『風花』(2001)の空港シーンは、浅野忠信が前日に書いた
『風花』(2001)の空港シーンには、浅野忠信が前日に書いた場面が、そのまま使われています。 2011年の東京フィルメックスで浅野が語った、相米慎二監督との撮影の思い出です。[1]
・役を演じるだけでなく、相手の役を考える
椎名桔平が急きょ出演することになった際、相米は浅野に、翌日空港で撮るので脚本を書いてくるよう頼みました。椎名の役を浅野が考え、監督がそれを撮るという注文です。浅野は驚きながらも場面を書き、それが採用されたと振り返っています。[1]
この依頼だけを聞くと、単なる思いつきに見えるかもしれません。しかし浅野が同じトークで語った撮影の進め方にも、俳優が自分で考える時間がありました。初めから細かい段取りを渡されるのではなく、浅野と小泉今日子が動き、その芝居を見てスタッフが撮り方を考える。相米は時間をかけて、二人から何が生まれるかを待っていたそうです。[1]
空港シーンでは、その役割が言葉を書くところまで広がりました。浅野は用意された役を演じるだけでなく、共演者が演じる人物と場面を作る側にも回ったのです。 完成した映画の一場面に、監督と俳優がその場で受け渡した仕事が残っています。