🔍 ポップコーン探偵
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イノセンツ

The Innocents / 2021
IMDb ⭐ 7.0117分Mer Film / Zentropa Sweden / Snowglobe / Bufo2021年
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2021年公開、日本では2023年に公開された本作は、エスキル・フォクトが子育てから得た着想と、大友克洋の漫画『童夢』(1980〜1981年連載)への関心を育てた長編監督第2作である。子役探しには約1年をかけ、見つかった俳優に合わせて兄弟の設定を姉妹へ変更し、撮影前には演技の準備も重ねた。フォクトは子供を不意に驚かせて反応を盗む方法を避け、スタッフにもカメラのそばで無駄話をせず、携帯電話をしまうよう求めた。超能力も派手な爆発ではなく小さな異変として描き、監督によれば、その控えめな物体の動きを作るCGIには、むしろ費用と手間がかかったという。音響では音楽を遅くして風や足音へ溶け込ませ、興行資料のBox Office Mojoが記載する世界興収は32万1,757ドルだが、日本やノルウェーの数字が載っていない集計なので、これを完全な総額として扱うことはできない。超能力の映画でも、子役への準備と、大人が現場で余計な騒ぎを起こさないことまでは、魔法で済ませられなかったのである。

― ポップコーン探偵
この映画の トリビア!!!
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『イノセンツ』の参考になった『童夢』――親になって読み返すと、違う怖さが見えた

『イノセンツ』には、大友克洋の漫画『童夢』が、物語にも画面にも影響しています。監督のエスキル・フォクトは、撮影監督と一緒に漫画の絵を研究したと語っています。超能力を持つ子どもたちが登場するという共通点だけでなく、映画をどう見せるかまで参考にしていたのです。[1]

・入口は『AKIRA』、読み直すきっかけは『テルマ』

フォクトが『童夢』に出会ったのは1990年代でした。映画『AKIRA』を見て漫画も読み、大友のほかの作品の英訳を探すうちに見つけたそうです。その頃から、壮大な『AKIRA』に比べ、『童夢』は1本の映画に向いているのではないかと思っていました。[2]

その後、ヨアキム・トリアーと超能力を扱う映画『テルマ』を準備する際、若い頃に影響を受けた作品へ戻ってみることになりました。『童夢』を読み直したフォクトは、以前より強い衝撃を受けます。今度は、自分が父親になっていたからです。[2]

・子どもを愛していても、子どもの世界は分からない

読み直して印象に残ったのは、子どもが危険に遭うことに加え、大人には見えない、子どもだけの秘密の世界でした。フォクトは、自分の息子が見ている世界を理解できないと感じることがあったと説明しています。『童夢』は、その隔たりを映画にするうえでの指針になり、とくにクライマックスも参考にしたそうです。[2]

画面づくりでは、大友の構図が持つ、強く印象に残る形と現実感の両立に注目しました。細部は豊富でも、何を描くかは選ばれている。撮影監督と研究したのは、そうした絵の組み立て方でした。本作は『童夢』の映画化ではありませんが、監督が自分の映画を作るための、大切な参考作品になっています。[1][2]

・脚注

  1. abScreen Slate:ND/NF Interview: Eskil Vogt’s The Innocents(Soham Gadre、2022年5月2日、監督本人への取材)。
  2. abcd映画.com:大友克洋「童夢」に影響を受けた北欧サイキックスリラー「イノセンツ」(2023年7月28日、監督本人への取材)。
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本作の着想には、エスキル・フォクト監督が親になって思い出した幼少期の感覚がある。『テルマ』(2017)をヨアキム・トリアーと構想していた際に、子供たちの遊びの魔法が本当になる案を話したが、その場では採用されなかった。後にフォクトが**単独で育てた企画**である。

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本作では**子役が先、大人が後**という配役順を採用した。親役の容姿に合う子供だけを探すと選択肢が狭まる、と配役担当が指摘したためである。フォクト監督によれば、選ばれた子供たちに合わせ、主要4役の性別や民族的背景を変更した。脚本上の兄弟も、完成作では姉妹となった。

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本作のアナは当初、14歳の少年として書かれていた。配役担当が、別の役の選考を待つアルヴァ・ブリンスモ・ラームスタの表情に可能性を見いだし、**少女の役へ書き換えた**。フォクト監督は自閉症に関する記録映像を研究し、手の動きなどを俳優と準備したと説明している。

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本作のイーダ役ラーケル・レノーラ・フレットゥムと、母親役エレン・ドリト・ピーターセンは**実の母娘**である。フォクト監督はまず娘を選び、その後、実母と共演すると萎縮しないかを確かめるため二人でテストした。そこでの自然な演技を見て、母親役も任せることにした。

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子役と直接話せる撮影監督を選んだ。子役と直接意思疎通できるよう、**ノルウェー語で話せる**人を探し、シュトゥルラ・ブラント・グロヴレンを起用した。監督は、落ち着いた人柄も子供たちを撮る現場に適していたと説明している。

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本作を撮り終えた子役たちは、自分たちで短編を作り、フォクト監督を**悪役の院長に配役**した。物語では意地悪な孤児院の院長が子供たちの復讐を受ける。監督は日本の取材でこの短編について語り、子供たちが物語や撮影を主導したことを振り返っている。

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本作の子役選考とワークショップは、監督の説明では約1年半に及んだ。候補者に**同じ写真を見せる**一方、そこから生まれる物語は自由に考えてもらった。写真への反応の違いから想像力を知り、役を演じるための手がかりも得ようとしたのである。

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本作は、冷たい色調や暗闇だけで恐怖を作る方針を採らなかった。監督は温かい自然な色と、砂やかさぶたなどを近くで捉える画面を重視した。**子供の触覚に近づく**ためであり、周囲の大人が気づかない出来事を明るい日常と並べる狙いがあった。

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【ネタバレあり】本作の猫の撮影には、**動くまで待つ時間**もあった。フォクト監督によれば、椅子から跳ぶ予定の猫が毛づくろいを続け、スタッフが待ったことがある。劇中には残酷な動物虐待描写があるが、英国の審査機関BBFCは、実際の動物虐待の問題はないと記録している。

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子役を不意打ちで怖がらせる撮り方をしなかった。フォクト監督は、何が起こる場面かを子供たちに説明した。重い感情の場面も短く撮り、途中で**側転をする休憩**を挟んだことがある。演技と現実を区別したうえで、次の撮影に戻れるようにしていた。

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【ネタバレあり】本作の終盤では、窓が一斉に砕けるような派手な破壊より、**小さな異変**を重視した。フォクト監督によれば、小さな物のCGはかえって難しく、費用もかかったという。しかし大騒ぎになれば、大人が子供を連れ帰り、子供だけの戦いという物語が成立しなくなるため、この方針を守った。

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本作の作曲家ペッシ・レヴァントは、編集後に曲を当てるのではなく、早い段階で弦楽器などを録音し、**音の素材集を先に作った**。編集側はその音を組み合わせて使い、作曲家が後から整えた。本人によればデモは約150に達し、パンデミックによる時間の延長も実験を助けた。

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本作の音楽では、弦楽器や打楽器の録音をテープ機器などに通し、**きれいな音を汚した**。ペッシ・レヴァントは、純粋さが損なわれるという発想から音色を作ったと説明している。イーダやアイシャに個別のテーマを付ける案も試したが、人物登場に合わせると漫画的に感じられたため取りやめた。

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【ネタバレあり】本作の猫を傷つける場面には、モーリス・ピアラ監督の**『裸の幼年時代』**(1968)の影響がある。フォクト監督は、同作の猫の場面から直接着想したと説明している。子供への優しさと残酷さが同時にある描写に衝撃を受け、その行動を生む幼い衝動にも理解できるものを感じたという。

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本作の冒頭クレジットでフォクト監督が直接の参考にしたのは、デヴィッド・クローネンバーグ監督の**『デッドゾーン』**(1983)である。監督は上映イベントに寄せた解説で、同作を好きなスティーヴン・キング原作映画の一つに挙げ、本作の冒頭への影響を明言している。

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【ネタバレあり】本作の子供たちの能力を考えるうえで、フォクト監督は**集合意識の反応**に注目した。影響作として挙げたのは『未知空間の恐怖/光る眼』(1960)である。個々の子供が一つの意識のようにつながる描写が刺激になったという。能力の設定を考えるために参照した作品の一つである。

情報不足・要確認
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本作の英題を『回転』(1961)へのオマージュと読む批評がある。しかしフォクト監督は、**原題の意味を保った**と説明している。同名作との比較は予想していたが、主な着想源ではなかったという。批評としての関連づけと、監督が題名を選んだ意図は別である。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

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