させていた。

特殊効果
信頼度

【ネタバレあり】マテオの脳手術は、偽の頭と俳優を並べて撮った。グルタート監督によると、造形された頭部と、その隣で演じる俳優を使い、頭の中と画面の間をカメラが移動しても不自然に見えないようにした。血の一部にはCGを使うが、全体をCGで作った場面ではない。

編集・演技
信頼度

【ネタバレあり】本作でヴァレンティナが脚を切断する場面は、撮影に数日、編集だけで2週間を要した。監督によると、全体の編集期間10週間のうち、その場面だけに集中した時間だ。画面に映らない俳優も毎回声や演技で参加し、パウレット・エルナンデスを支えていたという。

俳優・演技
信頼度

本作のヴァレンティナ役のパウレット・エルナンデスは、ホラー好きでもゴア描写は苦手だったと話す。彼女の寸法に合わせて罠を作る数か月の準備に接し、その仕組みを知ることで安心できたという。撮影では考えすぎず、共演者から受け取るものに反応して演じたそうだ。

撮影・スタント
信頼度

【ネタバレあり】本作の撮影監督が技術的な難所に挙げたのは、ガブリエラが放射線装置の前へ吊られる場面だった。俳優と機械を吊り上げる仕掛けに加え、傷のメイクも段階的に変える必要があった。クレーンと遠隔操作のカメラ雲台を使い、複雑な動きを撮っている。

美術・特殊効果
信頼度

本作の血まみれの工場は、次のテイクへ戻す準備もされていた。床の大部分はコンクリート風のリノリウムで、罠の道具にも樹脂を塗り、血を拭き取りやすくしたという。見た目は荒れ果てた空間でも、繰り返し撮影するための清掃性まで美術に組み込まれていた。

スタッフの出演
信頼度

本作の美術担当アンソニー・ステイブリーは、ジョンが見つける手術教材DVDの案内役も演じた。ガブリエラの家族写真の少年役としても登場するという。一方、グルタート監督自身の顔は出ないが、セシリアの家のラジオで流れるピアノを演奏している。

結末・演出
信頼度

【ネタバレあり】本作の最後は、扉を閉めて絶望を残すおなじみの形を反転し、ジョンたちが扉を開いて光へ出る。グルタート監督は音声解説で、余命わずかなジョンへの見送りだと説明した。単なるシリーズの決まり文句の省略ではなく、意図して違う結末にしたのだ。

美術
信頼度

【ネタバレあり】本作のクレジット途中で再登場する浴室は、古いセットを持ち込んだのではない。メキシコの新しいチームが三面の壁で浴室を再建し、撮影角度を工夫した。照明がつく短いカットには『ソウ』(2004)の映像も使ったと、監督は音声解説で明かしている。

企画・脚本
信頼度

【ネタバレあり】ホフマンの復帰は、アマンダと行動させる案から短くなったわけではない。監督によると、二人を同じ場面に置くことはそもそも検討していない。本作では別の国にいる設定だった。クレジット途中の罠も、ルールを説明し尽くすより、観客への短いお楽しみとして用意したという。

編集
信頼度

本作の118分という長さは、撮ったものをすべて残した結果ではない。監督によると、初期編集はさらに長かったため、場面を削り、残す場面も望んだ以上に短くした。普段は思ったより短い映画になることが多かったが、本作では逆の問題に向き合ったという。

制作上の困難
信頼度

本作で大勢の登場人物を一室で紹介する場面の直前、ニック・マシューズ撮影監督が新型コロナに感染した。彼の説明によると、二日間は遠隔で撮影を指揮し、その後は製作が一週間中断した。現場の映像を見ながら無線などで指示を出した、通常とは違う撮影だった。

仕上げ・上映
信頼度

本作の音声解説の収録で用意されたテレビは、明るさも色も仕上げた画と違い、動きを滑らかにする補間機能まで入っていた。撮影監督は我慢できず、収録を止めて設定を変更。少なくとも動きの補間を切ってから、解説を続けたと振り返っている。

音楽
信頼度

作曲家チャーリー・クロウザーは、本作で治療へ希望を抱くジョンに温かい和音やチェロを用意した。監督が仮のハープの音型を気に入り、幸福ではなく希望の主題として残したという。その後の場面にも音型の数音を姿を変えて忍ばせ、音楽をつないだ。

音楽
信頼度

本作の不穏な音には、楽器製作者チャス・スミスが作った金属楽器の録音素材も使われた。彼が完成しかけの曲へ演奏を重ねるのでなく、チャーリー・クロウザーが届いた音を選び、必要な場所へ配置する形だ。音そのものを探す作業が、作曲の一部になっている。

関連作品・参照
信頼度

メキシコの街を歩く本作のジョンには、レクターのフィレンツェ歩きのイメージが重なっていると監督は語る。参照したのは『ハンニバル』(2001)。ほかにも『マーターズ』(2008)、『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)、『ジョーカー』(2019)、『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)を参考作に挙げている。

隠しネタ・意匠
信頼度

本作では、ライオンズゲートの赤い歯車のロゴが復帰した。配給会社自身が公開前に、その復活を告知する専用映像を出している。ロゴの復帰そのものが、作品の宣伝材料の一つになったのだ。

公開・宣伝
信頼度

米公開日は、当初の2023年10月27日から9月29日へ、約1か月前倒しされた。7月の告知で新しい公開日が示され、米国ではハロウィーン直前ではなく9月に登場することになった。日本公開は翌年の2024年10月18日である。

情報不足・要確認
信頼度

【未確認の説】アマンダが腕につける飾りは、ファンが贈ったネックレスだという話がある。贈り主を名乗る投稿者は、2019年にショウニー・スミスへ渡し、2024年の再会時に使用を告げられたと説明する。ただしスミス本人や衣装部の発言では確認できていない。

情報不足・要確認
信頼度

【未確認の説】パウレット・エルナンデスは、ヴァレンティナとガブリエラの二つの役から選んだという説がある。しかし、この選択を語る本人の発言は確認できていない。準備や役作りを語った取材は見つかるが、それだけで二役のオファーまで証明されるわけではない。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

配信で見る

ソウXはどこで配信?

ソウXを配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。

U
U-NEXT
2026-10-19確認・見放題
H
Hulu
2026-10-19確認・見放題
P
Prime Video
2026-10-19確認・見放題/レンタル/購入
P
Prime Video(FODチャンネル)
2026-10-19確認・FOD追加チャンネル(Prime会員特典とは別契約)
D
DMM TV
2026-10-19確認・見放題
M
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2026-10-19確認・レンタル
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