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本作はマッチングアプリを題材に内田英治が原作・脚本・監督を担ったサスペンスで、内田によれば着想は公開の約5年前に生まれ、アプリ利用者への取材を重ねて「単純な仕組み」からスリラーの筋を立ち上げた。公式サイトは映画を「完全オリジナル」と紹介する一方、内田による角川ホラー文庫版小説を映画公開の約1か月前に刊行しているため原作小説の映画化と誤認しやすいが、これは映画と並行して展開された小説版である。 内田は佐久間大介を、普段のムードメーカー像との落差に加え、初対面で感じた目の印象や役を細部まで考え抜く姿勢を理由に起用したと語る。完成披露の公式レポートでも、撮影前から内田と佐久間が吐夢の行動原理を話し合って役を作ったと記録されている。CG・VFX作業は金魚事務所が担当し、公開後、続編『マッチング TRUE LOVE』(2026年)の公式サイトは本作の興行収入を9億7,000万円、観客動員を67万3,000人としている。アプリの「出会い」を恐怖へ反転する企画は5年寝かせて熟成されたらしいが、そのあいだに続編までマッチングするとは、企画会議も案外ご縁重視である。
内田英治監督は以前からスリラーを撮りたかったが、題材を見つけられずにいた。マッチングアプリの普及を見て、見知らぬ人同士の出会いをサスペンスにできると考え、プロデューサーとの相談から企画が動き出した。
内田監督は取材としてマッチングアプリを使うことを考えたが、利用者として偽って相手に会うわけにはいかず、経験者のスタッフに話を聞いた。アプリを通じて結婚した人の話にも触れ、単純な悪者としては捉えなくなった。
輪花の職業は取材で生まれた。内田監督は、人の幸せを演出する仕事に追われ、自分の幸せを後回しにしていた人の話を取材で聞き、その対比を人物設定へ取り込んだ。
本作の脚本では、ある箇所を直すと別の時代の出来事や登場人物の年齢がずれてしまう。内田監督は出来事を書き出して時系列を整理し、過去と現在の辻褄を確認しながら改稿したと明かしている。
【ネタバレあり】内田監督によると、初期稿では斉藤由貴が演じた節子が完成版よりも激しく動く人物だった。槍まで飛び交うホラー寄りの展開を考えていたという。
【ネタバレあり】物語の中心人物に見える永山吐夢は、内田監督の最初の稿にはいなかった。改稿の中で彼を加え、主人公とストーカーの間に恋愛の要素を入れていったという。
明るいイメージの佐久間大介をストーカー役に選んだ内田監督は、初対面で見た目つきと役の細部まで考えてきた準備を理由に挙げている。世間のイメージと逆の役だからというだけの配役ではなかった。
吐夢の金髪は衣装合わせで決まった。衣装合わせで監督が金髪を選び、佐久間は映画とグループの仕事を並行し、約2週間で金髪とピンク髪を4回ほど行き来したと語っている。
吐夢の奇妙な服装には、さらに目立つ案もあった。赤い長靴が用意された際、内田監督はさすがに強すぎると判断し、別の色へ変更したと佐久間大介が振り返っている。
佐久間大介は吐夢の行動を単なる異常さだけで演じず、彼なりの考えがあると監督に伝えた。その解釈を受けて、ある場面の言動が変更されたという。具体的な場面は本人が伏せている。
目に「3日眠っていない」感覚を求めた。内田監督は佐久間に、3日間眠っていないような目と、心に空白を持つ感覚を意識させた。佐久間はその演出を踏まえて表情を作った。
主演の土屋太鳳は、撮影時に原作小説がなかったため役づくりに自由度があったと振り返る。輪花として日々を過ごし、苦しさが目から伝わるように演じたと完成披露で説明した。
土屋太鳳によると、内田監督は俳優が本番で出す力を重んじ、本作の現場でも必要以上にテイクを重ねなかった。1回で成立したテイクはそのまま使うこともあり、緊張感を保った撮影だったという。
【ネタバレあり】物語の秘密が明らかになる廃墟は、街の中に実在する場所だった。内田監督は、暑さと怖さを感じる現場だった一方、撮影の手応えを得た場面だと語っている。
本作は連続殺人事件を扱うが、内田監督は殺害の瞬間を直接見せる方向を選ばなかった。俳優に現実感のある演技を求め、台湾の先行上映で観客が怖がる様子を見て、その効果を実感したという。
主題歌「800」は、Aimerが映画のラフなプロットを読んでから制作した。曲名には「嘘八百」の多くの嘘という意味もあり、映画チームからはノイジーで重い音を求められた。『累 -かさね-』(2018)の主題歌「Black Bird」も音の方向性を考える手掛かりになったという。
映画を「既刊小説を脚本化した作品」と説明すると、制作の順番が逆になる。2024年1月の完成披露で、土屋太鳳は撮影時に原作がなかったと語り、金子ノブアキは撮影が2022年だったと振り返った。内田英治による小説が発売されたのは映画公開約1か月前の2024年1月で、執筆開始時期までは分かっていない。
マッチングを配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。