『タイトロープ』スーザン・サランドンが出演を断った理由
『タイトロープ』には、スーザン・サランドンが出演する可能性がありました。サランドンが引っかかったのは、脚本の中で性と暴力、女性への扱いが結び付いていることです。ソンドラ・ロックも後年の取材で、この理由による辞退を覚えていると答えています。[1]
スターとの共演を断った、というだけの話ではありません。どんな人物を、どんな映画の中で演じるのかという、役を引き受ける前の判断でした。
・仕事が欲しい時期でも、受けない選択をした
サランドンは1992年の取材で、当時は経済的に苦しく、仕事を切実に必要としていたと振り返っています。[2] 余裕があったから断れた、と簡単には説明できない状況だったのです。
一方、ロックの2013年のインタビューでは、サランドンが本作の性と暴力の描写を問題にした経緯が話題になります。ロックは辞退の事実と理由を認め、イーストウッドがどれほど有名な存在だったとしても、サランドンは同じ選択をしただろうと自身の見方を述べました。[1]
これはロックによるサランドン評であって、サランドン自身がすべての出演作について掲げた宣言ではありません。ただ、オファーが来たことと、受けることの間には、俳優本人の判断があると分かります。
・完成版のベリルは、ビュジョルドが演じた
完成した映画で、性暴力の被害を防ぐ活動に携わるベリルを演じたのはジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドです。刑事ウェス・ブロックを演じるイーストウッドに対し、捜査への不満を伝え、やがて親しい関係になる人物でした。[3]
ロックは同じ取材で、ビュジョルドを推薦したのは自分だったとも話しています。以前からビュジョルドの仕事を高く評価していた、という説明です。[1]
映画を見ていると、画面にいる俳優の組み合わせが最初から決まっていたように感じます。本作のベリル役の背景には、脚本をどう受け止めたかによる辞退と、別の俳優を推す声がありました。