主な参考資料
- Vanity Fair
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2003年公開。本作は1975年のテレビシリーズを映画化した企画で、多数の脚本家と監督候補を経た後、デヴィッド・エアーの改稿とクラーク・ジョンソンの演出で完成した。ザック・スナイダーは監督する予定だったが、本人によればR指定の激しい映画を望んだのに対しソニーがPG-13を求めたため離れ、その後ジョンソンが警察ドラマとして人物関係を組み直した。出演者は元LAPD SWAT隊員ランディ・ウォーカーの指導で約1週間訓練し、通常は14人規模の部隊を映画では6人へ圧縮、約14キロの装備は撮影時に軽量素材も使って負担を調整した。ヘリコプター墜落には実物大機体を約23メートル落として爆破し、Learjetの橋上着陸には実走可能な機体とCGを併用するなど、150以上の視覚効果ショットを実物スタントへ溶け込ませた。The Numbersは製作費7,000万ドル、世界興収約2億715万ドルと集計している。現実の特殊部隊を再現する企画も、レイティング会議ではまず火力を減らされるあたり、最初に制圧されるのはいつも監督案である。
映画は1975年のテレビシリーズから、ホンドー、ストリート、T・J・マッケイブ、ディークという4人の名前だけを残した。旧作でホンドーを演じたスティーヴ・フォレストはSWATトラックの運転手、ディーク役のロッド・ペリーは新しいディークの父として登場する。旧作をそのまま続けるのではなく、名前と俳優を別の形で引き継いだ再構成である。
プロデューサーのニール・H・モリッツがクラーク・ジョンソンを選んだ理由は、警察もののテレビドラマで人物を描いてきた経験だった。銃撃や追跡だけを連ねるのではなく、隊員同士の関係からアクションを立ち上げられる監督を求めていた。ジョンソンは、警察の手順を観客が物語の中で理解できる構成を目指した。
デヴィッド・エアーが参加した時点で、監督、主要キャスト、撮影開始日はすでに決まっていたが、本人の表現では映画を開始できる完成脚本がなかった。エアーは自分を多数いた脚本家の一人と位置づけ、まず製作許可を得られる稿へまとめる仕事を担った。完成版の脚本クレジットだけでは見えにくい、公開日先行型の開発だった。
デヴィッド・エアーが最初に書いたのは、暗く暴力描写の強いR指定想定の稿だった。ところが開発途中でスタジオの方針が変わり、完成映画はPG-13を前提に組み直された。後から流血場面だけを削ったのではなく、脚本段階で作品の届く観客層が変更されたのである。
ジャクソンは、個人技よりチームを率いられるホンドーとして選ばれた。プロデューサーのニール・H・モリッツは、アンサンブルを率いながら他の隊員も際立たせられる俳優だと考えた。SWATを一人の英雄ではなく、連携する集団として見せるための配役だった。
主要キャストは2週間のSWAT学校へ入り、実弾射撃だけでなく、手信号、視線、専門用語、隊形を学んだ。目的は各俳優を個別の射撃名人に見せることではなく、互いの動きを読める一つの部隊にすることだった。画面で短く交わされる合図にも、訓練で共有した手順が使われている。
技術顧問ランディ・ウォーカーはLAPDに勤務し、そのうち16年間をSWATで過ごした人物である。彼は1997年のノースハリウッド銃撃戦へ対応したチームにも加わっており、その経験が映画冒頭の銀行襲撃場面の参照になった。実事件の無線や戦術を借りるだけでなく、現場を知る隊員が撮影を監修していた。
出演者は約30ポンド、約14キロの防具と装備を着け、1週間の機動訓練を行った。しかし撮影本番のベストは、本物のケブラーを軽いフォーム材へ置き換えている。現実の重さを一度身体で覚えたうえで、長時間の反復撮影では安全と動きやすさを優先したのである。
T・J役のジェレミー・レナーは、訓練で50口径ライフルを撃つことを楽しみにしていた。ところが4発で十分だと感じるほどの反動を受け、本人はロバに蹴られたようだと表現した。画面の武器を持つ前に、俳優自身がその威力と負担を経験していた。
当時の実際のLAPD SWATチームは14人編成だったが、映画では6人へ縮められた。現実には武器や役割ごとに専門担当が分かれるところも、登場人物が複数の装備を扱うよう整理されている。忠実な再現より、観客が一人ずつを見分けて関係を追える規模を選んだ脚色だった。
撮影当時、LAPD SWATに女性隊員はいなかった。制作陣はその事実を承知したうえで、ミシェル・ロドリゲス演じるサンチェスをチームへ加えた。実在部隊の完全な写しではなく、将来あり得る姿を映画側から先に置く意図的な変更だった。
撮影地はロサンゼルス周辺の75か所超に及んだ。とはいえ場面ごとに遠くへ移動したのではなく、同じ区域を角度や美術で変え、6〜8の別場面へ使い分けることもあった。街全体を広く見せながら、撮影隊の移動を減らすロケーション設計である。
撮影監督ガブリエル・ベリスタインは、作戦を二つの距離から記録した。ヘリコプターから街と隊員の配置を見せる広い画を撮る一方、地上では5〜6台の手持ちカメラを人物の近くへ入れた。戦術の全体像と、隊員が現場で受ける圧力を同じ場面の中で両立させる方法だった。
終盤の舞台になったロサンゼルスの6番街橋は、全長約3,000フィート、約914メートルある。製作陣は橋を夜間に封鎖し、約4週間をかけてアクションを撮影した。一晩で終わる見せ場ではなく、交通を戻しながら夜ごとに組み直す大規模なロケだった。
ロサンゼルスの雨水路で逃走場面を撮る案は、冬季の鉄砲水が起きる危険から許可されなかった。そこで製作陣は、必要な長さと足場を管理できる水路セットを建てた。実在する都市景観に見える場所が、安全上の制約から作られた人工空間なのである。
【ネタバレあり】6番街橋でLearjet場面をリハーサルしている最中、本物の盗難車追跡が撮影区域へ向かってきた。盗難車は駐機した機体とのわずかな隙間を抜け、その後を約15台の警察車両が通過した。制作陣は上空の映像を本編へ使おうとしたが、場面には合わなかったという。
【ネタバレあり】【ネタバレあり】ヘリ墜落は、実物大機体を約23メートル落とした。実物大機体を75フィート、約23メートル落とし、9台の高速カメラで記録した。そこへローター、煙、破片をデジタルで加え、実写の重量とCGの危険表現をつないでいる。
【ネタバレあり】Learjetの橋への接近は、まず飛行シミュレーターで軌道を設計し、そのデータを3DCGへ移した。橋上ではV8エンジンを積んだ実物機を車のように走らせ、20fpsの低速撮影で速く見せた。逆噴射装置、点滅灯、熱の揺らぎ、タイヤ煙をデジタルで足し、飛行と接地を一続きにしている。
Pixel Magicは本作で唯一のCG・合成会社として、150カットを超える視覚効果を担当した。目標は派手なCGを見せることではなく、観客が効果だと意識しない「non-effect」にすることだった。実在の街、車両、機体を残し、危険で撮れない部分だけを補う設計である。
エリオット・ゴールデンサールの音楽は、92人編成のオーケストラで録音された。事前録音から最終ミックスまでの工程は22日間、そのうちオーケストラ録音に5日を使い、二つのスタジオと約20人のチームが動いた。大編成の生音と電子音を、短い集中日程で一つのアクション音楽へまとめている。
本作の歪んだギターと電子音について、ゴールデンサールはジミ・ヘンドリックスだけを参照点にしていない。グレン・ブランカの大量ギター編成と、モートン・サボトニックの電子音楽も源流として挙げた。警察アクションの音楽に、ロックと実験音楽の両方を持ち込んだのである。
ザック・スナイダーは、ソニーで本作を監督する予定だったと振り返っている。しかしスタジオがPG-13作品を求めたため、自ら企画を離れた。その後に監督した『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)が長編デビュー作となり、本作の監督にはクラーク・ジョンソンが就いた。
世界興収は、The Numbersが2億715万4,748ドル、Box Office Mojoが2億772万5,639ドルを掲載しており、おおむね2億700万ドルで一致する。一方、製作費は7,000万ドルと8,000万ドルで1,000万ドルの差がある。費用と収益を比較する場合は、単一の数字へ固定せず出典を併記する必要がある。
サミュエル・L・ジャクソンが撮影終了時、主要キャストへ「S.W.A.T.」と刻印した9ミリ拳銃を贈ったという説がある。しかし本人や受取人の発言、贈答品の写真、メーカー記録、同時代の制作資料には到達できなかった。非常に具体的な逸話だが、現時点ではIMDbから広がった未確認情報として扱うのが妥当である。
コリン・ファレルがヘリからの懸垂下降を自分で演じようとして止められ、代役が最初のテイクで足首を骨折したという説がある。しかし事故報告、代役本人やスタント責任者の証言、同時代記事は確認できなかった。制作資料が沈黙しているだけで否定はできないが、確認済みの事故としては扱えない。
冒頭の低空ヘリ撮影には、近隣住民と事業者から500件を超える署名を集める必要があったという説がある。低空からの撮影自体は制作資料で確認できるが、署名簿、自治体の許可記録、制作担当者の発言は見つからなかった。この具体的な数字は、現段階では独立して裏付けられていない。
8人の著名監督が全員、多忙を理由に本作を断ったという一覧が流通している。しかし全員への正式オファー記録は確認できず、少なくともザック・スナイダー本人は、PG-13にするスタジオ方針を理由に自分から離れたと説明している。候補名の一部が正しくても、「全員が多忙で辞退」という共通理由は成立しない。