『グリンチ』のプレゼント吸引は、吐き出した映像の逆回転だった
『グリンチ』(2000)が巨大なホースでプレゼントを吸い込む場面は、実際には物を吐き出して撮っています。 特殊効果のチームが作ったのは、プレゼントを発射する装置。その映像を逆回転させ、吸い込みに変えたのです。[1]
町じゅうのクリスマスを盗むための、むちゃくちゃな機械。画面では何でも吸い込めそうですが、撮影では、物の動く向きをひっくり返す方法が使われていました。
・飛び出す箱を、吸い込まれる箱へ
公開当時、VFXを担当したデジタル・ドメインを訪ねたAnimation World Networkの記事は、このホースを昔ながらの撮影トリックの一例として紹介しています。装置から物を外へ飛ばして撮り、フィルムを逆に再生するという工程です。[1]
箱がホースから遠ざかる動きも、時間の順番を逆にすれば、ホースへ向かって集まる動きに変わります。吸い込まれる画面だけを見ていると想像しにくいですが、撮影現場では逆の出来事が起きていたわけです。
下の公式映像では、6分3秒付近から、ツリーの下のプレゼントが動き出す様子を見られます。続くカットでは、グリンチが構えたホースへ箱や飾りが次々に集まっていきます。[2]
・電飾を撃ち付ける機械も、撮影では取り外していた
マーサ・メイの電飾マシンにも、同じ逆回転の考え方が使われています。 クリスティーン・バランスキー演じるマーサ・メイが、家へ向けて電飾を撃ち付ける場面です。[1]
制作取材によると、撮影時に機械がしていたのは、家から電飾を引きはがすことでした。すでに取り付けてある電飾を外し、その順番を逆に見せれば、発射した電飾が家へ取り付けられていくように見えます。[1]
プレゼントは「出す」を「吸う」へ。電飾は「外す」を「付ける」へ。二つの機械は、実際の装置の動きと逆回転を組み合わせ、画面の中でだけ便利に働いているのです。