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2011年製作のフランス映画『Forces spéciales』で、日本では劇場公開されず、テレビ放映時に使われた別題が『スペシャル・フォース 壮絶!人質奪還作戦』である。長編初監督のステファヌ・リボジャは、フランス軍や特殊部隊を長年取材してきた映像記者で、出演者たちをロリアンの海軍コマンド部隊との訓練へ送り、ダイアン・クルーガーには実際の記者への取材も行わせた。安全と費用の問題からアフガニスタンそのものではなく、フランス、ジブチ、国境に近いタジキスタンで撮影し、電力も施設も乏しい現地では250枚のマットレスや2,500点の衣装を運び込み、風、雪、砂漠へその場しのぎで対処した。製作費は約1,000万ユーロ、フランス国内の観客動員は約20万4,600人にとどまった。軍事行動の現実味を求めて国境近くまで進軍した作品だが、映画館の観客席を制圧する作戦までは成功しなかったのである。
題材だけ見るとハリウッドの軍事アクションに見えるが、『スペシャル・フォース』はフランス映画だ。国際色の強いキャストを使いながら、軸にはフランス特殊部隊の視点が置かれている。
ステファン・リボジャは監督だけでなく、脚本や製作にも関わっている。現場感のある救出劇を、かなり作り手主導の企画として押し切った作品だ。
撮影はフランスだけでなく、ジブチやタジキスタンでも行われた。砂漠や山岳地帯を横断する物語の重さは、スタジオだけでなく実際の過酷なロケーションにも支えられている。
アクション場面では、フランス海軍特殊部隊の協力があったとされる。派手な銃撃だけでなく、移動や隊列の見せ方に専門職のリアリティを入れようとした作品だ。
フランス海軍コマンド部隊の元チーフインストラクター、アラン・アリヴォンは本人役で出演している。監修だけでなく、画面内にも本職側の人間が入っているのが細かい。
ダイアン・クルーガーは、武装勢力に拉致されるジャーナリスト役で出演している。救出される側をただの記号にせず、国際報道の危うさを背負った記者キャラクターとして配置している。
ヘリコプター場面では、Big Audio Dynamiteの「E=MC2」が使われている。軍事アクションの硬い空気に、意外とポップな80年代ロックの響きが差し込まれる。
海外レビューでは、ゲーム的なアクションに見えるという厳しい見方もあった。逆に言えば、本作はリアル志向と娯楽アクションの間でかなり力技のバランスを取ろうとしている。
原題はシンプルな「Special Forces」だが、日本語題は「壮絶!人質奪還作戦」まで付けている。検索前から、どんな映画か分かる説明型の邦題になっている。