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夕陽のガンマンの映画トリビア用メインビジュアル 画像は生成イメージです
NHK BS プレミアムシネマ
次回放送 10月23日(金) 13:00〜

夕陽のガンマン

For a Few Dollars More / 1965
IMDb ⭐ 8.2放送日 2026/10/23 NHK BS132分Produzioni Europee Associate / Arturo Gonzalez P.C. / Constantin Film1965年
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探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

1965年にイタリアで公開された本作は、セルジオ・レオーネとクリント・イーストウッドが組んだ「ドル三部作」の第2作である。レオーネは前作の製作陣と袂を分かってアルベルト・グリマルディと制作し、イーストウッドの出演料も『荒野の用心棒』(1964)の1万5,000ドルから5万ドルへ上がった。新たに起用されたリー・ヴァン・クリーフは、当時は電話料金にも困っていたと後年語っており、本作への参加を境に欧州で主演作を重ねることになった。スペインのタベルナスにはカルロ・シミが設計した西部の町セットを建て、エンニオ・モリコーネの音楽も撮影に先立って俳優へ聴かせるなど、完成映像に添えるだけでなく演出を組み立てる材料にした。製作費は約60万ドルとされる一方、北米興収は約430万ドルと約1,500万ドルという異なる記録が残る。英語題は「もう少しのドルのために」だが、少なくとも主演への支払いは「もう少し」では済まなかったのである。

― ポップコーン探偵
この映画の トリビア!!!
18件
美術
信頼度

『夕陽のガンマン』の町はどこ? 撮影用の西部の町が観光地になった

本作、『夕陽のガンマン』の舞台はアメリカ西部です。

ところが、画面に登場する砂漠や町の多くは、アメリカではなくスペインで撮影されました。

その中には、映画のために造られ、形を変えながら現在まで残った町があります。

・ユッカ・シティは本作のために造られた

スペイン南東部、アルメリア県のタベルナスには、オアシス・ミニ・ハリウッド((リンク))という西部劇のテーマパークがあります。

タベルナス自治体の説明によると、この施設の元になった町の名前はユッカ・シティ。美術を担当したカルロ・シミが、1965年の『夕陽のガンマン』のために設計しました。[1]

シミは衣装とセットを担当した人物です。BFIの資料でも、本作のセット/衣装担当としてクレジットされています。[2]

映画の町並みは、既存の観光地を借りて撮ったものではありません。西部劇の画面に必要な通りや建物を、撮影用の町として一から組み立てたのです。

・撮影セットが観光施設へ変わった

ユッカ・シティは撮影後も別の西部劇に使われました。

タベルナス自治体は、『続・夕陽のガンマン』の撮影後にセットが買い取られ、観光施設として宣伝されるようになったと説明しています。現在の施設では、西部劇風のショーなどが行われています。[1]

つまり『夕陽のガンマン』のために造られた町は、映画の中だけで消えず、次の映画を撮る場所になり、さらに観客が訪れる場所へ変わりました。

ただし、映画に出てくる町をすべて同じ場所で撮ったわけではありません。

・トゥクムカリとホワイト・ロックスは別のセット

マドリード州の映画行政機関Film Madridは、本作で使われた二つの別の場所を記録しています。

  • トゥクムカリの町:オヨ・デ・マンサナーレスの「ゴールデン・シティ」セット
  • ホワイト・ロックスの町:コルメナール・ビエホのデエサ・デ・ナバルビジャールにあった西部劇セット

どちらもマドリード近郊です。[3]

映画の中では、登場人物が西部の町から町へ移動しているように見えます。しかし実際の制作では、タベルナスやマドリード近郊にある複数のセットをつなぎ、ひとつの西部世界を作っていました。

・「スペインで撮った」だけではない

このトリビアの面白いところは、ロケ地がスペインだったという一点だけではありません。

何もない土地に西部の町を造り、それを別の映画が使い、やがて観光地として残す。映画美術が、一作限りの背景から現実の場所へ変わっていったのです。

『夕陽のガンマン』を見返すときは、町の名前にも注目してみてください。同じアメリカ西部に見える通りの向こう側で、実際にはスペイン各地の撮影セットが切り替わっています。

スクリーンの西部は、カルロ・シミが造った町と、複数のスペインの土地を編集で結んで生まれたのです。

・脚注

  1. abAyuntamiento de Tabernas「Poblados del Oeste」。オアシス・ミニ・ハリウッドの元の名称がユッカ・シティで、カルロ・シミが1965年の本作のために設計したこと、その後観光施設になった経緯を記載している。(リンク)
  2. BFI Southbank Programme Notes「For a Few Dollars More」。本作を1965年作品として掲載し、カルロ・シミをセット/衣装担当として記録している。(リンク)
  3. Film Madrid「Comunidad de Madrid: Far West Territory」。ゴールデン・シティがトゥクムカリ、デエサ・デ・ナバルビジャールのセットがホワイト・ロックスとして使われたと記録している。(リンク)
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配役
信頼度

リー・ヴァン・クリーフは、本作でモーティマーを演じる直前、電話料金にも困っていたと振り返っている。セルジオ・レオーネとの1965年の面会で役を得たことが、欧州で主演を重ねる転機となった。本人の回想では、本作の話が来た時点から役柄はモーティマーに決まっていた。

演出
信頼度

本作を振り返ったリー・ヴァン・クリーフによれば、当時のレオーネは英語を十分に話せず、通訳だけでなく自分で動いて演技を伝えた。ヴァン・クリーフがその動きを自分なりに変えても受け入れられたという。言葉の壁は、監督がすべての演技を固定したことを意味しない。

脚本
信頼度

脚本家ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニは、本作の脚本を9日間で書いたと回想している。ただし、本作の脚本クレジットにはレオーネも名を連ね、別の作家による改稿もあった。9日間という話は本人の執筆期間であり、企画から全稿完成までを9日間で済ませたという意味ではない。

脚本
信頼度

【ネタバレあり】セルジオ・ドナーティは、クレジットに名前を出さず本作の脚本を改稿した。終盤でモンコが死体を数える場面もその一つで、以前の稿では死者を名前で呼んでいたという。ドナーティはこれを賞金額の足し算に変え、合計2万7,000ドルに届かないことで、まだ一人足りないと気づく場面にした。

ロケ
信頼度

本作のトゥーカムカリには、スペインのオヨ・デ・マンサナレスにあったゴールデン・シティのセットが使われた。ホワイト・ロックスは、コルメナル・ビエホのデエサ・デ・ナバルビジャルに置かれた別のセットである。砂漠のあるアルメリアだけでなく、マドリード近郊の複数の町セットも撮影に使われていた。

カメオ
信頼度

本作の美術・衣装を手掛けたカルロ・シミは、エル・パソの銀行支配人として画面にも登場する。西部の町を設計したスタッフが、その町の銀行の人物も演じている。

音楽
信頼度

エンニオ・モリコーネの作曲した本作の音楽には、アレッサンドロ・アレッサンドローニが参加し、口笛とギターを担当した。歌唱には彼の率いた合唱グループ、カントリ・モデルニも加わる。

音楽
信頼度

【ネタバレあり】終盤の決闘では、懐中時計の短い旋律が鳴り、より大きなオーケストラの音楽へつながっていく。エンニオ・モリコーネの音楽は、観客だけが聞く伴奏と、人物たちも聞く時計の音を結び付けた。小道具の時計が、撃ち合いを待つ時間そのものを形作る。

演出
信頼度

【ネタバレあり】レオーネは、モーティマーを思慮のある、復讐のために動く人物と説明した。一方、若い賞金稼ぎは金に関心を向ける人物として対置されている。同じ賞金首を追っていても、二人の目的まで同じではない。

契約
信頼度

クリント・イーストウッドの出演料は、『荒野の用心棒』(1964)の1万5,000ドルから、本作では5万ドルへ増えたとされる。前作の欧州での成功を経て再び組んだレオーネとイーストウッドは、同じようなガンマンの姿を引き継いだが、主演への支払いまで同じではなかった。

演出
信頼度

イーストウッドは本作に戻る際、トスカーノの葉巻だけは外してほしいと頼んだ、とレオーネは振り返った。監督は葉巻も重要な役者のようなものだとして応じなかった。あのガンマンの葉巻は、主演が自ら望んで吸い続けた小道具ではなかった。

登場人物
信頼度

イーストウッド演じる若い賞金稼ぎは、配役記録ではモンコと呼ばれる。イタリア語のmoncoは、手足などが欠けた状態を表す言葉で、「修道士」を意味するmonacoとは別の語だ。三部作を一括して「名もなき男」と呼ぶイメージだけでは、この呼び名の違いが見えにくい。

版・修復
信頼度

本作の1967年英国劇場公開の審査記録には、カットを要求したことが残っている。一方、アロー・フィルムズの4K復元盤は、1コマを通常より少ないフィルム面積で撮る2パーフォレーションのテクニスコープ原ネガを使用し、132分のノーカット版として商品化された。英国公開時のカット記録と、後年の復元盤の収録仕様は別の情報である。

他作品との関係
信頼度

ニュー・オーダーのピーター・フックは、「ブルー・マンデー」(1983)のベースを作る際、休憩室で流れていた本作の音楽を聴き、その旋律を試したと語っている。これは本作の録音そのものを切り取って使ったという話ではなく、聴いた旋律をベースで弾く着想にしたという説明だ。

日本語吹替え
信頼度

本作には、山田康雄によるイーストウッドの日本語吹替えに、後から多田野曜平の声を追加した版がある。テレビ放送用の吹替えに足りない箇所を補うための追加収録で、主演の声をすべて入れ替えたわけではない。一人の登場人物の声を、異なる時期に録った二人の演技でつないでいる。

情報不足・要確認
信頼度

本作でもモリコーネの音楽を撮影現場で流したという説明がある。ただ、リー・ヴァン・クリーフは、レオーネに先に音楽を聴かされた一方、自分は現場での再生を経験していないと回想している。撮影前に聴くことと、現場で使うことは別であり、誰のどの場面で使ったのかまでは確認できていない。

情報不足・要確認
信頼度

リー・ヴァン・クリーフの早撃ちは、フィルムで3コマ、約8分の1秒だったという説がある。ただし、どのテイクを、銃のどの動きからどこまで数えたのかは分からない。撮影速度や本人・撮影スタッフの測定記録も確認できず、この数字を本作で実証された速さとは扱えない。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

配信で見る

夕陽のガンマンはどこで配信?

夕陽のガンマンを配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。

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