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キッチン

Kitchen / 1989
IMDb ⭐ 6.7🕐 106分🎬 1989年光和インターナショナル
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1989年公開で、吉本ばななのベストセラー小説を森田芳光が自ら脚色・監督した作品である。主演の川原亜矢子と松田ケイジはオーディションで選ばれ、モデルだった川原にとっては映画初出演となった。撮影は森田が繰り返しロケ地に選んだ函館で行われ、後年、監督はこの街を「愛はあるのに乾いている空気感」が自作に合うと説明している。北村道子はエキストラまで含めて衣裳を設計し、料理場面にはフードコーディネーターを導入するなど、題名どおり台所を置くだけでは済まない世界づくりが行われた。日本映画製作者連盟の1989年配給収入上位作品表には掲載されておらず、信頼できる公開資料から単独の最終配給収入は確認できない。原作の大ベストセラーという看板は派手だが、映画の仕込みは衣裳から料理まで、ずいぶん細火で手間をかけたのである。

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キャスティング
信頼度

桜井みかげ役の川原亜矢子は、2万7301人が応募したオーディションから選ばれた。当時18歳で、本作が映画デビューである。モデルとして活動していた178センチの長身と、既存の俳優像に収まらない佇まいが、喪失を抱えながら大きな台所で眠るみかげの孤独へそのまま生かされた。川原はこの演技で日本アカデミー賞新人俳優賞を受けた。

参考情報:公式資料(日)

キャスティング
信頼度

田辺雄一役の松田ケイジも、川原亜矢子と同じくオーディションで選ばれた。祖母を亡くしたみかげを家へ招く雄一は、物語を動かす一方で感情を説明しすぎない人物である。若い二人を知名度のある俳優で固めず、まだ型の定まっていない新人同士にしたことで、奇妙な同居生活へ予定調和ではない距離が生まれた。

参考情報:公式資料(日)

美術・衣装
信頼度

料理の描写にはフードコーディネーターが導入された。みかげにとって台所は、眠る場所であるだけでなく、喪失から生活を組み直すための作業場でもある。そこで扱われる料理を美術部の小道具だけで済ませず、専門職の工程にしたことで、食材、調理、盛り付けが人物の手つきと同じ重さを持つ画面になった。

参考情報:公開資料(日)

美術・衣装
信頼度

衣裳を担当した北村道子は、みかげや雄一、絵理子だけでなく、画面を横切るエキストラの服にまで趣向を凝らした。函館でロケをしていても、街にいる人をそのまま背景へ置いたわけではない。主要人物から群衆まで色と輪郭を選び直すことで、現実の函館を少し人工的で洗練された「風町」へ変えている。

参考情報:公開資料(日)

ロケ地
信頼度

函館の電停を架空の街へ作り替えた。路面電車の場面では実在の電停周辺を別名の停留所へ作り替え、雄一が夜に電話をかける元町公園には撮影用の電話ボックスを設置した。坂、電車、港町の光景に小さな人工物を加え、函館の中へ映画だけの生活圏を作っている。

参考情報:資料・アーカイブ(日)

音楽・音響
信頼度

音楽を担当した野力奏一は、根岸吉太郎の映画で映像を見ながら即興演奏を行い、その仕事を評価されたことから森田芳光へ紹介された。『キッチン』のサウンドトラックには「風町」「北公園」「路面電車」「冷蔵庫」といった題名が並ぶ。大きな主題曲一つで感情を説明するのではなく、街、乗り物、室内を細かな音楽の単位へ分けている。

参考情報:公式資料

映像商品
信頼度

2002年6月25日にバンダイビジュアルから発売されたDVDには、特報A・B、劇場予告編とともに、スライド・シアター形式の森田芳光インタビューが収録された。1980年代に作られた本作について、監督自身が後年に語った映像記録である。この素材は2021年の全監督作品Blu-ray BOXでも、複数作品を語るインタビュー集の一部として再編集された。

参考情報:公式資料(日)

企画・脚本
信頼度

国立映画アーカイブの回顧展では、一般的な完成脚本に加えて、『キッチン』の準備稿と森田芳光が撮影で使用した台本が出品された。吉本ばななの小説をどの段階で映画の場面へ組み替え、函館の場所や俳優の動きを撮影稿へ落としたのかを追える資料である。ポスターやパンフレットだけでなく、制作途中の判断を含む台本が公的機関に保存されている。

参考情報:公開資料(日)

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認
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