『アメイジング・スパイダーマン』CGの動きに残した、本物のスイング
『アメイジング・スパイダーマン』で街を飛び回る姿には、撮影現場で実際に人が揺れた動きが生かされています。マーク・ウェブ監督は、スタント担当のアンディ・アームストロングらが組んだ装置でスイングを撮り、その映像がCGの動きを考える助けになったと語っています。[1]
実演かCGかを場面ごとに選ぶだけでなく、実演で得た身体の動きを、CGにも持ち込む。それが本作の飛び方を支えていました。
・最初に、身体が本当に振られるところを撮る
監督によると、特に映画の前半では実際のスイングを使っています。[1] ワイヤーで支えられた人間が弧を描くと、手足や胴体の位置が変わり、身体は一枚の板のようには動きません。
それを現場で撮っておけば、後でデジタルの人物を動かす際にも、どのように身体が引かれ、姿勢を変えるのかを考える材料になります。人間にはできない大きな移動を作るときも、動きのすべてを想像だけで組み立てる必要がなくなるのですね。
・後半のCGにも、前半の動きを渡す
ウェブは、実演した身体の動きが、後半に使うCGのための情報にもなったと説明しています。[1] 前半と後半で制作手段が変わっても、画面の中では同じ人物が飛び続けなければなりません。
だからこそ、CGになった瞬間だけ身体が軽くなったり、どこまでも滑らかに動いたりすると、実写部分との違いが目立ちます。実演の参照は、超人的な動きを加えるためだけでなく、同じ身体に見せるためにも役立っているわけです。
・スーツの皺も、人物の重さになる
監督が挙げたのは、動きだけではありません。スーツの皺など、完全ではない見え方の重要性にも触れています。[1]
整い過ぎた表面や動きから少し離れ、現実の身体に起きる変化を残す。その積み重ねが、マスクの下に人がいる感覚につながります。スパイダーマンが飛び出す瞬間には、移動する距離だけでなく、腕に引かれる胴体や、姿勢の崩れにも注目してみてください。