主な参考資料
- Los Angeles Times
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1998年公開。ニコラス・ケイジ主演の本作は、ブライアン・デ・パルマが原案・製作も担い、デヴィッド・コープが脚本を書いた、アトランティックシティを舞台にした密室型スリラーである。 コープによれば、デ・パルマを監督に付けた脚本は400万ドルのパッケージとして売られ、『ミッション:インポッシブル』(1996)の成功直後だった監督が「すぐ撮る」と約束したことも企画の価値を押し上げた。 二人は時間と場所を絞ること自体を美学上の課題に据え、冒頭の長回し風場面も、デ・パルマによればモニター画面からケイジを追う流れを三つの区間に分けて組み立てたものである。 しかし終盤に用意されていた大波のクライマックスは試写で不評となり、ポストプロダクション段階で別の結末へ差し替えられ、デ・パルマ自身も観客の反応を読んで映画の形を変えることは珍しくないと説明している。 Box Office MojoとThe Numbersはともに製作費7,300万ドル、北米興収5,559万1,409ドル、世界興収1億389万1,409ドルを掲げ、北米公開初週末は2,713館で1,631万373ドルを記録した。 「すぐ撮る」ために買われた企画は、最終的には観客の波に結末をさらわれ、ハリウッドではスピードも作家性も、試写カードの前ではいったん編集台へ戻るのである。
本作の脚本は、ブライアン・デ・パルマを監督に付けたパッケージとして400万ドルで売却された。脚本家デヴィッド・コープによれば、『ミッション:インポッシブル』(1996)を成功させた直後のデ・パルマが、すぐに撮影へ入ると約束したことも企画の価値を押し上げた。脚本だけでなく、実績のある監督と製作開始の速さまで一緒に売られた企画だった。
ブライアン・デ・パルマと脚本家デヴィッド・コープは、本作を一晩の限られた時間と、一つの競技場を中心とする場所に閉じ込めた。黒澤明監督の『羅生門』(1950)のように、一つの事件を複数の人物の視点から見直す発想を使い、同じ場面へ戻るたびに前回は見えなかった情報を加えている。デ・パルマは、回想が物語を止めたり同じ映像の繰り返しに見えたりしないよう、人物を別の位置へ置き、同じ競技場を毎回異なる空間として撮った。
冒頭の長回しは、一発撮りではなく三つの区間をつないだ。ブライアン・デ・パルマは流れを三つの区間に分け、人物や物体が画面全体を覆う瞬間に編集点を隠した。カメラが階や場所を移るたびに撮影をつなぎながら、観客には一続きの時間として見せている。
ゲイリー・シニーズは、大勢の出演者と背景の動きが同時に進む長いショットの撮影を、舞台演劇に近い体験だったと振り返っている。カメラの前では主演俳優だけでなく、群衆、競技場のスタッフ、テレビ中継班などが決められたタイミングで動く。一つの要素が外れるだけでショット全体が使えなくなるため、緊張の大きい一方で、始まれば全員で最後まで進む解放感もあったという。
分割画面は、左右を別々の場面として完成させてから合わせた。編集のビル・パンコウによれば、左右それぞれの視点に合わせてレンズと画面内の大きさを決め、まず片側だけで場面が成立するように編集した。その後、もう片側も同じように組み立て、二つの動作と時間が正確に一致するよう調整している。
本作の初期編集版には、完成版より多くの分割画面が入っていた。ブライアン・デ・パルマは長い時間をかけて調整したが、左右から同時に入る情報が多すぎると、監督自身でも追い切れない状態になったという。事件の手掛かりを理解できなくなると物語全体が成立しないため、分割画面を繰り返し削り、観客が状況を整理できる量まで減らした。
本作には当初、高潮が海岸の遊歩道とカジノを襲い、リックとジュリアが水中から脱出する大規模な結末が用意されていた。撮影と特殊効果の制作まで進んだが、ブライアン・デ・パルマは、大波が二人の対決より目立ち、別の災害映画が突然始まったように見えたため、高潮を中心にした旧結末を採用した判断は誤りだったと認めている。監督によれば試写の回答カード400枚のうち399枚が大波へ疑問を示したため、高潮の場面を削り、対決を中心にした結末へ組み直した。
ブライアン・デ・パルマはパラマウントとの契約で、PG-13に収まる本作を納品する義務を負っていた。しかしMPAAは暴力と台詞を理由にRと判定し、デ・パルマが殴打場面から六、七発分を外した後も、さらに四、五発と流血、禁止語の削除を求めた。監督はいったん作品を損なうとして異議申立てを表明したが、その申立ては後に取り下げられ、公開版は最終的にR指定となった。
物語の舞台はアトランティックシティだが、本作の主要な競技場場面にはカナダのモントリオール・フォーラムが使われた。制作陣はアトランティックシティでも外観やカジノ周辺を撮影し、モントリオールの競技場とセットへつないでいる。一晩の出来事を同じ建物内で追う映画でありながら、画面上の一つの施設は二つの都市にまたがって作られた。
本作の終盤で表彰を行う市長を演じたジム・ウィーランは、撮影当時のアトランティックシティ市長本人である。ウィーランは1990年から2001年まで市長を務めており、出演クレジットにもMayor役として本名が記録されている。架空の競技場で起きた事件を現地の政治家が締めくくる、小さな本人出演になった。
本作の製作費は7,300万ドルとされ、北米では5,559万1,409ドル、北米以外では4,830万ドルを記録した。世界興収は合計1億389万1,409ドルで、二つの主要な興行データベースが同じ内訳を掲げている。売上は製作費を上回ったが、この数字には宣伝費や映画館側の取り分が含まれないため、興収だけから最終的な利益までは判断できない。