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P
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購入・レンタルの場合あり
N
Netflix
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U
U-NEXT
2026年8月20日時点で日本国内配信を確認
D
DMM TV
D
Disney+
T
TSUTAYA DISCAS
2026年8月25日時点でDVD・Blu-rayの宅配レンタルを確認
J
J:COM STREAM
2026年8月25日時点で日本国内配信を確認
V
VideoMarket
2026年8月25日時点で日本国内配信を確認
M
music.jp
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DVD / Blu-ray
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探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

2000年公開の本作は、心理学を学んでいた弟ジョナサン・ノーランとの米国横断の車中で生まれた着想を、兄クリストファーが脚本にした作品である。ノーランは、色彩場面を逆向き、モノクロ場面を順方向へ進める構造を脚本段階で厳密に組み、完成時まで場面順をほぼ動かせなかったと語っている。1999年秋の撮影はバーバンクで25日間、ジョー・パントリアーノ宅でのリハーサルも交えて行われ、ガイ・ピアースには各場面の前歴をあえて多く渡さず、反応の鮮度を残した。撮影監督ウォーリー・フィスターはノーランが短編『The Hi-Line』を見て起用した人材で、自然光に近い照明と短い日程を両立させた。編集のドディ・ドーンによれば、脚本の構造はほぼそのまま編集へ持ち込まれ、入れ替えた場面は一つだけだった。完成後の一斉試写では独立配給会社がすべて見送り、ニュー・マーケットが約1年の宙ぶらりんを経て11館公開から最大531館へ拡大し、製作費500万ドルに対して世界興収約3,972万ドルを記録したのだから、難解さを理由に放した企画が公開方法まで自力で記憶を取り戻した格好である。

― ポップコーン探偵
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着想
信頼度

本作の最初の種は、ジョナサン・ノーランが中学一年生のころ、パデュー大学の科学キャンプで前向性健忘という言葉を知った経験にある。大学の心理学入門でも同じ症状に触れ、記憶を新しく作れない人の人格や自己認識はどうなるのかを考えた。そこから、自分の身体へ情報を刻む主人公の短編を構想した。

ジョナサン・ノーラン ロングインタビューの動画サムネイル 本人インタビュー ジョナサン・ノーランが語る『メメント』の着想 前向性健忘を知った経験から、記憶と人格を扱う物語が生まれた過程を本人が説明する。 Josh Horowitz YouTubeで見る ↗
企画・脚本
信頼度

ジョナサン・ノーランはシカゴからロサンゼルスへ向かう車中で、まだ書き終えていない物語を兄クリストファーへ語った。クリストファーは映画脚本を書き始め、ジョナサンは短編「Memento Mori」(2001)を別に育てた。完成済みの短編をそのまま脚色したのではなく、共通の着想から二つの作品が並行して生まれている。

脚本・構造
信頼度

時間を逆にした目的は観客から情報を奪うことだった。主人公は直前に何が起きたかを覚えていないため、観客にも各場面の直前を知らせず、同じ不足した情報から人物を判断させた。構造が主人公の症状を説明するのではなく、観客へ体験させる仕組みになっている。

脚本
信頼度

本作の時系列は複雑だが、クリストファー・ノーランは脚本の感情的な流れまで壊してはいない。三幕構成、裏切り、物語の転換を、通常の映画で観客が受け止める位置に近づけた。時間の順序を見失っても、物語の緊張と感情の進み方は追えるようにしている。

編集・構造
信頼度

二本の時間は逆方向から同じ地点へ進む。カラーの場面は時間をさかのぼり、モノクロの場面は古い出来事から順方向へ進み、二本の流れが同じ地点で接続する。編集者ドディ・ドーンは、この構造を一本の物語を中央で折り畳み、両端から中央へ歩く形として説明している。

編集・音響
信頼度

逆向きの場面がつながる境目では、直前に見た映像の一部がもう一度現れる。ドディ・ドーンは、同じ瞬間だと分かる映像や店内音楽を残しながら、反復部分を進行に合わせて短くした。観客が規則を覚えた後は説明を減らし、物語の速度を落とさないためである。

編集
信頼度

編集で並べ替えたのは一か所だけだった。ドディ・ドーンによれば、脚本の順序は完成版までほぼ維持され、入れ替えたのは中盤で切り替えが頻繁になりすぎた一か所だけだった。正式な試写会で点数を取りながら並べ替える方法も使っていない。

撮影体制
信頼度

本作の主要撮影は25日間で行われ、クリストファー・ノーランはドラマ場面を原則一台のカメラで撮った。最も忙しい日には、同じ一台を移動させながら53種類のカメラ位置を撮影したという。複数台で大量の素材を残すのではなく、必要な画を先に決めて短い日程へ収めた。

撮影・演技準備
信頼度

撮影は上映順でも物語の時系列順でもなく、カラー部分を先に済ませ、モノクロのモーテル場面を最後へまとめた。ガイ・ピアースは週末ごとに一人で、電話、メモ、写真、タトゥーを扱う細かな動きを練習した。当初二日だった予定は三日に増え、長い説明場面を連続して撮り切った。

メイク・小道具
信頼度

ガイ・ピアースによれば、主人公の身体には場面に応じて25から26個のタトゥーが用意された。実際に彫るのではなく、撮影用の転写素材を貼り付けたが、すべてを装着するだけで約一時間かかった。場面ごとに主人公がどの情報を得た後なのかを、文字の有無で管理する必要もあった。

撮影・スタッフ起用
信頼度

クリストファー・ノーランは、ウォーリー・フィスターが撮影した『The Hi-Line』(1999)を見て、本作の撮影監督を依頼した。二人は人工的に光を作り込みすぎず、現場にある光へ近い照明を使う方針で一致した。フィスターが少人数・短期間の作品に慣れていたことも、25日間の撮影を成立させた。

演技・演出
信頼度

クリストファー・ノーランは、脚本の段階では本作が冷たく、構造だけを楽しむ映画になる危険があったと振り返る。ガイ・ピアースは、主人公が各場面で何を感じているかをつなぎ、観客が時間の順序を見失っても感情を追える演技を加えた。監督は、その仕事が脚本上のパズルを人間の物語にしたと評価している。

配役
信頼度

クリストファー・ノーランがキャリー=アン・モスへ注目したのは、『マトリックス』(1999)で一人の人物に強さと別の表情が同居していると感じたためである。ノーランは、本作のナタリーにも観客が一度では決めきれない二つの面を求めた。人気作の出演者を借りただけではなく、前作で見えた演技の幅を配役へ使っている。

配役
信頼度

ジョー・パントリアーノが本作へ参加する入口を作ったのは、先に出演が決まっていたキャリー=アン・モスだった。モスの推薦で面談した当初、クリストファー・ノーランは別の俳優を第一候補にしていたが、その交渉がまとまらずパントリアーノへ依頼した。ノーランは、パントリアーノが過去作から持ち込む信用しきれない印象まで、テディの配役効果として利用した。

演技・撮影
信頼度

サミー・ジャンキスの場面には、スティーヴン・トボロウスキーが話す台詞が脚本に書かれていなかった。クリストファー・ノーランは、同じ行動を複数の角度から撮れるよう、トボロウスキーへ動きを即興させた。俳優は動作を正確に覚えながら、記憶できない人物として演じる必要があり、自身の仕事で最も難しい役だったと振り返っている。

配給
信頼度

完成した本作を見た配給各社からは「賢すぎる」という反応が出て、パラマウント・クラシックスなどの提示額も出資側が受け入れられる水準に届かなかった。そこで出資会社ニュー・マーケットは、予定を早めて自社で劇場配給へ乗り出した。難解さを理由に買い手が付かなかったことが、同社を配給会社へ変えるきっかけになった。

興行
信頼度

本作は米国11館で公開を始め、反応を見ながら最大531館まで広がった。The Numbersの現行集計では、北米興収2,554万4,867ドル、世界興収3,971万9,431ドルである。製作費は同サイトと同時代のロサンゼルス・タイムズが500万ドルとしており、Box Office Mojoの900万ドル表記とは差がある。

宣伝・拡張物語
信頼度

公式サイトも時系列を固定しない物語だった。ジョナサン・ノーランが中心となり、写真や記録、映画へ入らなかった短編「Memento Mori」(2001)の背景を、閲覧者が好きな順でたどれるように配置した。映画館の外でも、情報を並べ直して意味を作る体験を続けさせた。

家庭用ソフト
信頼度

2002年の限定版DVDには、場面を物語の時系列順へ並べた再編集版が隠し機能として収録された。ただしクリストファー・ノーランは、これを本作の正式な見方として勧めることには消極的だった。順番を変えると物語の意味まで根本的に変わり、構造が内容そのものだと分かるためである。

家庭用ソフト・音声解説
信頼度

2002年の限定版DVDに収録されたクリストファー・ノーランの音声解説は、再生するたび同じ内容で終わるとは限らない。途中から四種類の解説へランダムに分岐し、そのうち一つは音声が遅くなって逆再生へ変わる。本編だけでなく解説の受け取り方まで、一つに固定できない仕様にした。

受賞・保存
信頼度

本作は第74回アカデミー賞で、ドディ・ドーンの編集と、クリストファー・ノーランの脚本・ジョナサン・ノーランの原案が候補になった。受賞はしなかったが、構造を支えた編集と脚本の両方が評価対象になっている。2017年には、文化的・歴史的・美学的に重要な作品として米国の全米フィルム登録簿へ選定された。

公開後の監督発言
信頼度

クリストファー・ノーランは本作をヴェネチアで紹介した際、結末は観客に委ねると前置きしてから自分の解釈を話した。すると自説だけが正解として広まり、同行していたジョナサン・ノーランから、監督の解釈はほかの読み方を上書きすると指摘された。ノーランはその経験を受け、以後は自作の結末に正解を与えない方針を守っている。

情報不足・要確認
信頼度

本作を「全編が逆向きに進む映画」と説明するのは正確ではない。カラー部分は時間をさかのぼるが、モノクロ部分は古い出来事から順方向へ進み、二本の流れが合流する。さらに映像そのものを常に逆再生しているのではなく、主に場面の配置によって時間を逆行させている。

情報不足・要確認
信頼度

クリストファー・ノーランが時系列順の完成脚本を書き、編集で逆向きに並べ直したという説明は誤りである。ノーランがその方法を使ったのは『フォロウィング』(1998)で、改稿が増えた反省から、本作は観客が見る順に一ページ目から書いた。撮影と編集も、その脚本を基準に進めている。

情報不足・要確認
信頼度

本作を「すでに発表されていた短編の忠実な映画化」とする説明は不正確である。ジョナサン・ノーランが着想を兄へ語った後、クリストファーは脚本、ジョナサンは短編「Memento Mori」(2001)を並行して書き、短編の発表は本作の完成後だった。アカデミー賞でも本作は翻案脚本ではなく、直接映画用に書かれた脚本の部門で候補になっている。

情報不足・要確認
信頼度

本作の主人公を、前向性健忘の医学的に完全な再現とみなすことはできない。AFIが収録した制作側プレス資料は、描写が臨床的に正確ではなく、クリストファー・ノーランがドラマ上の比喩として症状を使ったと明記している。実在する症状を出発点にはしているが、診断教材として作られた作品ではない。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

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