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名犬ウォン・トン・トンの映画トリビア用メインビジュアル
過去の放送記録
放送日 7月30日(木) 13:00〜

名犬ウォン・トン・トン

Won Ton Ton, the Dog Who Saved Hollywood / 1976
IMDb ⭐ 4.8放送日 2025/9/16 NHK BS🕐 92分🎬 Paramount Pictures1976年
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名犬ウォン・トン・トンはどこで配信?

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1976年公開、原題『Won Ton Ton, the Dog Who Saved Hollywood』。リン・チン・チンを思わせる犬のスター誕生を風刺する企画は、当初『A Bark Is Born』、次に『The Dog Who Saved Warner Bros.』と呼ばれたが、ワーナーが撤退し、プロデューサーのデヴィッド・V・ピッカーがパラマウントへ移ったため、題名までスタジオ名を捨てることになった。リリー・トムリンは脚本方針をめぐって降板し、マデリーン・カーンが代役となり、マイケル・ウィナーの監督下でサイレント期のスターを含む多数のカメオ出演者が集められた。共同脚本のアーノルド・シュルマンは後年、自分の風刺が別人の書き直しでドタバタ喜劇へ変えられたと酷評している。ハリウッドを救う犬の映画は、題名、主演、脚本のすべてを業界の都合から救えなかったのである。

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企画・原案
信頼度

原案者サイ・ハワードが着想を得たのは、ワーナー・ブラザースを率いたジャック・ワーナーのスター評だった。ワーナーは1920年代に大きな利益をもたらしたリン・チン・チンを、手がかからないという理由で自社最大のスターに挙げたという。犬が人間の俳優や映画人を追い越していく物語は、最初から撮影所の損得勘定を笑う企画として生まれていた。

企画・タイトル
信頼度

最初の仮題『A Bark Is Born』は、『スター誕生』を犬の鳴き声に置き換えた言葉遊びである。ワーナーが同作の再映画化を進めていたため、「ワーナーを救った犬」へ改題されたが、同社が企画から離れるとその題名も使えなくなった。デヴィッド・V・ピッカーが企画をパラマウントへ移し、最終的に犬が救う対象は一社ではなくハリウッド全体になった。

キャスティング・脚本
信頼度

エスティ役には当初リリー・トムリンが決まり、彼女の希望で長年の共同制作者ジェーン・ワグナーが脚本を書き直した。しかし完成した稿は、製作者デヴィッド・V・ピッカーが考えていた映画と一致しなかった。改稿を採用して主演を残すのではなく、稿と主演の双方が外れ、作品はマデリーン・カーン版へ大きく進路を変えた。

キャスティング
信頼度

リリー・トムリンが離れたあと、エスティ役にはシェールとベット・ミドラーも検討された。歌手としての存在感を持つ二人ではなく、舞台と映画の双方で誇張した喜劇演技を操れるマデリーン・カーンが最終的に選ばれた。オーディションで必死に自分を売り込み、犬に主役を奪われても感情を全身で表すエスティは、この配役で完成した人物である。

脚本・制作トラブル
信頼度

アーノルド・シュルマンは共同脚本と製作としてクレジットされているが、後年、完成版には自分が書いた文章が一語も残っていないと語った。自身の稿はハリウッドへの風刺だったのに対し、改稿後はスラップスティック中心へ変わったという。しかも契約上、本人の希望だけでは名前を外せず、内容を否定しながら脚本家として批評を受ける立場に置かれた。

動物キャスティング
信頼度

タイトル役には大規模な犬の選考が計画され、完成版ではオーガスタス・フォン・シューマッハーがウォン・トン・トン役としてクレジットされた。さらにエンドクレジットは、犬を提供したルー・シューマッハーと訓練を担当したカール・ミラーを別々に記載している。脱走、救出、撮影、追跡をこなす主役は、犬そのものの適性と専門的な訓練の組み合わせで作られた。

動物演技
信頼度

ウォン・トン・トン役として名前が出るのはオーガスタス・フォン・シューマッハーだが、撮影には三匹のジャーマン・シェパードが使われた。監督マイケル・ウィナーによれば、中心となる犬以外の二匹はごく短い場面だけを担当したという。動作ごとの交代を編集でつなぎ、観客には一匹の犬がすべてを演じているように見せている。

撮影・ロケ
信頼度

主要撮影が始まった1975年8月25日、最初のロケ地に選ばれたのはロサンゼルスの中央犬舎だった。映画も、捕らえられていたジャーマン・シェパードが仲間の犬を逃がし、自分も街へ飛び出す場面から始まる。スター犬の成功譚を、保護された犬たちがいる現実の施設から撮り始めた日程である。

撮影・ロケ
信頼度

劇中映画『カスター・ザ・ブレイブ』のプレミア場面は、1975年9月29日にハリウッドの中国劇場で撮影された。開始時刻は午前0時1分で、撮影は夜明けまで続いた。昼間は観光客が集まる現役の名所を、通常利用が終わった深夜だけ1920年代の華やかな封切会場へ戻したのである。

美術・ロケ
信頼度

1975年のロサンゼルス中心街を1920年代に見せるため、美術班は背景を飾るだけでは済まなかった。屋根のテレビアンテナを撮影当日に撤去して同日中に戻し、道路標識、街灯、劇場の看板も時代に合う形へ交換した。ヒル・ストリートのマヤン劇場脇には古い新聞売場まで再現され、街区全体から半世紀分の現代物が取り除かれた。

美術・ロケ
信頼度

1920年代のハリウッドを作るため、撮影は一つのスタジオセットに閉じこもらなかった。ビルトモア・ホテル、グローブ・バーレスク劇場、ブロンソン・キャニオン、旧ハロルド・ロイド邸、サンタバーバラのアーリントン劇場など、映画史と結びついた実在の場所が使われた。俳優だけでなく、ホテル、劇場、邸宅まで旧ハリウッドの実物を集めた作品である。

キャスティング・負傷
信頼度

撮影所長J・J・フロムバーグを演じる予定だったのは、コメディアンのシェッキー・グリーンだった。ところが椎間板ヘルニアのため本役を続けられず、アート・カーニーが代役に入った。グリーンは作品から完全に消えたわけではなく、冒頭の観光客として短く出演しているため、当初の主演級キャストが別の姿で完成版に残っている。

情報不足・要確認
信頼度

マーロン・ブランドには、中国劇場で撮る劇中映画『カスター・ザ・ブレイブ』のプレミア場面への出演が打診された。製作側はブランドが支援する先住民関連活動への寄付も提案したが、本人は架空の映画が掲げる題名を理由に断ったと報じられている。往年スターを集める企画でも、カスターを英雄視する言葉までは受け入れられなかった。

予算・キャスティング
信頼度

デヴィッド・V・ピッカーとパラマウントのバリー・ディラーは、往年の俳優を脇役にそろえるため製作費を増やすことで合意した。当時報じられた推定予算は360万ドルである。数十人のベテランが次々に顔を出す構成は、撮影後に足されたサービスではなく、古いハリウッドへ敬意を示す企画の中核として最初から費用を割かれていた。

キャスティング・映画史
信頼度

画面には50人を超える往年の俳優が、守衛、記者、掃除婦、舞台係、観光客などの短い役で次々に現れる。ジョーン・ブロンデル、ウォルター・ピジョン、アリス・フェイ、ヴィクター・マチュア、ジョニー・ワイズミュラーらは、名前を呼ばれずに通り過ぎる場合もある。物語のスター犬とは別に、端役の顔を見分けること自体が映画史クイズになっている。

キャスティング変更
信頼度

カメオ候補としては、ドン・アメチー、リー・J・コッブ、ハワード・モリス、ミッキー・ルーニー、バート・ランカスター、ベニー・ルービン、ジョージ・ラフトらの名も報じられた。バンドリーダーのフィル・ハリスも追加発表されたが、いずれも完成版のオンスクリーンクレジットには見当たらない。豪華な出演者名簿には、実現した配役と企画段階の希望が混在している。

脚本・映画内パロディー
信頼度

売れない脚本家グレイソンは、ニューイングランドの町を巨大なサメが襲う物語や、少女が悪魔に取りつかれる物語を撮影所へ持ち込む。1923年の幹部は商売にならないと退けるが、1976年の観客にはそれが『ジョーズ』(1975)と『エクソシスト』だと分かる。未来の大ヒットを没にすることで、撮影所の企画判断を笑う時代逆転のギャグである。

撮影技術
信頼度

一部の会話やインタビュー場面では、カメラが床面近くまで下がり、広角レンズで人物を見上げるように配置されている。撮影監督リチャード・H・クラインは、マイケル・ウィナーと『メカニック』でも組んだ人物である。犬の高さを連想させる画角でありながら、主観映像には固定せず、映画人たちの顔や身振りを誇張する構図として使っている。

訴訟・権利
信頼度

リン・チン・チンの元飼育者リー・ダンカンの未亡人エヴァ・ダンカンと、テレビ版の権利者ハーバート・B・レナードは、ウォン・トン・トンとの類似性を問題にした。請求は少なくとも250万ドルで、ジャーマン・シェパードやリン・チン・チンを連想させる犬名の使用差止めまで求めた。裁判所は仮差止めと緊急差止めを認めず、製作は予定どおり続行された。

未製作続編
信頼度

撮影終了を祝う1975年11月12日のパーティーで、デヴィッド・V・ピッカーは続編『ウォン・トン・トン、ブロードウェイを救った犬』の構想を発表した。会場にはパラマウント創設者アドルフ・ズーカー、メイ・ウエスト、ロバート・デ・ニーロ、アリス・クーパーまで集まっていた。映画界を救った犬が次に舞台界へ進むシリーズ案は、作品として製作されなかった。

未製作続編
信頼度

第二の続編案は「第二次大戦を救った犬」。マイケル・ウィナーは、デヴィッド・V・ピッカーが『ウォン・トン・トン、第二次世界大戦を救った犬』も検討していたと明かしている。スター犬を歴史的大事件の裏側へ送り込み、戦争映画の定型を笑うところまでシリーズを広げる案だったが、企画は一本目の構想段階で止まった。

宣伝・興行
信頼度

公開前には『マーヴ・グリフィン・ショー』の一回分が本作の宣伝に充てられ、ブルース・ダーン、ロリー・カルホーン、バーバラ・ニコルズらが出演した。往年スターを集めた映画を、さらに往年スター本人たちがテレビで売り込む大規模な企画である。それでも製作者デヴィッド・V・ピッカーは、公開すると観客が来なかったと後年率直に振り返った。

宣伝・タイアップ
信頼度

パラマウントはドッグビスケットのミルクボーンと提携し、全米1万7000店のスーパーマーケットで懸賞を展開した。最優秀賞は、家族四人とその飼い犬をハリウッドへ招く週末旅行である。主役犬をパッケージに載せるだけではなく、観客の犬まで旅行の正式な参加者にしたタイアップだった。

キャスト・映画史
信頼度

精神科医役で登場するフリッツ・フェルドにとって、本作は425本目の映画出演と報じられた。わずかな出番を埋めるための無名の端役ではなく、ドイツ時代からハリウッドまで数十年働いた俳優本人が顔を見せている。大量のカメオを一人ずつたどると、短い場面の背後にそれぞれ別の映画史が積み重なっている。

音楽
信頼度

『バットマン』や『おかしな二人』で知られるニール・ヘフティにとって、本作は最後に新作として手がけた長編映画スコアになった。メインタイトルから1920年代を思わせる軽快な音色を通し、ドタバタ場面の速度を支えている。一方、ウォン・トン・トンがエスティへ抱く愛情には柔らかな主題を用意し、スター犬の成功譚と一匹の犬の寂しさを音楽で分けた。

音楽・保存
信頼度

公開当時、本作の音楽はサウンドトラック盤として発売されなかった。2014年、パラマウント保管庫に残っていたマルチトラック・テープから新しいステレオミックスが作られ、ニール・ヘフティのスコアが初めて商品化された。『Oh Dad, Poor Dad』との二本立てCDとして1000枚限定で発売され、38年間聴けなかった曲順と細部が録音作品として残された。

情報不足・要確認
信頼度

特定の名犬スターの完全な伝記映画、という説明は『名犬ウォン・トン・トン』には弱い。実在の犬スター文化を元にした、伝記風パロディとして見るのが近い。

情報不足・要確認
信頼度

犬が主役の映画だけに、撮影中の動物演技をめぐる武勇伝が盛られやすい。『名犬ウォン・トン・トン』の面白さは、動物演技と人間側の芝居を組み合わせた作り物のスター騒動にある。

情報不足・要確認
信頼度

往年スターの記憶や別作品との混同から、『名犬ウォン・トン・トン』には出演者や場面の勘違いが起きやすい。カメオを語るときは、まず実際の出演場面を確認したい。版の異なるソフトや録画を持つ捜査員は、場面や尺の差が実在するか照合してほしい。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

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