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2019年公開。2014年の発表時はジョン・ラセター監督、ラシダ・ジョーンズとウィル・マコーマック脚本の恋愛寄りの企画だったが、公開延期、脚本家の離脱、監督交代を経て、ジョシュ・クーリーの長編初監督作へ組み替えられた。完成版の「原案」には8人が名を連ね、アンドリュー・スタントンとステファニー・フォルサムが脚本をまとめ、古道具店の膨大な品々や陶器のボー・ピープを表現するため新しい照明・質感技術も投入した。前作で美しく別れたシリーズを再開する難題は、世界興収10億ドル超と長編アニメーション賞で商業的には報われた。終わったはずの物語を再び動かすには、玩具より先に監督と脚本を何度も入れ替える必要があったようだ。
企画初期から、続編の重心はボー・ピープの再登場に置かれていたという。社内コードネームまで彼女由来の「Peep」だったとされ、続編の重心がかなり早くから決まっていたことが分かる。
ボー・ピープは、昔のまま戻ってきた懐かしキャラではない。長く持ち主のいない時間を過ごしたことで、失くしたおもちゃの生き方を体現し、ウッディの信念そのものを揺さぶる存在に組み直されている。
公開延期の裏では、脚本の大規模な再構築が行われたとされる。完成作の軽やかさとは別に、制作途中では物語のかなり大きな作り直しが進んでいた可能性がある。
ミスター・ポテトヘッド役の故ドン・リックルズの声は、新録なしに25年分のアーカイブ音声から再構成されて本作に登場した。過去作や関連素材を丹念につなぎ、映画は彼に捧げられている。
デューク・カブーンの得意な決めポーズは、キアヌ・リーヴスがピクサー訪問中にテーブルへ飛び乗って披露した動きが原型になったとされる。声だけでなく身体の動きまで、キャラクター作りの決め手になっていたのだ。
デューク・カブーンは、声だけでなく制作面でもカナダ色が強かったという。アニメーションの多くをカナダ系アーティストが担ったとされ、キャラクターの国民性が制作体制にまで反映されている。
シリーズ4作目では、従来より横長の2.39:1画角が採用された。小さなおもちゃたちが広い世界で迷っている感覚を、画面サイズそのものが支えていたのである。
冒頭の嵐の場面は、初代の頃には難しかった雨と物体の相互作用を見せるための見せ場でもあった。シリーズの時間経過が、そのままCG技術の進化として画面に刻まれている。
技術面で見ると、本作は当時のPixar史上でも特に重い1兆ポリゴン級の作品だったとされる。アンティークモールやカーニバルの細部まで作り込んだ結果、物量そのものがトリビアになっている。
本作のライティングは、ただ明るく照らすのではなく、実写撮影のように光源の位置を意識して設計されたという。カーニバルやアンティーク店の空気感は、光の置き方から作られている。
アンティーク店の内部は、単なる背景ではなくPixar史の展示室のように作り込まれている。初期短編や過去作の痕跡が棚や小道具に埋め込まれ、画面の隅までスタジオの記憶で満ちている。
終盤に出てくる海辺の地名は、実はAndrew Stantonへの命名ネタだという。何気ない背景にも、シリーズを支えた語り手への私的なサインが潜んでいる。
ホームリリースには、完成版とかなり異なる別案エンディングが残されている。ウッディとボーの行き先は、最終段階まで今とは違う形で検討されていたことが分かる。
劇場公開時、本作には恒例のPixar短編が付かなかった。長く続いた公開スタイルから外れた作品で、配給面でも少し珍しい位置にある。
アンティーク店で流れる楽曲は、ある有名ホラー映画への参照ではないかと指摘されている。公式の明言はまだ確認できておらず、現時点ではファン考察寄りの小ネタとして語られている。
デューク・カブーンは、実在スタントマン像との近さから法的争点にもなった。ただし裁判ではその主張は退けられており、「似ていると争われた」と「違法認定された」は分けて見る必要がある。
フォーキーは、先割れスプーンや工作素材からボニーが作った手作りおもちゃだ。ピカピカの市販品ではなく、本人は自分をゴミだと思っているため、「おもちゃとは何か」というシリーズのテーマをだいぶ直球で揺さぶっている。
デューク・カブーンは、カナダのスタントマンを元にした1970年代風のおもちゃだ。自信満々にポーズを決める一方で、CMで見たような大ジャンプができなかった過去を引きずっているのが、ただの派手キャラで終わらないところだ。
ギャビー・ギャビーは、1950年代風のしゃべる人形だが、体内の声の仕組みが壊れている。その欠陥のせいで持ち主に愛されないと思い込み、ウッディのスピーカーに執着するという、けっこう切ない敵役になっている。
本作では、バズ・ライトイヤーが移動遊園地のゲーム屋台で景品扱いになってしまう。宇宙ヒーローが“取られるのを待つぬいぐるみ側”に並ぶことで、シリーズらしい立場逆転の笑いが生まれている。
音源展開では、地域によって歌の言語差分が用意されている。日本向け配信版では一部楽曲が日本語歌唱に置き換わり、映像だけでなくサウンドトラック単位でもローカライズされている。
ボー・ピープの前日譚『Lamp Life』では、本編で語られなかった空白期間が補完される。さらにウッディ役はトム・ハンクスではなく、弟のジム・ハンクスが担当し、本編と関連作で声の運用が変わっている。
アンティークショップの蜘蛛の巣は、人間が一本ずつ描いたのではなくAI蜘蛛ツールに任せて自動生成したとされる。隙間に入り込んだ仮想の蜘蛛が巣を張り、古びた店内の埃っぽさを支えている。
屋外シーンの背景には、見える範囲だけで数十億枚の葉と膨大な松葉が配置されていたとされる。小さなおもちゃの物語に見えて、環境データの規模はなかなか大きい。
アンティークショップの一場面には、レンダリングだけで約1200時間かかった「最も高価なフレーム」があるとされる。ガラスのシャンデリアが光を何度も反射し、計算量が桁違いになったという。
夜のカーニバルには1万7000個以上のライトが仕込まれ、その一部はあえて点灯させなかったとされる。古い遊園地らしいムードは、壊れた電球まで設計して作られていた。
ダッキーとバニーの鮮やかな毛色は、レンダリング負荷が高いネオンカラーだったとされる。技術的には重くても、キャラクターのインパクトを優先した判断だった可能性がある。
デューク・カブーン役は、名前を伏せたブラインド音声テストで見つかったとされる。制作陣が最初に強く反応したカナダ人俳優の声が、キアヌ・リーヴスだった。
ボー・ピープは『トイ・ストーリー2』以来20年ぶりに本格復帰し、主に女性の制作班によって再デザインされた。懐かしい人形ではなく、自分の足で生きるキャラクターとして作り直されている。
ギャビー・ギャビーの不気味さには、往年のTVドラマに登場するしゃべる人形の系譜があるとされる。かわいい人形とホラーの記憶が混ざり、アンティーク店の怖さを作っている。
劇中のアンティークショップは1986年設立と示され、ピクサー創業年に一致するイースターエッグになっている。店の棚だけでなく、看板にもスタジオ史が忍ばされている。
ピクサー恒例の隠し番号A113は、アンティークショップ内のレトロな看板として本作にも登場する。定番ネタも、古道具店の空気に合わせて配置されている。
冒頭に映る車のナンバープレート『RM-RF 97』は、過去に制作データが誤って削除された事件への内輪ネタとされる。公式確認は弱めだが、制作史を知ると意味が変わる小ネタだ。
ピクサー恒例のピザ・プラネットのトラックは、本作ではカーニバル従業員の脚のタトゥーとして登場するとされる。いつもの隠しネタが、相当変化球で置かれている。
前作が完結編に見えた一方で、次の物語は第3作の完成前から一部のスタッフによって極秘に書き始められていたという。ウッディたちの続編の種は、妙に早い段階で動いていた。
本作は制作途中で監督・脚本陣の交代があり、原案には8名がクレジットされる異例の体制となった。完成版の軽さの裏には、思った以上に複雑な制作背景がある。
クライマックスの収録は非常に感情的で、ウッディ役のトム・ハンクスは背を向けて演じたと明かしている。長年演じた役との別れが、声の現場にも重く響いていた。
音楽担当ランディ・ニューマンは本作のために新曲を書き下ろし、そのうち1曲はアカデミー歌曲賞にノミネートされた。長いシリーズでも、音楽は過去曲の再利用だけでは終わっていない。
日本版主題歌『君はともだち』は、第1作からの歌手が23年ぶりに新録し、新曲も日本語で歌った。日本公開版にも、シリーズの時間の流れが刻まれている。
日本語吹替では、新キャラのフォーキーを声優初挑戦の竜星涼がオーディションを経て演じた。手作りおもちゃの不安定さを、日本版でも新しい声で支えている。
幼稚園の場面に同性カップルらしき2人の母親が背景に描かれ、一部団体からボイコットの声が上がった。小さな背景描写でも、公開後には社会的な反応を呼んでいる。
手作りおもちゃフォーキーの声には、不安げな役柄で知られるトニー・ヘイルが起用された。自分をゴミだと思い込むキャラクターに、俳優の持ち味が重なっている。
フォーキーは、子供がおもちゃより箱で遊ぶという雑談から生まれた発想だとされる。市販品ではない手作りおもちゃが主役級になる理由も、子供の遊び方から来ている。
ボー・ピープの髪色がレンダリング負荷で変わったという話は、ネット上で見かけるが、確認できる技術記事では別キャラクターの髪色説明と混ざっている可能性がある。制作トリビアが広まる途中で、キャラクター名だけがすり替わるタイプの要注意ネタだ。
関連短編『Lamp Life』について、『トイ・ストーリー4』周辺ではNetflix配信作品だったとする情報が混ざって流れることがある。実際の配信元や関連作の扱いを取り違えた可能性が高く、配信サービス情報としては注意が必要だ。