🔍 ポップコーン探偵
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さらば愛しきアウトローの映画トリビア用メインビジュアル
NHK BS プレミアムシネマ
次回放送 9月16日(水) 13:00〜

さらば愛しきアウトロー

The Old Man & the Gun / 2018
IMDb ⭐ 6.7放送日 2026/9/16 NHK BS🕐 93分🎬 Fox Searchlight Pictures / Endgame Entertainment2018年
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探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

2018年公開。本作は、ロバート・レッドフォードがデヴィッド・グランの2003年の雑誌記事をデヴィッド・ロウリーへ渡し、自分がフォレスト・タッカーを演じる企画として始まった。ロウリーは実話を忠実に追う犯罪映画として何度も脚本を書いたが、その方法ではレッドフォードの持ち味と噛み合わないと判断し、タッカー本人が思い描いたであろう冒険譚へ書き直した。撮影は31日間で、撮影監督ジョー・アンダーソンはSuper 16のフィルムをわずかに露出不足で撮り、デジタル仕上げで明るさを戻すことで、1980年代の映画を思わせる粒子と低いコントラストを作った。編集では完成映像の大半へ仮音楽を置かず、映像と会話だけで場面の速度を決め、75のVFXショットもワイプ、分割画面、単純な合成という時代に合う処理へ抑えた。トム・ウェイツが提案したクリスマスの独白は本人の実話を基にし、複数方向から撮影した素材のうち一つの長いショットだけが完成版に残った。The Numbers掲載値では製作費1,580万ドル、北米興収1,127万7,120ドル世界興収1,695万5,673ドルであり、世界興収製作費をわずかに上回るが、宣伝・配給費や劇場取り分を含む採算はこの数字だけでは判断できない。

― ポップコーン探偵
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企画
信頼度

本作の出発点は、ロバート・レッドフォードがデヴィッド・グランの2003年の雑誌記事をデヴィッド・ロウリーへ渡したことだった。レッドフォードはフォレスト・タッカーを自分で演じる案まで添え、ロウリーも主演へ別の俳優を想定しなかった。原記事の映画化権だけが先に動いた企画ではなく、俳優から監督へ題材と主演像が同時に渡された。

脚本構成
信頼度

ロウリーは脚本段階で銀行強盗場面を何本も書いたが、その大半を撮影前に削った。冒頭で一度だけ十分な強盗を見せた後は、観客が期待する「最後の大仕事」へ進まず、フォレストとジュエルが過ごす時間へ映画を曲げた。強盗映画なのに犯行そのものが少ないのは、撮影素材が足りなかったためではなく、監督が人物の間の時間を選んだ結果である。

リハーサル
信頼度

レッドフォードとシシー・スペイセクが初めて長く話す食堂場面では、実際のロケ地で一日だけ稽古した。ロウリーは二人のやり取りがすでに自然に動いていると判断し、演技が固まる前に稽古を打ち切った。本番には2日半を確保し、二台のカメラで視線や返事の瞬間を同時に拾った。

撮影フォーマット
信頼度

Super 16は画の質感だけでなく現場を小さくした。フィルムカメラはデジタル撮影より外へ伸びる配線や大型モニターが少なく、俳優の周囲に集まる機材と人員を減らせる。監督は現場そのものを小さく、身軽で、1980年代の独立映画を撮っているような雰囲気に変えた。

撮影・現像
信頼度

撮影監督ジョー・アンダーソンは感度の低いKodak 7213 200Tをわずかに露出不足で撮り、DIと呼ばれるデジタル仕上げで明るさを戻した。現像を強める方法はコントラストまで上げるため避け、同じフィルムを昼光と電球光の両方に使って粒子をそろえた。夜の屋外では最大18万ワットの照明が必要になったが、後からデジタルノイズを足す方法では得にくい一貫した質感を優先した。

撮影設計
信頼度

ズームとモンタージュは脚本に書かれていた。ロケ地やカメラ形式が決まる前から、ロウリーは複数のズームとモンタージュの流れを脚本へ書いていた。複雑な強盗と追跡はJ・トッド・アンダーソンの絵コンテでも共有し、俳優、車、カメラが同じ狙いで動けるようにした。

最終撮影日
信頼度

レッドフォードの本作最後の撮影は、テキサスでジュエルへ電話する場面だった。ゆっくり前進する一つのショットを撮り終えると、フィルムを装填する担当者は、その缶を「レッドフォードを記録した最後のフィルムかもしれない」と撮影監督とプロデューサーへ渡した。引退が確定していたという意味ではなく、現場がその日の重みを感じていたことを示す撮影監督の回顧である。

編集ワークフロー
信頼度

オハイオ州シンシナティで撮ったフィルムは、現像所で現像し、別の施設でデジタル化してからロサンゼルスの編集室へ送られた。編集担当リサ・ゼノ・チャーギンが素材を見られるまで数日かかり、ロウリーも撮影直後に完成映像を確認できなかった。フィルム撮影の見た目だけでなく、素材が届く時間差まで制作工程へ組み込まれていた。

編集・音楽
信頼度

チャーギンは本作の編集へ、完成音楽の代わりに置く仮音楽をほとんど使わなかった。音楽が先に感情や速度を決めるのを避け、レッドフォードの小さな表情、会話の間、映像の切り替わりだけで場面のリズムを作った。日付・時刻・場所を示す画面文字も編集のかなり遅い段階で加えられた。

VFX
信頼度

75のVFXショットも昔の光学処理風にした。制作班は画面を拭うように切り替えるワイプ、単純な合成、分割画面など、1970年代の光学処理で可能だった見え方へ寄せた。処理する部分はいったんフィルム粒子を除き、合成後に同じ粒子を戻して周囲の実写となじませた。

出演者発の追加場面
信頼度

ウォラーが義父とクリスマスツリーの思い出を語る場面は、トム・ウェイツが「この人物にも独白があってよいのでは」と提案したことから生まれた。ウェイツが自分の実話を話し、ロウリーは一行だけ加えて脚本へ入れた。複数方向から撮影したが、編集では話を遮らない一つの長いショットだけを残した。

音楽
信頼度

終盤の曲は脚本初稿から決まっていた。ロウリーは脚本の最初の段階から曲名を指定し、制作班はプリプロダクション中に使用許諾の作業を始めた。フォレストの強盗人生と、レッドフォードの俳優人生が終わりへ向かう場面を一曲で重ねる設計だった。

引用映像
信頼度

フォレストの過去を示す若い姿には、別の俳優を立てるだけでなく、『逃亡地帯』(1966)のレッドフォード本人の映像を使った。ロウリーはその提案をレッドフォードへ伝え、本人の了承を得て挿入した。完成版を見たレッドフォード自身も効果の強さに驚いたというため、単なる資料映像ではなく、役とスターの記憶を意図的に重ねた場面である。

関連作品引用
信頼度

フォレストとジュエルが映画館で見るのは『断絶』(1971)である。ロウリーは当初その映画を劇中へ入れる予定ではなかったが、ウォーレン・オーツの人物が定住を望む独白を試すと、旅へ戻りたいフォレストと正反対の願いが響き合ったため採用した。本作の追跡場面も『断絶』(1971)へ先に敬意を表していたため、映像引用と車の場面が同じ参照先でつながった。

衣装・色彩
信頼度

衣装デザイナーのアネル・ブロデュールは、撮影監督と美術担当から場所ごとの色見本を受け取り、背景人物の服を壁や家具へなじませた。その中でフォレストには赤や青などのはっきりした色を置き、銀行や食堂の中でも視線が自然に主演へ集まるようにした。衣装だけを派手にしたのではなく、セットと群衆の色を同時に抑える設計だった。

宣伝・主演発言
信頼度

公開前、レッドフォードは本作を俳優引退作として語ったが、後にその発言を「間違いだった」と振り返った。引退の話題が映画と共演者より大きく報じられ、作品を紹介するはずの場が自分の去就へ偏ったためである。レッドフォードはNBRの上映後Q&Aで、静かに別の仕事へ移るべきだったとして、引退発言を撤回したいと明言した。

情報不足・要確認
信頼度

本作は実在の銀行強盗を扱うが、事実を順番どおり再現した伝記映画ではない。ロウリーは当初、捜査記録や犯罪歴を中心にした脚本を何度も書いたものの、その方法ではレッドフォードの持ち味と噛み合わないと判断した。そこで、タッカーが自分を英雄のように見ていた、その自己像の映画へ書き直した。ジュエルも実在した女性をそのまま再現せず、フォレストとの関係を含めて大きく再構成されている。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

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