レッド・ドーンを配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。
2012年公開。1984年版のリメイクとして2009年に撮影され、当初は中国軍による侵攻として完成したが、MGMの経営破綻で約2年間公開できず、配給先を探すことになった。中国市場と今後の事業への悪影響を恐れた製作者側は、公開前に旗、制服、台詞、導入映像をデジタル修正し、敵国を北朝鮮へ変更したが、結局中国では上映されなかった。製作費約6,500万ドルに対し世界興収は約5,000万ドルで、修正は興行の救出にはならなかった。祖国を守る映画が、現実には海外市場の顔色を見て侵略者の国籍を書き換えたのだから、愛国心にも配給地域別の仕様があったようだ。
2012年版『レッド・ドーン』では、撮影後に侵略軍の設定が中国から北朝鮮へ差し替えられた。政治的な事情が、完成後の敵国そのものを変えてしまった珍しい例だ。
EMPとロシア支援の設定は、中国版だった時点から組み込まれていたとされる。敵国だけを変えたように見えて、世界設定には初期案から残った骨格もある。
ダン・ブラッドリーにとって、本作は長編監督デビュー作だった。スタントや第二班の経験を持つ人物が、いきなり大規模リメイクを任された形だ。
制作側には、MGMの生産効率記録を破ったという証言がある。派手な侵略映画の裏では、かなり高速な現場運用が求められていた。
爆破シーンの一部は、文字通り一発勝負だったとされる。デジタルで何度も直せる場面ではなく、現場の実写アクションの緊張が残る。
オリジナル版から引用した場面は、撮影直前まで出入りしていたという。リメイクは単なる再現ではなく、どこまで旧作を残すかを現場で揺らし続けていた。
完成後もMGMの財務問題で長く公開されなかった。2012年版『レッド・ドーン』は、映画の中だけでなく配給面でも足止めされた作品だった。
物語の舞台はスポケーンだが、撮影は主にミシガンで行われた。画面のアメリカ北西部らしさは、別の州で作られた舞台でもある。
中国版時代の宣伝・占領ポスターが、現場写真に残っているとされる。完成版では消えた設定の名残が、制作途中の痕跡として見える。
ワールドプレミアはFantastic Festのクロージング作品だった。公開まで遠回りした映画が、ジャンル映画祭でようやく観客の前に出た流れがある。
本編尺は資料によって93分、94分、96分と揺れている。配信や媒体差の可能性もあり、上映時間の表記ゆれとして扱うのがよさそうだ。細かい数字ほど、資料ごとの差が出る。
ジョシュ・ペックは撮影を60日間の過酷なマラソンのように振り返っている。若者の反乱映画の裏側も、かなり体力勝負の現場だった。
初期段階では、中国が米国の債務不履行で「回収」に来る設定だったという説がある。確認は弱く、未確認脚本説として扱うのが安全だ。
オリジナル版のジョン・ミリアスは、リメイクに冷淡だったとされる。1984年版の作家性が強いだけに、旧作側の距離感もトリビアとして残る。