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魔女の宅急便の映画トリビア用メインビジュアル 画像は生成イメージです
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魔女の宅急便

Kiki’s Delivery Service / 1989
IMDb ⭐ 7.8🕐 103分🎬 スタジオジブリ / 東映
CASE FILE
探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

1989年公開。角野栄子の児童文学をもとにした企画は、風土舎とヤマト運輸が徳間書店へ協力を求めたことでスタジオジブリ制作へ移り、当初は宮崎駿がプロデュースと脚本を担当する予定だった。監督候補との調整がまとまらず、最終的に宮崎自身が監督まで引き受け、原作の小さな出来事を一本の長編へ再構成した。舞台設計のためスタッフはストックホルムやゴットランド島を調査し、実在の欧州都市を混ぜた、どこにも存在しない港町を作った。配給収入は約21億円、興行収入換算では約37億円とされ、ジブリに安定した制作基盤をもたらした。少女の独り立ちを描く映画だが、制作側もこの成功でようやく会社として自立できたのである。

― ポップコーン探偵
この映画の トリビア!!!
35件

ピックアップトリビア

舞台モデル
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『魔女の宅急便』コリコは一つの街ではない――北欧の二つの街から作った景色

キキが暮らすコリコは、スウェーデンのストックホルムと、ゴトランド島のヴィスビーを大いに参考にした街です。スタジオジブリは、公式Q&Aでこの二つを挙げています。ただし、実在の街をそのまま映画の舞台にした、という説明ではありません。[1]

・街の空からの姿と、パン屋のある街並み

制作に参加した木原浩勝は、取材で背景資料を示しながら、空から見た街の景色はストックホルム、キキの働くパン屋がある街並みはヴィスビーを参考にしたと説明しています。大きな街の姿と、そこで暮らす場所の手触りを、違う街から持ってきていたのです。[2]

公式場面写真でキキの足元を見ると、水際に桟橋があり、そのすぐ内側へ赤い屋根や灰色の屋根が密集しています。空を飛ぶキキの背景として眺めていたものも、街づくりという目で見ると、水辺と建物の配置まで気になってきます。[3]

コリコの水辺と赤い屋根の街並みを背に、ほうきで飛ぶキキ
水辺に接して建物が並ぶコリコ。実在する一つの街の地図ではなく、映画のために作られた景色です。出典:スタジオジブリ公式場面写真。© 1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N

・ロケハンへ行ったのは、4人のスタッフ

木原によると、スウェーデンへ取材に行ったのは、演出助手の片渕須直と、作画監督の大塚伸治、近藤勝也、近藤喜文の4人でした。宮崎は行き先を決めましたが、この取材には同行していなかったといいます。監督の記憶にあった街を、スタッフが改めて見に行ったのです。[2]

・ヴィスビーの記憶は、実現しなかった企画から

なぜヴィスビーだったのでしょうか。木原は、ジブリ以前に宮崎が『長くつ下のピッピ』のアニメ化を考え、その取材で街を訪ねていたからだと説明しています。その企画は実現しませんでしたが、見た風景は宮崎の記憶に残っていました。[2]

ジブリの公式Q&Aも、多くの作品では様々な土地を部分的に取り入れ、創作した場面もあるため、現地へ行っても全く同じ風景には出会えないと説明しています。コリコを見返すなら、街全体を一つの場所へ当てはめるより、水辺、屋根、通りと、画面の中の要素をたどるほうが楽しめそうです。[1]

・脚注

  1. abスタジオジブリ公式Q&A:作品の舞台はどこですか。本作は「大いに参考にした場所」の欄。
  2. abcButa Connection:木原浩勝への取材 第4ページ。フランス語で掲載された参加者の説明と背景資料。日本語で要約。
  3. スタジオジブリ:『魔女の宅急便』公式作品情報・場面写真。図版の画面観察。
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制作秘話
信頼度

宮崎駿はキキの立ち居振る舞いを、自分が新人教育した若い女性アニメーターたちの様子から覚えたと語っている。身近な働く女性の観察が、13歳の魔女の動きにつながっていた。

制作秘話
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大きなリボンは、鈴木敏夫と宮崎駿が思春期について話した喫茶店で、紙ナプキンに描かれたという。宮崎は、少女を守るものとして巨大なリボンを思いついた。

制作秘話
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「ルージュの伝言」(1975)は、ファンだったスタッフが持ち込んだ曲だった。宮崎駿は仕事中に繰り返し聴いていたという。選曲は、単に懐かしいヒット曲を借りたというだけではなかった。

制作秘話
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制作初期には、住む場所が見つからないキキが時計塔で一晩過ごす案があった。完成版ではパン屋に居場所を得るが、コリコへ来てすぐの暮らしには別の構想もあった。

制作秘話
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【ネタバレあり】鈴木敏夫は、ジジをキキにとってのもう一人の自分と説明している。終盤に会話が戻らないのは、キキが街で暮らせるようになり、その分身を必要としなくなったことを表すという。

制作秘話
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ウルスラの絵の原型は、八戸市立湊中学校の生徒たちの共同版画『虹の上をとぶ船』である。劇中には、元の絵にはいないキキを思わせる少女の姿も描き加えられている。

制作秘話
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【ネタバレあり】宮崎駿は当初、キキが老婦人からケーキを受け取る場面で物語を終えるつもりだったという。鈴木敏夫が大きな見せ場を求め、飛行船からトンボを救う展開が加わった。

制作秘話
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角野栄子は、ブラジル暮らしで部屋の窓を開けた体験を、原作のキキの新生活へ重ねたと語っている。言葉もお金もなく閉じこもっていた時、入ってきた風を感じ、この土地で生きていけると思ったという。

制作秘話
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角野栄子は、映画を観た人からニシンパイの作り方を聞かれても、原作には書いていないと笑っている。映画でおなじみになった料理のエピソードは、原作者が書いた場面ではなかった。

制作秘話
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角野栄子は、キキの魔法を最初から一つにしようと決めていた。何でも魔法で解決できると、物語から工夫する余地がなくなるからだ。飛べる力にも限りがあることで、人を頼り、知恵を使う話になったという。

制作秘話
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ヤマト運輸は、題名の宅急便と黒猫のイメージが重なることから、本作の製作に加わった。同社の社史によると、社会への還元活動として取り組み、上映などによる利益の分配を受ける権利は放棄したという。

制作秘話
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【ネタバレあり】ディズニーの1998年版と2010年版では、英語で聞くジジの終盤が違う。比較レビューによると、1998年版に加わった最後の台詞は2010年DVD版で除かれ、冒頭と終幕の歌も荒井由実の歌へ戻された。別の吹替比較記事には、コーヒーをホットチョコレートと呼び換えたという報告もある。

制作秘話
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【ネタバレあり】映画の先を原作でたどると、キキはトンボと結婚し、双子の母になっている。第6巻『それぞれの旅立ち』では、姉のニニと弟のトトが、自分の進む道を探し始める。映画の続編ではなく、角野栄子が書いた物語のその後である。

情報不足・要確認
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旅立ちの見送りに、ほかの友人と違う幽霊の少女が紛れている、という都市伝説がある。人物の数や画面の切り取りを根拠にした説だが、制作側が心霊描写を仕込んだとする証言や設定資料は確認できない。見え方の疑問だけで、幽霊と決まるわけではない。

制作秘話
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【ネタバレあり】デッキブラシを貸した男性が自慢する場面には、後方右上に監督にそっくりな男性がいる。放送側も宮崎駿似の人物として紹介しているが、誰が描いたか、監督本人が知っていたかまでは確定していない。

制作秘話
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本作の監督には、初期に佐藤順一も誘われていた。本人によると、当時は研修生の待遇改善交渉の窓口を務めており、東映動画を辞められなかった。出向案もまとまらず、東映在籍の事情から企画を離れたという。

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【ネタバレあり】佐藤順一が考えていた本作の結末は、飛行船救出ではなくおソノの出産だった。魔法を使えなくなったキキに、新しい命が生まれることも一つの魔法だと感じさせる構成だったという。内容を詰める前に退いたため、完成脚本の別エンディングではなく、初期の構想である。

制作秘話
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キキとウルスラを演じた高山みなみは、先にウルスラ役が決まったという。音声ドラマ盤の解説を紹介した資料では、収録まで約1か月のオーディションでウルスラ役が即決し、その声を聞いた宮崎駿らがキキにも合うとひらめいた経緯が語られている。

制作秘話
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キキ、ウルスラ、おソノ、母、老婦人は、各年代の女性像として設計されたという。キキとウルスラの声を高山みなみが兼ねる発想も、このつながりから生まれたと紹介されている。

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キキの黒い服には、魔女の伝統だけでなく、着飾らない自分で世界へ出ていくという意味がある。宮崎駿は、粗末な服で自分の居場所を見つけることが修業なのだと説明している。

制作秘話
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ニシンのパイを嫌がる孫娘について、宮崎駿は少女の正直さを気に入っていると語った。キキには傷つく出来事でも、相手は本当に要らないと思っている。監督は、仕事をする側の善意だけでは収まらない場面として説明している。

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高畑勲は本作の音楽演出で、悲しい場面に音楽を付けない方針を説明している。キキの心が広がる場面では、久石譲のメインテーマのワルツを繰り返したという。

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本作の音楽会議を記録した鈴木敏夫のメモは、手帳200枚以上に及ぶ。高畑勲が話す内容を書き留めたもので、歌だけでなく、ラジオの役割や人物の気持ちも検討されていた。

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宮崎駿は本作の脚本を、鈴木の感想を聞きながら書き進めたという。ひとまとまりを書くたびに反応を求め、その場で直すこともあった。完成稿を待つだけではない、監督とプロデューサーの共同作業だった。

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原作が生まれるきっかけは、角野栄子の12歳の娘が描いた魔女の絵だった。ほうきには黒猫とラジオがあり、音符も描かれていた。角野の記憶に残る、鳥の高さから見たニューヨークの写真とも重なり、自分も飛ぶつもりで物語を書き始めたという。

制作秘話
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角野栄子が原作を配達の物語にしたのは、配達ごとに区切れるからでもあった。『母の友』の月1回の連載では、前回を読んでいない人もいる。一つの荷物を運び終えるたびに話を完結できる形を選んだという。

制作秘話
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『すずめの戸締まり』(2022)で「ルージュの伝言」(1975)が流れる場面には、曲とクロネコのトラックという目配せがある。新海誠自身が、背後をヤマト運輸の車が走ることを明かしている。旅先で様々な女性と出会う構成にも、『魔女の宅急便』(1989)の影響を受けたと語った。

制作秘話
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本作の音声ドラマ盤の解説を紹介した資料には、自然な効果音のため、担当者が映像に合わせて人や動物を演じることもあったと記されている。目立つ魔法の音だけでなく、雨やカモメ、街のざわめき、床のきしみまで、日常の存在感を作る仕事だった。

制作秘話
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鈴木敏夫によると、本作の制作中、宮崎駿は同じ集団で何本も作ると人間関係が煮詰まるとして、ジブリをいったん解散する案を出した。鈴木は反対し、その後の体制は作品ごとの集合から常雇いへ変わっていったという。

制作秘話
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鈴木敏夫は本作を、初めてヒットしてほしいと強く考えた作品だと振り返っている。前作までの数字を指摘されたことをきっかけに、日本テレビへ出資と宣伝協力を求めに行ったという。作ることだけでなく、観客へ届ける仕事を意識した転機だった。

制作秘話
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【ネタバレあり】おソノには、出産後にバイクに乗るエンディング案もあったという。制作資料を紹介した記事では、若い頃にツッパっていたという人物設定と、暴走族だったのかもしれないというスタッフの想像が挙げられている。元暴走族と確定した設定でも、完成版にある場面でもない。

制作秘話
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1998年のディズニー英語版でキキを演じたキルスティン・ダンストは、幼い頃から愛称もキキだったという。2001年のインタビューを紹介した記事によると、小さい頃に自分の名前をうまく言えなかったことが由来で、映画の役名から付いた呼び名ではない。

制作秘話
信頼度

店番するキキを描く場面では、暗い店内と明るい通りが対比されている。研究者の久保友香は、窓越しのパンや店内が逆光で沈み、外の人々には光が当たる点に注目した。外の世界が華やかに見えるキキの心情を重ねた分析であり、作者の意図を示す証言ではなく、研究者による読み方である。

情報不足・要確認
信頼度

「宅急便」の商標を巡ってジブリとヤマト運輸がもめ、スポンサーになることで解決した、という話は広まっている。だがヤマト側の広報は、トラブルになった事実はないと否定している。商標が縁になったことと、争いが起きたことは別の話である。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

配信で見る

魔女の宅急便はどこで配信?

魔女の宅急便を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。

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