試写の観客が求めた決着――結末は約1年後に撮り直し
『デッド・カーム/戦慄の航海』の結末は、最初から公開版の形だったわけではありません。フィリップ・ノイス監督によると、試写の観客から、悪役との決着が足りないという反応があり、約1年後に新しい結末を撮影したそうです。[1]
当初は、ニコール・キッドマン演じるレイが、ビリー・ゼイン演じるヒューイを押さえ込み、いかだに乗せて太平洋へ漂流させる展開でした。レイはその後、夫を救います。しかし観客は、ヒューイがまだ海のどこかにいると感じ、戻ってくるものと思っていたといいます。監督は、観客がクライマックスを奪われたと感じていた、と振り返っています。[1]
ワーナーは撮影時の創作には関与していなかったものの、試写を実施した段階で、この反応が届きました。そこで、もっと一般的な形で決着をつける終幕を撮り直した、とノイスは説明しています。[1]
その空白には、監督の別の仕事も入っています。ノイスは、本作の最初の撮影を終えてから結末の撮り直しへ戻るまでに、『ブラインド・フューリー』(1989)を撮ったと明かしています。一本の映画の終幕を仕上げるまでに、もう一本を撮っていたのです。[1]
・脚注
- abcdWe Are Cult「Interview: Phillip Noyce – Part One」(Nick Clement、2018年1月2日掲載)。監督本人が旧結末、観客の反応、約1年後の撮り直し、その間の『ブラインド・フューリー』撮影を回想。