アラスカ魂を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。
1960年公開。製作は脚本家組合のストライキに直撃され、完成脚本なしで撮影を始めることを拒んだリチャード・フライシャーが降板し、代わったヘンリー・ハサウェイが、その日ごとに届く材料をつないで現場を進めた作品である。アラスカのノームを舞台にしながら、主な撮影地は冬の北方ではなくカリフォルニア州ポイント・マグーで、映画らしい寒冷地は美術と撮影の腕で掘り当てられた。ジョン・ウェインも自ら巨費を投じた『アラモ』の撮影が延びて本作を遅らせており、企画は監督、脚本、主演の予定がそろって落ち着かない状態だった。完成作は利益を上げ、従来の英雄像に喜劇味を加えたウェインの後期路線を形づくる一作にもなった。金鉱探しの映画だが、現場が最初に掘り当てたのは金ではなく未完成の脚本であり、それでも娯楽作へ精製したあたりに当時の職人仕事の図太さがある。
ジョン・ウェイン主演の『アラスカ魂』は、硬派な西部劇というより明るい北方アドベンチャー寄りの作品だ。金鉱と友情と恋愛騒動が混ざる陽気なウェイン映画になっている。
舞台はノームのゴールドラッシュ期で、『アラスカ魂』は金をめぐる男たちの騒動から始まる。西部劇の荒野ではなく、北の鉱山町を使った金鉱アドベンチャーだ。
主題歌「North to Alaska」は、映画の陽気な印象をかなり強めている。物語を知らなくても曲のノリだけで、作品全体の軽快な北国ムードが伝わる。
アーニー・コヴァックスは『アラスカ魂』でコミカルな敵役側を担っている。悪役というより騒動を大きくする人物で、作品にドタバタ喜劇の味を足している。
キャプシーヌの登場は、『アラスカ魂』の男くさい金鉱物語に都会的なズレを入れている。北の荒々しい世界に、洗練された異物感のあるヒロインが入るのが面白い。
アラスカ題材の映画だが、撮影には複数の土地やセットが使われている。『アラスカ魂』の北方イメージは、実景だけでなく映画的に作ったアラスカ感でもある。
男同士の友情と金鉱トラブルが、『アラスカ魂』の物語を動かす軸だ。恋愛要素もあるが、根っこにはジョン・ウェイン映画らしい男たちの約束がある。
ファビアンの起用には、当時の若者向けスター性も感じられる。『アラスカ魂』はジョン・ウェイン映画でありながら、若い観客へ向けたポップな顔ぶれも混ぜている。
ヘンリー・ハサウェイ監督らしい職人娯楽作として、『アラスカ魂』は大自然より人物の掛け合いで進む。派手な思想より、見やすいスター映画の手際が前に出ている。
北国の厳しさより陽気な騒動に寄っているのが、『アラスカ魂』の特徴だ。アラスカという題材から想像するサバイバル映画ではなく、明るい冒険コメディとして楽しむ作品だ。
日本語題の『アラスカ魂』は硬派に聞こえるが、本編はかなり軽快だ。題名から想像する男の根性ものと、実際の陽気な恋と金鉱騒動のズレが面白い。
ジョン・ウェイン主演作の中でも、『アラスカ魂』はコメディ色が強い部類に入る。無敵のガンマン像よりも、仲間や女性に振り回される親しみやすいウェインが見られる。
実在の金鉱事件そのものの映画化、という説明は『アラスカ魂』には弱い。時代背景はゴールドラッシュだが、物語はスター映画として組み立てられた娯楽色の強いフィクションだ。
北国アドベンチャーの印象から、俳優が危険な自然撮影をすべてこなしたような武勇伝が混ざることがある。『アラスカ魂』はスターの魅力と撮影技術で作る古典的な冒険映画として見るのが自然だ。
テレビ放送や吹替版の記憶から、『アラスカ魂』には場面違いの話が混ざりやすい。確認できない差分は、まず放送編集や記憶違いの可能性を分けて考えたい。