2026年公開、原題『The Sheep Detectives』。レオニー・スワンの小説『Three Bags Full』の映画化は、プロデューサーのリンジー・ドランが脚本家クレイグ・メイジンへ原作を紹介してから、実現まで二十年近くを要した。監督には『ミニオンズ』のカイル・バルダ、脚本には『チェルノブイリ』のメイジンが組み、実写の牧場とCGの羊をなじませるため、撮影前から詳細な絵コンテと画面設計を用意した。ヒュー・ジャックマンの周囲に、ジュリア・ルイス=ドレイファス、ブライアン・クランストン、パトリック・スチュワートらの声を集めた。羊が事件を解くまでより、風変わりな企画をスタジオの会議室から生還させるほうが長い捜査だったようだ。
本作は、原題『The Sheep Detectives』をほぼそのまま日本語化したタイトルだ。殺人事件ならぬ“殺羊事件”をひつじたちが追う話なので、邦題だけで作品の変な面白さが伝わるタイプだ。
本作は、レオニー・スヴァンの小説『Glennkill』を原作にした映画だ。英語圏では『Three Bags Full』として知られ、もともと“ひつじが事件を推理する”という小説の発想から始まっている。
本作は、企画段階では『Three Bags Full: A Sheep Detective Movie』として報じられていた。公開題はより短い『The Sheep Detectives』になり、ひつじ探偵ものだと一目で分かる方向に寄っている。
事件は、ヒュー・ジャックマン演じる羊飼いジョージが死体で見つかるところから始まる。主演級スターが“調査される側”に回り、ひつじたちが探偵になるのがこの映画の変な強さだ。
『ひつじ探偵団』で探偵役になるひつじたちは、飼い主ジョージにミステリー小説を読み聞かされていた。だから事件が起きると、ただの群れではなく“推理の型を知っている羊たち”として動き出す。
監督は、『ミニオンズ』などで知られるカイル・バルダだ。動物たちの群れ芝居とミステリーを両立させる作品なので、コメディのテンポを扱ってきた監督の参加がかなり効いている。
脚本には、『チェルノブイリ』や『The Last of Us』で知られるクレイグ・メイジンが参加している。かわいい題名からは想像しにくい、かなり意外な制作陣の名前だ。
『ひつじ探偵団』には、『いつか晴れた日に』などで知られるリンジー・ドランがプロデューサーとして参加している。ひつじ推理ものに、文芸映画やキャラクター劇の経験がある作り手が入っているのが面白いところだ。
日本語吹替では、ヒュー・ジャックマン演じるジョージの声を山路和弘が担当している。ジャックマンの吹替でおなじみの声が、今回は“殺羊事件の被害者”側に回るのが楽しいポイントだ。
日本語吹替では、悠木碧、森川智之、種崎敦美、沢城みゆき、平田広明らがひつじたちを演じている。かわいい群れに、聞けば分かる実力派声優が並ぶのは吹替版の大きな見どころだ。
ソニー公式ページには、予告編だけでなくメイキング&インタビュー動画も用意されている。動物ミステリーという変わった題材だけに、撮影や声の作り方を追える公式素材があるのは貴重だ。
本作は、英国のBBFCではファンタジー、コメディ、ミステリーのジャンルで扱われている。かわいい動物映画に見えて、ジャンルの骨格はちゃんと“事件を追う話”として分類されている。
英国レーティング情報では、上映時間は約94分とされている。ひつじたちが事件を追う奇抜な設定ながら、長すぎない家族向けミステリーとしてまとまっている尺だ。
本作は、英国とオーストリアで撮影されたとされている。牧歌的な村、広い草原、ヨーロッパの風景が事件ものの舞台になるので、かわいいだけではなく少しクラシックな推理小説感も出ている。
ひつじ表現には、本物の動物だけでなくCGやVFXも使われたとされている。探偵として“考える羊”を見せるには、ただ撮るだけでは足りず、表情や動きの調整が必要だったはずだ。
VFXには、Framestoreが関わったとされている。リアルな羊を“探偵チーム”として成立させるには、かわいさと不気味さのバランスが難しく、VFX会社の仕事がかなり大きそうだ。
音楽は、クリストフ・ベックが担当している。ファンタジー、コメディ、ミステリーを行き来する映画なので、かわいさだけでなく事件の不穏さをどこまで音で出すかも見どころだ。
本作は、北米ではAmazon MGM Studiosの公開作として扱われている。かわいい動物ミステリーだが、劇場公開から配信までの流れを見ると、今どきのスタジオ映画らしい展開だ。
日本公開は、ソニー・ピクチャーズが公式ページを展開している。北米側のAmazon MGM文脈とは別に、日本ではソニー配給作品として宣伝されているのが流通面の小さな違いだ。
本作は、日本では2026年5月8日に公開された。海外の動物ミステリーを、ゴールデンウィーク明けの劇場で出すという少し不思議な位置取りも、公開タイミングの小ネタになる。
本作は、海外では劇場公開から比較的早くPrime VideoなどのPVOD配信が始まったと報じられている。劇場で観る動物ミステリーから、家で気軽に観る作品へ移る速度も今っぽい動きだ。
興行は、Box Office Mojo上では超大作級というより中規模作品として追える数字になっている。変わった設定のミステリーなので、興行よりも配信や口コミで伸びるタイプかもしれない。
日本向け記事では、事件を“殺羊事件”として紹介する見出しが使われている。人間の殺人事件ではなく、ひつじたちが仲間の飼い主の死を追うというズレを、一言で伝える宣伝ワードだ。
本作は、海外版予告が公開された際、SNSで「変だけど気になる」系の反応を集めたと日本メディアで報じられている。スター俳優と探偵ひつじの組み合わせだけで、だいぶ拡散向きの題材だ。
題名のインパクトから、『ひつじ探偵団』は本物の羊が推理するドキュメンタリーのように受け取られることがある。実際には動物ミステリーとしてのフィクションであり、作品の仕掛けや声の演出を混同しない方がよい。