本物の年越し会場に、一年先の帽子を配った
『ニューイヤーズ・イブ』の制作陣は、本物のタイムズスクエアの年越しを撮影しました。ただし、映画の中で迎えるのは、現場より一年先の年。そこで急いで用意したのが、「2012」と書いた帽子や横断幕、合わせて500点でした。[1]
・本物の群衆が持っていたのは「2011」
撮影したのは2010年12月31日、現実のニューヨークが2011年を迎える夜です。一方、2011年に公開される映画は、2012年を迎える人々を描いています。ゲイリー・マーシャル監督はABC7の取材で、来場者が振っていた物には「2011」とあり、そこが問題になったと振り返りました。[1]
大きな会場の雰囲気を本物のまま撮れても、手元の数字が違えば、映画の時間とは食い違います。街の熱気を借りるには、その中にある文字まで気にしなければなりませんでした。
・知らない人へ、映画に出ませんか
制作側は「2012」表記の帽子や横断幕を調達し、その場の人たちへ着けてもらえないかと声をかけました。監督によると、映画に出られると伝えながら協力を頼んだそうです。用意した500点は帽子だけの数ではなく、横断幕などを合わせた数でした。[1]
会場を丸ごと架空の場所へ変えるのではなく、カメラに映る現実の人々へ、映画の時間を示す小道具を持ってもらう方法です。華やかな場面の足元には、数字を一つ進めるための、地道なやり取りがありました。
・15台のカメラを回したのは、息子の班
マーシャルは、この年越しを15台のカメラで撮ったと語っています。そして、自分が撮ったのではなく、息子のスコットが率いる第2班の仕事だったと、誇らしげに付け加えました。映画には、その実景に加えて、大勢のエキストラを使った撮影も組み合わされています。[1]
本物の祝祭と、映画用に整えた祝祭。 群衆の熱気だけを見ていると気付きにくい違いですが、画面の帽子や横断幕の年号は、現実の年越しを映画へつなぐ、小さな仕事の跡なのです。