主な参考資料
- Los Angeles Times
- Animation World Network
- Rotten Tomatoes
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原案者・共同プロデューサーのジェシー・ネルソンは、娘から「サンタクロースに家族はいるの?」と尋ねられた夜を着想の出発点として語っている。企画発表時の監督はマイク・ミッチェルだったが、2006年春にはデヴィッド・ドブキンへ交代しており、当時の記事は交代の理由までは説明していない。撮影はシカゴで始まり、ロンドン近郊のカーディントン飛行船格納庫とパインウッド・スタジオへ移った。美術監督アラン・キャメロンは、格納庫に北極の街路と玩具工場の外観を組み、工場内部はパインウッドの7〜8ステージに展開したと証言している。VFXは当初約450ショットの想定から編集初期に約1,200へ膨らみ、完成版では約650ショットに整理された一方、実物セットをCGの街並み・エルフ群衆で拡張し、俳優の頭部を小人俳優の身体に合成する処理も複数社で分担した。世界興収は集計元によりわずかに異なるものの約9,784万ドルで、予算の確かな一次資料は見つからないため、興収だけで採算を断じるのは控えたい――サンタの工場も、会計監査までは魔法で済まなかったようだ。
『ブラザーサンタ』の発端は、脚本家ジェシー・ネルソンが娘にせがまれた寝物語だった。「サンタに兄弟はいるの?」という問いから、聖人の弟の陰で育つ兄を思いついたという。
サンタの兄は、当初「ボブ」や「ジョー」になる可能性もあった。ネルソンはテレビで『ゴッドファーザー』(1972)を見て、フレドー・コルレオーネから「フレッド」を選んだと語っている。名前にも、兄弟の陰にいる人物像が潜んでいたわけだ。
完成脚本より先に、ネルソンらの企画があった。脚本家ダン・フォーゲルマンは、本作を売り込み用の自主脚本ではなく、すでに動いていた企画へ招かれて書いた仕事と説明している。
ジアマッティを「普通のサンタ」に。ドブキン監督は、世界中の贈り物を背負って疲れる「普通の人」としてサンタを描きたかったという。あの困り顔にも、役目があった。
ヴィンス・ヴォーンとデヴィッド・ドブキンにとって、本作は『クレイ・ピジョン』(1998)、『ウェディング・クラッシャーズ』(2005)に続く3作目。ヴォーンは以前から、監督と台詞を足したり即興を試したりできる関係だったと話す。本作でも二人は場面を押し合いながら練った。
北極の町は飛行船格納庫に建てた。美術監督アラン・キャメロンによると、街路と玩具工場の外観は英国の巨大な旧飛行船格納庫に造り、室内はパインウッドの7~8ステージへ分散させた。
サンタの玩具工場の手本は、北極の建物ではなく、取り壊されたニューヨークの旧ペンシルベニア駅だった。キャメロンは古い写真を参照し、木造からヴィクトリア朝風へ育った工場という履歴を形にした。
北極の町の意匠には、東欧の彩色卵や北欧の建築が混ざっている。美術監督キャメロンは民芸品の模様を調べ、スカンジナビアやラップランドで見た建物の記憶も重ねたという。
雪に紙ときらめきを足した。キャメロンの美術班は屋根を樹脂材で彫り、紙製の雪ときらめく粉を重ね、映像に合う質感を何度も試した。
視覚効果の見積もりは、最初の約450ショットから初編集段階で約1,200へ膨らんだ。完成版では約650へ整理されたという。画面に残らない試行まで含め、北極の設計は大きく動いていた。
北極の町は、実物セットだけで終わらない。MPCはその形をレーザー測量し、現場写真から建物の質感を作って、周囲を約7,000棟のデジタル都市へ広げた。実景の続きに見えるよう、セットそのものがCGの設計図になった。
32人の一座と75人のエキストラを増殖。ロシアのサーカス一座32人を衣装替えして繰り返し撮り、さらに一般身長のエキストラ75人を青背景で撮影して小さく合成した。
10人の造形から1,000人の群衆。MPCは実演者10人をスキャンし、ベストや帽子の柄・色を組み替え、最大1,000人の群衆でも同じ顔が並ばないようにした。
ウィリー役の頭と身体は別々に撮った。ホルヘ・ロデロが身体を演じ、ジョン・マイケル・ヒギンズは撮影時に画面外から台詞を合わせた。その後、ヒギンズの顔を青背景で撮り足し、頭部を合成した。
DJ経験からルダクリスへ。ドブキン監督はルダクリスことクリス・ブリッジスのラジオDJ経験を知り、脚本を送ったと本人が話す。
劇中のDJが繰り返す「Here Comes Santa Claus」は、エンドクレジットで別の姿になる。ルダクリスは監督の依頼で曲をラップ版に作り直し、のちに「Ludacrismas」の映像もBlu-ray特典へ収録された。
サンタのソリは、すべてCGでもすべて実物でもない。止まっている場面には実物のソリとトナカイを用意。飛ぶ場面では揺れる装置に載せた実物を青背景で撮り、別のショットでは乗員ごとCGにした。
空を走るCGトナカイにも、実物の観察が詰まっている。制作班は本物の毛並みと角を均一な光で撮り、体を測り、歩く・走る・跳ぶ動きを記録してからデジタル造形へ移した。
サンタが一晩で世界を回れる理由を、VFX班は速度の画面設計で見せた。ソリを空の「光の筋」に近づけながら、乗員の周囲は穏やかに保つ。現実の街を走る奇跡にしたかったという。
夏のパリ写真を冬の配達場面へ。制作班は夏の8月に現地写真を集め、後から街へ冬の装いを足した。エッフェル塔もデジタル模型を作り、ソリの配達経路につないだ。
フレッドが訪れる兄弟の自助会には、実際に有名人の兄を持つフランク・スタローン、スティーヴン・ボールドウィン、ロジャー・クリントンが本人役で現れる。映画の「弟の陰にいる兄」という悩みを、現実の兄弟関係でひっくり返す小ネタだ。
『ブラザーサンタ』の劇場プリントが「Brotherly Love」という偽題で運ばれた、という話が流通している。2007年の公式リリースは本題で宣伝しているが、それだけでは輸送時の箱の表示までは分からない。配給伝票や映写担当者の記録は見つかっていない。
工場のダンス曲には、Red Hot Chili PeppersからDevoを経て、エルヴィス・プレスリーのリミックスへ替わったという逸話がある。完成版にリミックス曲が使われたことと、前の2曲を権利の問題で断念したことは別の話。後者を語る音楽担当者の記録は確認できない。
ブラザーサンタを配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。