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容疑者 室井慎次を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。
2005年公開の本作は、テレビシリーズから派生した劇場スピンオフ第2作であり、シリーズの脚本を担ってきた君塚良一が監督と脚本を兼ねた。主演の柳葉敏郎は初稿で湾岸署の人物たちの出番が少ないと感じ、室井が信念を貫く人物として成立するためにも彼らをもっと見せてほしいと君塚に頼んだと語っている。君塚はその要望を受け入れ、登場人物の背景や生活を脚本に織り込んだという。法廷場面は4台のカメラで撮影され、後のDVDプレミアム版では本編と別アングルを同時に見せるマルチプレビューの素材にもなった。配給収入ではなく興行収入として記録された2005年の年間データでは38.3億円であり、制度を問う映画の現場も、四方からカメラを立てて初めて全体像を押さえたのである。
柳葉敏郎は最初に主演を断った。柳葉は監督の君塚良一とプロデューサーへ「主演はできない」と伝えたが、室井という役を通じて自分も成長する必要があると考え直し、出演を決めたと製作発表で説明している。シリーズの人気人物を主役へ移す企画は、演じる側にとっても簡単な昇格ではなかった。
柳葉敏郎は本作の初稿を読み、湾岸署で働く人々の出番が少ないと感じた。室井慎次が信念を貫く人物として成立するには、室井を知る人々の暮らしや背景も必要だと考え、脚本・監督の君塚良一へ登場を増やしてほしいと頼んだ。君塚は柳葉の要望を受け入れ、周囲の人物の生活を脚本へ織り込んでいる。
君塚良一は、本作を従来のシリーズと同じ軽快な調子では撮らなかった。警察組織や司法制度の中で追い詰められる室井慎次を中心に置くため、君塚はシリーズが持つ「軽い感じ」を意識して抑え、硬い人間ドラマへ寄せたと説明している。笑いが減ったのは、スピンオフで偶然暗くなったからではなく、監督の明確な選択だった。
2004年12月に本作が正式発表された時、英題は「THE SUSPECT」と案内されていた。その後、公開までに室井慎次のローマ字名を加えた「THE SUSPECT MUROI SHINJI」へ変わった。変更の理由を説明する製作側の資料は確認できないが、発表段階と完成版で英題が異なることは当時の記録から追える。
本作の法廷場面は、4台のカメラを同時に回して撮影された。DVDプレミアム・エディションでは、その素材を使い、本編に採用された映像と別角度の映像を4画面で同時に見られる13分6秒のマルチプレビューを収録している。一つの場面を編集前の視点まで含めて見比べられる映像特典だ。
官庁街と警察署を合成で作った。警察庁周辺には別素材を重ねるマット合成を使い、新宿の場面ではオープンセットと背景を組み合わせ、北新宿署の外観には風の効果も加えた。DVDのVFXメイキングでは、現場で撮った素材から完成画面へ変わる工程を見比べられる。
本作のDVDプレミアム・エディションには、完成版から外れた7場面が「未公開シーン」として収録された。合計時間は5分35秒。撮影された場面がすべて劇場版へ入ったわけではなく、どの部分が公開版から外れたのかを映像ソフトで確かめられる。
本作は公開初週に首位へ立ち、当時の記事では最終興行収入50億円も見込まれていた。日本映画製作者連盟が公表した2005年の年間集計では、最終興行収入は38.3億円。公開直後の勢いから出た予測と、上映後にまとまった実績は同じ数字ではない。