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1995年公開。ディズニーとまだ小規模だったピクサーが共同製作した、世界初の全編コンピューター・アニメーション長編であり、制作班は長編経験のないままソフトウェアと工程を映画と同時に作った。1993年11月にディズニーへ見せたストーリーリールは、ウッディが意地悪で共感しにくいとして酷評され、制作は実質停止し、ピクサー側は約2週間で人物と物語を根本から書き直した。この「ブラック・フライデー」を越えて約3,000万ドルで完成し、世界興収は3億7,000万ドルを超え、ピクサーの将来と長編アニメーションの制作方法を変えた。玩具が捨てられる不安を描いた映画は、まず企画そのものがディズニーに捨てられないよう必死に振る舞う必要があったのである。 ---
第1作は世界初の長編フルCGアニメーション映画として制作され、約11万フレームを出すために80万時間規模のレンダリングが行われたとされる。90年代半ばのコンピュータ性能では、週に数分しか完成映像を吐き出せないほど重い処理だった。
初期企画では、主人公はウッディではなく短編『ティン・トイ』のティニーで、腹話術人形と旅をするプロットが検討されていたとされる。ゴミ収集車やヤードセール、幼稚園など、没案の要素はシリーズ各作に分散して再利用されたという。
長編化を実現したピクサーとディズニーの契約は、ディズニー側にかなり有利な不平等契約だったとされる。それでもスティーブ・ジョブズは数千万ドル規模の資金を投じ、公開ヒットと同時期にピクサー株を上場させたと報じられている。
バズ・ライトイヤーの名前は、アポロ11号の宇宙飛行士バズ・オルドリンに敬意を表して付けられたとされる。初期には「ルナ・ラリー」といった仮称もあったが、よりヒーローらしい響きを求めて現在の名前に落ち着いたという。
バズ役は当初ビリー・クリスタルにも打診されたが、彼はオファーを断り、後に自分を「トイ・ストーリーを断ったおバカ」だったと振り返っている。その後『モンスターズ・インク』のマイク役は即答で引き受けたと語られている。
制作当初、スタジオ側には従来型のミュージカル映画への期待もあったが、ラセターはキャラクターに歌わせる形を避けたという。代わりにランディ・ニューマンの歌をナレーションのように置く方針が、シリーズのトーンを決めた。
日本語吹替版では、最初はウッディ役に山寺宏一、バズ役に磯部勉で全編収録が済んでいたが、公開直前に唐沢寿明と所ジョージで録り直されたと伝えられている。日本公開版の裏側として、今も語られやすい出来事だ。
ピクサー作品に頻出する隠し番号A113は、本作ではアンディの母親のミニバンのナンバーとして登場する。ピザ・プラネットの配達トラックも本作が初出で、以後のピクサー作品に続く定番ネタの出発点になった。
ウッディが会議を開く場面では、背後の本棚に『Tin Toy』『Red’s Dream』『Knick Knack』など、ピクサーの過去短編タイトルを冠した本が並んでいる。長編デビュー作の中に、スタジオの短編時代がこっそり刻まれている。
シドの家の廊下に敷かれたカーペットは、『シャイニング』のホテルの床と同じ六角形パターンで描かれているとされる。子ども向けに見える映画の中に、ホラー映画への大人向けオマージュが潜んでいる。
シドにロケットで爆破される兵士フィギュアコンバット・カールは、本来G.I.ジョーを使う案だったが、爆破描写への許可が得られず架空商品に置き換えられたとされる。実在おもちゃを扱う映画ならではの権利交渉の裏話だ。
制作途中のストーリーボード試写、いわゆるブラックフライデー・リールでは、ウッディが嫌味で攻撃的すぎるキャラクターになり、出来の悪さからディズニーが一度プロジェクトを停止したと伝えられている。脚本の大改稿が、現在の共感できるウッディ像につながった。
グリーン・アーミーメンの歩き方を作るため、アニメーターがスニーカーを板に打ち付けて歩行実験を行ったという逸話がある。足首が動かないぎこちない足運びを、実際に体感してアニメーションに落とし込んだとされる。
90年代半ばのCGは肌や布の自然な表現が難しく、光沢のある素材の方が得意だった。そこで第1作は、何でもプラスチックっぽく見える弱点を逆手に取り、おもちゃを主役にする発想へつなげたとされる。
第1作の人間キャラクターは、顔よりも手足や遠景で見せる場面が多い。当時のCGで人間の肌や表情を自然に見せる難しさを避けるため、人間を部分的に見せる構図が選ばれたとされる。
アンディの部屋にはMr.ポテトヘッドやマジック8ボールなど、実在の市販おもちゃも多数登場する。映画公開後は関連玩具の需要が伸び、当時まだ大手ではなかったThinkway社のバズ商品が大きく注目されたとされる。
終盤、引っ越し先へ向かうアンディ一家の車内では、『ライオン・キング』の「ハクナ・マタタ」が流れているとされる。同時期のディズニー作品をさりげなく混ぜ込んだ、聞き逃しやすいクロスオーバー小ネタだ。
初期版のウッディは、完成版よりかなり意地悪なキャラクターとして作られていた。社内試写で反応が悪かったため、物語と性格が大きく見直され、現在の憎めないリーダー像へ近づいたのだ。
シド・フィリップスをめぐっては、ピクサー周辺にいたおもちゃを分解する人物がモデルだという説が流通している。話としては面白いが、確認できる制作資料だけで特定の実在人物モデルと断定するのは難しい。