主な参考資料
- Vanity Fair
- ComingSoon.net
- Post Magazine
- WIRED
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2013年公開。ブラッド・ピットのプランBがマックス・ブルックスの口述史形式の小説を映画化したが、企画はスターを追う世界規模のアクションへ変わり、複数の脚本家と長い準備を経て撮影へ入った。マルタ、グラスゴー、ブダペストなどで大群衆を動かした撮影後、完成した第三幕が機能しないと判断され、デイモン・リンデロフとドリュー・ゴダードが再構成し、大規模戦闘を捨てて約7週間の追加撮影を行った。製作費は約1億9,000万ドルまで膨らんだが、世界興収は約5億4,000万ドルに達し、混乱した大作としては異例の生還を果たした。ゾンビ映画で最も大胆に蘇生されたのは、死にかけた第三幕そのものだったのである。
当初の終盤はロシアで大軍とゾンビが衝突する大規模戦闘だったが、完成版ではウェールズの研究施設での静かな潜入へ全面的に置き換えられた。
ドリュー・ゴダードは完成途中の本編を見ても部分修正案を思いつけず、変えるなら後半全体を替える必要があると判断した。
デイモン・リンデロフに渡された検討用編集版は72分で、ブダペスト撮影分など約50分が意図的に外されていた。
リンデロフとゴダードは編集室と白板の部屋を使い、約10日後に執筆へ入り、独立記念日前までに約60ページを提出した。
数百人規模のロシア戦から、最大でも約20人しかいない研究施設の撮影へ切り替えられた。
ブダペストのロシア戦では750人のエキストラが、後からCGで加わるゾンビを相手に氷点下近い夜間撮影を続けた。
ブダペストへ運び込まれた約85丁のプロップ銃が対テロ部隊に押収されたが、4か月後に捜査は打ち切られた。
マルタのエルサレム場面では900人のエキストラを雇い、二つの撮影班を含めて多い日は約1500人が現場にいた。
マルタ撤収時、処理されず机の引き出しに入れられていた発注書が見つかり、総額は数百万ドルに達した。
米国Blu-rayのアンレイテッド版は劇場公開版より約6分49秒長く、暴力描写や場面の延長が加わる。
フィラデルフィアの冒頭はグラスゴーで撮影され、多くの建物は二階以上を写真投影のCG建築で置き換えられた。
ニュージャージーの屋上場面はグリーンバック撮影で、実物セットは屋上部分とヘリコプターだけだった。
Cinesiteは約440ショット、MPCは約450ショットを担当し、二社だけで約890ショットに及んだ。
ゾンビの動きは2日間のモーションキャプチャーを3回行い、Viconの160カメラシステムで複数演者を記録した。
頭から突っ込み腕で受け身を取らない襲撃は、獲物へ食らいつく攻撃犬の動きから発想された。
通常ではない関節の曲げ方を得るため、実験的なダンサーたちの演技をモーションキャプチャーした。
Massiveで作った群衆の一部はアニメーションリグとしてMayaへ書き出し、形状、布、髪を高精細化した。
MPCの群衆ツールAliceでは各ゾンビへ規則と目的を与え、互いの上をよじ登って壁へ到達する動きを計算した。
Cinesiteは車20種類のほか、橋、軍事キャンプ、船団、ヘリコプターなどをCG資産として制作した。
Cinesiteは近景にも耐えるゾンビ群のため、レイトレーシング、照明、シェーディングの制作工程を大幅に発展させた。
3D上映版は2D撮影素材を後工程で立体化し、CinesiteがVFXショットのステレオ変換を担当した。
マックス・ブルックスは架空の証言一件を書くたび実在の専門家へ取材し、執筆時間の約10倍を調査へ使った。
原作のゾンビは遅く歩くが、映画は映像的な速度を優先して疾走させた。ブルックスは日々の創作判断に参加していなかった。
戦後の生存者証言を集める原作の構造は採らず、映画はゲリー・レイン一人が流行中の世界を移動する物語に再構成した。
ピットは18歳未満の息子たちが楽しめる作品を作りたいという動機から、本作への主演・製作に進んだ。
ロバート・リチャードソンは制作途中で離れ、完成版から自身の撮影監督クレジットを外した。追加撮影では別の撮影監督が加わった。
デヴィッド・フィンチャーが進めた旧続編案は2019年に中止されたが、パラマウントは2026年に改めて続編開発を示した。
原作小説の知名度から、『ワールド・ウォーZ』の映画版は原作をそのまま再現した作品だと思われることがある。実際には記録集のような原作を一本の主演映画へ大きく組み替えており、忠実な映画化というより別設計の映像化に近い。
【ネタバレあり】ボツになったロシア版終盤について、いつか完全版が公開されるのではという期待がある。しかし監督発言ではVFXが完成していない部分も多いとされ、現時点では完成版公開の見込みはかなり薄い話だ。