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トゥルーライズ

True Lies / 1994
IMDb ⭐ 7.3🕐 141分🎬 20th Century Fox / Lightstorm Entertainment1994年
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D
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T
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1994年公開。ジェームズ・キャメロンがフランス映画『La Totale!』(1991)を翻案し、アーノルド・シュワルツェネッガーとジェイミー・リー・カーティスを中心に撮ったLightstorm作品である。キャメロンが共同創設したDigital Domainにとっては初の長編映画で、モデルやミニチュアと当時先進的なCGを組み合わせ、フロリダ・キーズの橋とマイアミの屋上を舞台にした大規模場面を支えた。橋上のヘリコプター場面では、カーティス自身もワイヤーでヘリにつながれ、海上を20分飛んでオーバーヘッドショットを撮ったが、リムジンから引き抜く危険な実作業はスタントウーマンのドナ・キーガンが担当した。2023年版特典でキャメロンはその場面を「一発勝負」と振り返り、Digital Domainのジョン・ブルーノは、車が実際に彼女から離れたため引き抜かれたように見えるのだと説明している。製作費はThe Numbersで1億ドル、Box Office Mojoで1億1500万ドルと数字が割れるが、北米興収は両者とも1億4628万2411ドルで一致する。技術と実写スタントを同じ画面に押し込み、予算だけは資料ごとに逃げ場を変えた。スパイ映画の嘘は、まず会計から用心深い。

― ポップコーン探偵
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企画・脚本
信頼度

企画の出発点は、アーノルド・シュワルツェネッガーがジェームズ・キャメロンへ見せたフランス映画『La Totale!』(1991)だった。妻に正体を隠す秘密工作員という設定を残しながら、キャメロンは「万能のスパイが家へ帰れば妻に頭が上がらない」という夫婦の物語へ広げた。派手な諜報アクションと倦怠期の結婚生活が同じ映画に入っているのは、原作の仕掛けをアメリカの大作映画へ置き換えたためである。

企画・脚本
信頼度

ジェームズ・キャメロンが本作の中心に置いたのは、テロ組織との戦いより、互いに本当の姿を知らなくなった夫婦の関係だった。夫ハリーには国家機密の仕事を、妻ヘレンには退屈な日常から抜け出したい気持ちを与え、二人が同じ危険へ入ることで結婚生活を立て直す構成にした。秘密工作員の映画でありながら、物語の決着が夫婦の共同任務になるのはそのためである。

制作秘話
信頼度

製作は当初約6,000万ドル規模で計画され、撮影開始時の承認額は約7,000万ドルと報じられていた。しかし六都市にまたがる長期撮影と視覚効果作業で費用が増え、公開前には1億ドルを超える規模になった。編集と仕上げにも追加時間が必要となり、20世紀フォックスは全米公開日を1994年7月1日から15日へ二週間延期している。

制作トラブル
信頼度

1994年1月17日にロサンゼルスをノースリッジ地震が襲った時、本作はバンナイズ周辺で撮影を続けていた。大規模なアクション映画を予定より長く撮っている最中に、制作拠点そのものが大地震へ見舞われたことになる。公開前の記事では、地震も長期化した製作が直面した出来事の一つとして記録されている。

キャスト秘話
信頼度

ギブ役にトム・アーノルドを選んだ時、20世紀フォックスは、ロザンヌ・バーとの結婚生活をめぐってトム・アーノルドがタブロイドで繰り返し取り上げられていたことを理由に反対した。ジェームズ・キャメロンは、トム・アーノルドを想定してギブ役を書いたと説明し、起用を認めないなら企画をパラマウントへ持っていくと主張した。20世紀フォックスが起用を認めた後、キャメロンはトム・アーノルドとアーノルド・シュワルツェネッガーに撮影前から親しくなるよう求め、二人の会話の呼吸を作らせた。

キャスティング
信頼度

ジェームズ・キャメロンは、ヘレンをジェイミー・リー・カーティスに演じてもらう前提で書いていた。キャメロンはカーティスの自宅へ直接電話し、機密扱いの脚本を使者に持参させ、読み終わるまで待って回収する方法で出演を依頼した。カーティスはその場で脚本を読み、キャメロンと会って参加を決めている。

撮影
信頼度

ヘレンがホテルで踊る場面は、屋外撮影が雨で中断した時に代わりに撮影できる、いわゆる「カバーセット」に指定されていた。そのため一度に撮り切らず、クローズアップを撮った一か月後にワイド、その二か月後にアーノルド・シュワルツェネッガー越しの画を撮るなど、約四か月に分けて収録した。ジェイミー・リー・カーティスは後年、映画にとって重要なこの場面をカバーセットとして撮ることを了承し、数か月にわたって分断して撮影する形になったのは自分のミスだったと振り返っている。

キャスト秘話
信頼度

ホテルのダンス場面でヘレンが転ぶ動きは、偶然の失敗ではなかった。ジェイミー・リー・カーティスとジェームズ・キャメロンがリハーサルで考え、アーノルド・シュワルツェネッガーには知らせずに最初の反応を撮った。衣装もカーティスの発案を基に作られ、完全なヌードではなく、カーティス自身の下着を着けたまま明るい画面で踊る形へ変えられた。

キャスト秘話
信頼度

契約上はアーノルド・シュワルツェネッガーの名前だけが題名より前に出て、その後にジェイミー・リー・カーティスが続く予定だった。編集を終えたジェームズ・キャメロンは、完成したのは一人の英雄ではなく夫婦の映画だと考え、主演二人の名前を並べたいとシュワルツェネッガーへ相談した。大スターにとって重要な契約条件だったが、シュワルツェネッガーはカーティスとの共同表記を認めた。

音楽
信頼度

アーノルド・シュワルツェネッガーにとって難しかったのは銃撃や格闘より、劇中で二度踊るタンゴだった。カルロス・ガルデルの楽曲「ポル・ウナ・カベサ」(1935)に合わせ、約六か月にわたって練習し、同じ曲を使った『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992)のアル・パチーノに見劣りしない踊りを目指したという。冒頭と結末に同じ曲を置くことで、任務の相手がジュノからヘレンへ変わったことも示している。

撮影・VFX
信頼度

ヘレンがヘリコプターの下へ吊られて飛ぶ場面では、ジェイミー・リー・カーティス自身を衣装の内側のハーネスで固定し、約20分にわたって実際に飛行させた。ただし、海へ落ちるリムジンから引き上げられる瞬間までカーティスが演じたわけではない。車体との距離が近い危険な動きは、スタントダブルのドナ・キーガンが担当している。

制作トラブル
信頼度

ホテル内の追跡で使った馬が、カメラのブームに驚いて制御不能になった。アーノルド・シュワルツェネッガーは崖際で馬から滑り降りたが、そのまま落下しかねない位置におり、近くのスタントマンがつかんで止めたと回想している。シュワルツェネッガーは崖の高さを約90フィートと説明している一方、IMDbの収録情報では30フィートとされ、事故地点の正確な落差は一致していない。

撮影・VFX
信頼度

本作は、ジェームズ・キャメロンらが設立したVFX会社Digital Domainにとって最初の長編映画だった。Digital Domainは約140ショットを担当し、フロリダ・キーズの橋、ハリアー戦闘機、マイアミの高層ビルを使う終盤を、模型、ミニチュア、実写素材、初期のCGで組み立てた。最初の仕事でアカデミー視覚効果賞候補に入っている。

撮影・VFX
信頼度

本作のVFX制作は、一社だけでは完結していない。実物大模型、縮尺模型、実際の爆発、ミサイルや煙のCG、模型を吊るすケーブルや俳優の安全ワイヤーの消去を、複数の特殊効果班とVFX会社が分担した。画面の中で実写とデジタル処理が同時に使われるため、どちらか一方だけを「本物」と呼べない構成になっている。

撮影・VFX
信頼度

ミサイルでセブンマイル・ブリッジが崩れる場面では、通行中の実在橋を爆破していない。特殊効果班はシュガーローフ・キー沖に、現地の道路標識や欄干まで合わせた大型のコーズウェイ模型を建て、爆薬で崩壊させた。保護対象の海草、マナティー、ウミガメへの影響を調べる環境報告が必要となり、資材は七隻の船で約1.5マイルの水路を運ばれた。

撮影・VFX
信頼度

橋の端でトラックが傾き、海へ落ちそうになる短いショットは、主要爆破が終わった後にジェームズ・キャメロンが追加した。模型を狙った動きで止めることが難しく、特殊効果班は車輪を合板で作り直すなど約三週間半を費やした。完成した映像は、追加ショットを撮ったその日のうちに編集へ回され、橋の爆破場面へ組み込まれている。

撮影・VFX
信頼度

マイアミ上空でハリーが操縦するハリアーを、当時のCGだけで人物ごと作ることはできなかった。特殊効果監督ジョン・ブルーノは、実物大の機体模型を上下や傾きを機械で動かす台座「モーションベース」へ載せ、さらに建設中の高層ビルではクレーンから吊って動かした。吊り線や安全ワイヤーを消し、排気の熱、粉じん、背景を合成することで、模型が本当に空中停止している画へ仕上げている。

撮影・VFX
信頼度

飛行中のハリアーには、米海兵隊が撮影へ提供したAV-8Bハリアー実機と操縦士が使われた。ただし、アーノルド・シュワルツェネッガーが操縦席にいる接写や、高層ビルへ接近する危険な動きまで実機で撮ったわけではない。遠景の飛行、実物大模型、縮尺模型、CGを場面ごとに切り替えている。

美術・衣装
信頼度

プロダクションデザイナーのピーター・ラモントは、タスカー家やオメガ・セクターのセットを、通常の撮影セットのように天井を外した箱型にはしなかった。ジェイミー・リー・カーティスが真上からの光を避けたいと伝えると、ラモントは天井を作ったまま人物を別方向から照らせる構造にした。オメガ・セクターも実在のオフィスに近い低い天井と蛍光灯を組み込み、秘密基地を巨大な空洞ではなく働く場所として見せている。

美術・衣装
信頼度

ホテルのダンス場面でヘレンが着るドレスは、一着の中に変化を仕込んである。衣装デザイナーのマーリーン・スチュワートは、控えめなカクテルドレスからチューブ型の黒いドレスへ変わるよう、外側のフリルを外せる構造にした。ヘレンが別の衣装へ着替えるのではなく、同じ服を自分の手で変える動作が、ヘレンの変化になっている。

キャスト秘話
信頼度

中古車販売員サイモンの落ち着かない身振りは、ビル・パクストンが現場で勝手に足した即興ではなかった。ジェームズ・キャメロンは台詞だけでなく、指をどう動かし、小道具へどう触れ、どの瞬間に虚勢が崩れるかを脚本の余白へ細かく書いた。パクストンがその指示を自然な即興に見えるよう演じたため、嘘のスパイ像がその場で生まれたように見える。

制作秘話
信頼度

後に『タイタニック』(1997)や『アバター』(2009)を製作するジョン・ランドーが、ジェームズ・キャメロンと初めて仕事をしたのが本作だった。当時20世紀フォックスにいたランドーは、膨らむ製作へスタジオ側から関与する役目で派遣された。キャメロンは当初、フォックスから送り込まれたランドーを警戒したが、二人はやがて友情を築いた。ランドーはフォックスを離れた後、キャメロンの会社へ加わっている。

情報不足・要確認
信頼度

馬とオートバイの追跡には、ワシントン記念塔前のリフレクティング・プールへ馬を走らせる案があり、国立公園局の許可が下りずホテル内部へ移されたという話がある。ただし、許可申請書や変更前の脚本は見つからず、実際にどこまで進んだ案だったのかは分からない。そんな大回りの追跡案が本当にあったなら面白い。

公開・受容
信頼度

公開時には、アラブ系住民を殺人と宗教的狂信へ結びつける描写だとして、複数の団体が抗議した。ワシントンD.C.の劇場前ではデモが行われ、アラブ・イスラム圏での配給停止やボイコットも求められた。ジェームズ・キャメロンは特定集団を代表させる意図はないと反論したが、映画が使ったテロリスト像は公開当時から論争になっていた。

トラブル・訴訟
信頼度

ダナ役のエリザ・ドゥシュクは2018年、12歳で本作へ出演していた時、スタントコーディネーターのジョエル・クレイマーから性的虐待を受けたと告発した。クレイマーはドゥシュクの告発を否定し、刑事裁判などで事実認定された記録は示されていない。ジェームズ・キャメロンや共演者は、告発を公表したドゥシュクを支持する声明を出した。

公開・興行
信頼度

北米興行収入は1億4,628万2,411ドルで、1994年に全米公開された映画の年間3位となった。製作費はThe Numbersが1億ドル、Box Office Mojoが1億1,500万ドルと異なり、世界興行収入も約3億6,530万ドルと約3億7,888万ドルで差がある。したがって「史上初の1億ドル映画」という呼び方より、同時代報道でも1億ドルを超えた超大作だったとする方が正確である。

公開・受容
信頼度

ジェイミー・リー・カーティスは、ヘレン役で1995年のゴールデングローブ賞ミュージカル/コメディ部門主演女優賞を受賞した。派手なアクションの合間に、退屈な主婦、怯える素人、任務を楽しむ相棒へ段階的に変わる演技が、作品で唯一のゴールデングローブ受賞になった。

公開・受容
信頼度

第67回アカデミー賞では、ジョン・ブルーノ、トーマス・L・フィッシャー、ジャック・ストロウェイス、パトリック・マクラングが視覚効果賞候補になった。実機、実物大模型、縮尺模型、火薬効果、CGを組み合わせた仕事が評価されたが、受賞作は『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)だった。

情報不足・要確認
信頼度

本作は「史上初めて製作費が1億ドルに達した映画」と紹介されることが多い。ところが、撮影前の計画は約6,000万ドル、承認時は約7,000万ドル、公開後のデータベースは1億ドルまたは1億1,500万ドルと数字が分かれている。宣伝費や超過分をどこまで含むかも統一されていない。1億ドルを超えた当時最大級の映画とは言えそうだが、「史上初」とまでは断定しない方がよさそうだ。

公開・受容
信頼度

本作は長い間、正式な高精細Blu-rayが出ず、家庭用ソフトはDVDが中心だった。2023年に高精細デジタル版が公開され、2024年には4K UHDとBlu-rayが正式発売された。撮影から約30年後の更新で、オリジナルネガの4Kスキャンにノイズ処理や画像補正を加えたため、細部の鮮明さを評価する声と、肌や粒子が滑らかになりすぎたという批判の両方が出た。

情報不足・要確認
信頼度

ジェームズ・キャメロンは続編を検討していたが、2001年9月11日の同時多発テロ後、原理主義的テロを扱うコメディはもう笑えないと考えて企画を断念したと説明している。ただし、「完成脚本があり、2002年公開まで決まっていた」という進行状況は、制作会社の発表や脚本そのものでは確かめられない。9.11が中止の理由になったのは確かでも、完成寸前だったとまでは言わない方がよさそうだ。後に作られた『トゥルーライズ』(2023)は同じ設定を使うテレビシリーズで、映画続編ではない。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

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