主な参考資料
- Los Angeles Times
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2012年公開。1984年版のリメイクとして2009年に撮影され、当初は中国軍による侵攻として完成したが、MGMの経営破綻で約2年間公開できず、配給先を探すことになった。中国市場と今後の事業への悪影響を恐れた製作者側は、公開前に旗、制服、台詞、導入映像をデジタル修正し、敵国を北朝鮮へ変更したが、結局中国では上映されなかった。製作費約6,500万ドルに対し世界興収は約5,000万ドルで、修正は興行の救出にはならなかった。祖国を守る映画が、現実には海外市場の顔色を見て侵略者の国籍を書き換えたのだから、愛国心にも配給地域別の仕様があったようだ。
完成から公開まで約三年待たされた。『レッド・ドーン』は2012年公開だが、撮影自体は2009年に終わっていた。MGMの資金難で約三年棚上げされ、その待機期間中に敵国設定まで変更された。完成後の時間が映画の内容を変えた珍しい例であり、画面には2009年の俳優と2011年以降の修正が同居している。
中国軍を北朝鮮軍へ一〇〇万ドル未満で変更した。撮影時の侵攻軍は中国軍だった。だが中国市場への影響を恐れた配給側は、記章と旗をデジタルで北朝鮮仕様へ変え、台詞と冒頭説明を差し替え、二つの場面を再編集した。費用は一〇〇万ドル未満と報じられている。兵士の国籍は脚本会議ではなく、完成後の画像処理で変わったのである。
ジョシュ・ペックは六週間の軍事訓練を受けた。ジョシュ・ペックは、マットを単に銃を持つ若者として演じなかった。元ネイビーシールズとの六週間の訓練に加え、共演者との海兵隊式ブートキャンプとフットボール訓練を受けた。高校選手からゲリラへ変わる人物の動きを、二種類の訓練で身体に入れてから撮影へ臨んでいる。
監督のアクション経験と俳優の演技経験を交換した。ダン・ブラッドリーにとって本作は長編監督デビューだが、第二班監督とスタント調整では豊富な経験があった。エイドリアンヌ・パリッキとジョシュ・ペックによれば、監督はアクションでは確信を持ちつつ、人物演技では俳優の経験も受け入れた。得意分野を交換する現場が、戦闘と家族劇を一作に収めた。
閉校した高校を撮影拠点へ変えた。撮影にはミシガン州ハーパーウッズの閉校したノートルダム高校が使われた。教室や校舎を背景にするだけでなく、食堂はスタッフの食事場所にもなったという。物語の高校と撮影隊の基地が同じ建物に重なり、閉校施設が長期撮影を支える実務空間へ生まれ変わった。
アメリカンフットボールの監督役は本物の元選手だった。冒頭の高校フットボールで監督を演じるのは、元NFL選手でESPN解説者のマーク・シュレーレスである。短い登場だが、号令の出し方や選手との距離に実戦の経験が入る。侵攻前の日常を素早く本物らしく見せるため、スポーツ場面へ競技経験者を置いた配役だった。
暗号放送は1984年版と同じ文面を使った。侵攻国や通信環境は現代化されたが、ラジオ・フリー・アメリカから流れる暗号文には1984年版と同じ言葉が使われているという。新作の登場人物が聞く声に、旧作の抵抗運動が重なる。筋をなぞるだけでない音の継承として、本編を並べて確かめたい細部である。
米国盤ブルーレイには特典映像が一つもない。2013年の20世紀フォックス米国盤ブルーレイとDVDには、メイキングも削除場面も、予告編さえ収録されなかった。完成後の敵国変更や長期延期を抱えた作品なのに、公式商品からはその工程をたどれない。特典がないこと自体が資料上の空白になっている。
「星条旗で兵士を絞める」場面は試写で削除されたという説。初期編集には、ウルヴァリンズの一人が星条旗で敵兵を絞める場面があったという。試写では象徴の使い方が過剰だと受け取られ、完成版から外されたと伝わる。事実なら、愛国心を示すはずの旗が暴力そのものに見える境界を観客反応で調整したことになるが、試写記録は未回収である。
北朝鮮軍の輸送機数では画面の空挺作戦を支えられない。住宅地上空には多数の大型輸送機が現れるが、現実の北朝鮮空軍の輸送能力では同規模の空挺作戦を支えにくいという指摘がある。これは単なる軍事考証ミスというより、侵攻軍を中国から北朝鮮へ変えた後も作戦の規模までは作り直せなかった痕跡として読める。