タイタニックを配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。
1997年公開。ジェームズ・キャメロンは実物の沈没船へ潜航して撮影した映像から企画を始め、20世紀フォックスはメキシコ・ロサリトに巨大な海辺の撮影所を新設し、ほぼ実物大の右舷側セットと約1,700万ガロンの水平線タンクを建設した。撮影の遅延と物量で製作費は当時史上最高級の約2億ドルへ膨らみ、フォックスは負担を分けるため北米配給権をパラマウントへ渡し、キャメロンも報酬の一部を返上した。水没セット、ミニチュア、モーションキャプチャー、デジタル群衆を組み合わせた制作は危険と疲労を伴ったが、世界興収は初公開だけで18億ドルを超え、作品賞を含む11部門でアカデミー賞を受賞した。沈没を描く映画そのものが予算の海へ沈みかけ、最後には二つのスタジオを載せて興行史の頂上へ浮上したのである。
『タイタニック』は、当時としては異例の約2億ドル規模で作られた大作だ。ロマンス映画でありながら、巨大な歴史再現プロジェクトでもあった。
メキシコの撮影施設には、タイタニック号を思わせる巨大な船体セットが作られた。CGだけではなく、俳優が実際に立てる巨大な空間が映画の迫力を支えている。
ジェームズ・キャメロンは実際の沈没船を深海で撮影し、その映像を映画に組み込んだ。フィクションの恋愛劇に、本物の海底遺構が混ざっているのが強烈だ。
ジャック役のレオナルド・ディカプリオは、公開後に世界的な熱狂を生んだ。歴史大作でありながら、若い観客を劇場へ引き込む恋愛映画としても機能したのだ。
ケイト・ウィンスレットは水中や浸水場面の撮影で過酷な寒さや負担を経験したと語られる。画面の緊迫感は、かなり体を張った撮影から来ている。
セリーヌ・ディオンのMy Heart Will Go Onは、映画の外でも世界的なヒット曲になった。作品の記憶を、音楽が単独で何年も運び続けている。
沈没シーンはフルCGだけではなく、ミニチュアや実写合成を組み合わせて作られている。巨大船が壊れていく実感は、複数の技術を重ねた結果だ。
終盤の板に二人が乗れたかというドア論争は、公開後ずっと語られている。物理実験まで行われたが、物語上はローズを生かすための選択として設計された場面だ。
ジェームズ・キャメロンは『タイタニック』の現代パート用に、まず実際の沈没船を撮影している。巨大セットの映画でありながら、物語の入口には本物の海底映像があるのだ。
沈没シーンのために、メキシコのバハ・スタジオにはタイタニック号の大規模再現セットが建てられた。模型やCGだけでなく、物理的な巨大セットで観客を船内に連れていく作りだった。
サウサンプトン出航シーンでは、風向きの都合でセットを右舷側として作り、撮影後に映像を反転している。衣装や小道具の向きまで逆にする、かなり大がかりな撮影トリックだ。
劇中でジャックが描いたローズのスケッチは、実際にはジェームズ・キャメロン本人の手によるものだ。監督の手が、そのまま主人公の才能として画面に映っている。
ジャックがローズを描く場面は、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが初めて一緒に撮った場面だった。あの緊張感には、役だけでなく撮影初日の空気も混ざっている。
沈没時の船尾甲板は、ヒンジで0度から90度近くまで動く大がかりなセットだった。人が滑り落ちる迫力は、CGだけでなく本当に傾く床から生まれている。
劇中のジャック・ドーソンは架空の人物だが、ハリファックスにはJ. Dawsonと刻まれた実在の犠牲者の墓がある。制作側は公開後までその一致を知らなかったとされる。
老年のローズを演じたグロリア・スチュアートは撮影時点で87歳だったが、役ではさらに高齢に見えるメイクが施された。実年齢でも十分すごいのに、そこからもう一段作り込んでいる。
ジャックの発言や持ち物を根拠に、『タイタニック』では彼が未来から来た人物だとするファン理論がある。細かな時代考証のズレを遊びとして拾った説であり、公式設定として扱える話ではない。