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機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。
2005年公開。本作は1985~1986年放送のテレビシリーズ『機動戦士Ζガンダム』全50話を、富野由悠季が20年後の視点から劇場版三部作へ再構成した第1部であり、単なる総集編ではなく、新作カット、既存映像のデジタル処理、再編集、音響の再構築を組み合わせた「新訳」である。新旧映像の画質差をつなぐため、制作陣は新作カットへ古いフィルムに近い質感を加える「エイジング」を施し、作画、背景、ペイント、CGまで別時代の素材を同じ画面へ押し込んだ。メカニカル作画監督の仲盛文は後年、20年前のフィルムへ新作画を継ぎ足す方法には不安があり、完全新作のほうが楽な面もあったと振り返っており、富野は旧作を保存するより、悲劇性を弱めて人物関係を組み直すことを優先した。全国83館という限定的な公開ながら初週末は動員13万人超、興行収入約1億7,577万円で3位に入り、最終興行収入はバンダイビジュアルの公式発表で8.3億円、5週連続トップ10を記録した。さらにDVDは第2部公開前日に発売され、初回出荷20万枚、売上数・売上額ともオリコン総合1位となり、旧作再編集を劇場、映像ソフト、続編公開へ連結する商業設計も成功した。20年前の映像を捨てずに新作として売り直す難工事だったが、旧フィルムの傷より巧みに補修されたのは、シリーズの興行回路だったのである。
50話を一本に縮めたのではなく、三部作へ組み替えた。テレビシリーズ全50話を、新作場面を組み込んだ劇場版三部作へ再構成する企画として作られ、本作はその第1部になった。松竹も公開時に、旧映像の編集だけではなく新作場面とデジタル処理を加えた再構築だと説明している。
「新訳」は物語の姿勢そのものを変える試みだった。富野由悠季は、テレビ版が持っていた悲劇性を取り除いたことで、劇場三部作は「180度違う作品」になったと説明している。尺を詰めるだけでなく、登場人物の見え方や物語の着地点まで再設計する方針だった。
再構成は監督自身のノートパソコンから始まった。富野由悠季はPowerBook G4とFinal Cut Proを使ってテレビ版DVDを見直し、劇場版へ残す映像を選別した。その作業を土台に、絵コンテやCGを含む新たな制作工程が組まれた。
新しい絵を、あえて古く見せた。1980年代のテレビ映像と新作カットの質感をつなぐため、新しい映像へ経年感を加える「エイジング」処理が使われた。サンライズの当時の特集告知でも、新旧素材を融合する具体例としてこの工程が紹介されている。
旧映像は横長の劇場スクリーンへ合わせ直された。テレビ版のスタンダード画面をビスタサイズへ変更する処理が行われ、新旧作画を一つの映画として見せるための画面設計が整えられた。DVD版も16対9のビスタサイズ、95分として発売されている。
14話分を約95分へ再構成した。本作が扱うのはテレビ版の第1話から第14話に相当する範囲で、導入や人物描写も映画の流れに合わせて組み替えられている。単に各話を短く並べるのではなく、主人公カミーユの見え方を早い段階から調整する編集になった。
カミーユを17歳の少年として見せる新場面。両親を失ったカミーユをレコアとクワトロが気遣う場面が加えられ、反抗的な印象だけでなく17歳の少年としての弱さが強調された。劇場版の人物再構成が、台詞の整理だけではなく新作画によっても行われた例である。
新作画は、ラフ編集を見てからさらに増えた。メカニカル作画監督の仲盛文によると、第1部では一度組み上げた映像を確認した後、約140カットを新たに描くことになった。制作日程への懸念から旧映像のまま進める案も出たが、追加作画が実施されたという。
絵コンテの短い指示から、壊れ方を作った。アッシマーのサブカメラが損傷する新作カットには旧設定がなく、仲盛文と原画担当の城前龍治が具体的な破損表現を考案した。既存メカを描き直す作業でも、画面に必要な情報を一から設計し直す場面があった。
百式の目は、劇場版の現場で選ばれた。頭部内部を見せる新作カットでモノアイかツインアイか決まっておらず、富野由悠季に任されたスタッフが「元ガンダム」という設定と見栄えからツインアイを選んだ。長く知られた機体でも、新作画によって未確定部分を具体化する必要があった。
手のアップ一つのために、設定を作り直した。ガンダムMk-IIの手を大きく映す場面は旧設定の情報が足りず、新たな細部設定を起こしたうえで新作画になった。当初は新作対象ではなかったが、画面に必要な精度を得るため描き直されたという。
Gacktの主題歌CDにも劇場予告が収録された。オープニング曲「Metamorphoze」とエンディング曲「君が待っているから」を担当し、2005年5月25日発売の限定盤CDにはミュージックビデオと劇場予告が収められた。映画公開の3日前に音楽側からも作品を届ける展開だった。
作品年が2004年と2005年に分かれるのには、上映履歴上の理由がある。2004年10月17日に東京国際ファンタスティック映画祭で先行上映され、一般公開は2005年5月28日だった。公式作品情報は2005年公開作として扱う一方、先行上映日を基準に2004年とするデータベースもある。
先行上映は30分で売り切れた。東京国際ファンタスティック映画祭での上映は、前売券が発売から30分で完売し、一般公開の約7か月前から高い注目を集めていた。テレビシリーズ開始から約20年を経た劇場企画への期待を示す数字である。
83館から始まり、5週連続で上位に残った。全国83館で公開され、興行ランキングの上位10位以内を5週続けて維持し、最終興行収入は8億3,000万円に達した。大規模な全国一斉公開ではない出発点から、長く観客を集めた作品だった。
DVDは初回出荷だけで20万枚を超えた。発売時に数量・金額の両部門で首位となり、後の公式発表では累計販売数が23万枚を超えている。劇場公開後のパッケージ展開でも大きな反響が続いた。
DVDが、翌日の第二部への入場料を安くした。本作のDVDは『機動戦士ΖガンダムII A New Translation -恋人たち-』(2005)の公開前日に発売され、パッケージ提示による劇場料金割引も実施された。前作の再鑑賞と新作の劇場公開を直接つなぐ宣伝施策だった。
【裏付け未確認】『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』へつながったという説がある。鶴原アーカイブには、庵野秀明が本作の新旧映像混在方式と興行結果を『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(2007)の検討材料にし、IMAGICAで同様の方法も試したという投稿が残る。ただし元発言の録音・映像・逐語記録や外部リンクは確認できず、現段階では制作史上の未確認説である。