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2025年公開。シリーズ第7作は従来の主要人物を入れ替え、スピルバーグから「もう一本できるか」と問われた第1作の脚本家デヴィッド・コープが、「一度仕切り直す」ことを条件に脚本へ復帰した。監督に決まったギャレス・エドワーズは、1990年代に作られた未発見の続編のような手触りを狙い、VFX班も現場で得られる実景や物理的要素をできるだけ撮影してから恐竜を合成する方針を採った。研究施設は本作最大級の実物セットとして建てられ、シリーズでおなじみの恐竜に加えて、テーマパークの商品開発が生んだ失敗作という設定の変異種まで設計された。製作費は資料上約2億2,500万ドル、世界興収は約8億6,900万ドルに達している。「復活」と銘打って人間も作風も替えたが、スタジオの帳簿では恐竜IPがまだ絶滅していないことを確認する実験でもあったようだ。
ギャレス・エドワーズは本作で、自身の長編映画としては初めて35mmフィルム撮影に挑んだ。デジタルではなくフィルムの粒子を使い、初期『ジュラシック』の冒険映画っぽさへ少し戻そうとしたらしい。新作なのに、手触りはわざと古くしているのが面白い。
劇中の孤島を撮る場所として、当初はコスタリカなども候補にあった。だがギャレス・エドワーズが『ザ・クリエイター』で経験したタイ撮影を提案し、結果的にタイの熱帯ロケが大きく使われたという。ロケ地選びにも監督の前作の痕跡が残っている。
タイで撮ったフィルム素材は、その場ですぐ確認できず、現像のために英国へ送られていたという。撮影後しばらくは、ちゃんと撮れているか分からない時間が生まれる。恐竜より先に、現場の胃が痛くなりそうな話だ。
海上アクションの一部は、マルタのスタジオでボートを巨大な装置に乗せて撮られている。複雑なショットでは水なしのタンク撮影もあり、あとから水を足す作り方だったらしい。波に見えるものの裏側は、かなり機械仕掛けだ。
本作の川下りアクションには、マイケル・クライトンの原作小説にあったT-レックスの川下りの要素が使われている。1993年版では実現しきれなかった材料が、30年以上たって別の形で戻ってきた。これはシリーズ好きほどニヤッとする手がかりだ。
脚本のデヴィッド・コープは、1993年の『ジュラシック・パーク』と『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』にも関わった人物だ。『復活の大地』では初期作の脚本家が単独脚本として戻ってきた形になる。タイトル通り、作り手の血筋まで少し戻っている。
ギャレス・エドワーズはスピルバーグ作品への目配せを入れていたが、当のスピルバーグ本人は露骨なオマージュを外す方向を求めたという。ファンなら増やしたくなる小ネタを、本人が引き算しようとしたのが一筋縄ではいかない。
小型恐竜アクイロプスには、CGだけでなく小さなアニマトロニクスも使われたという。俳優との距離が近い場面や照明の参考に、実物が現場にあるのはかなり効く。手のひらサイズの恐竜にも、ちゃんと裏方がいるわけだ。
劇中の研究施設は、ロンドン近郊のスカイ・スタジオで3つの撮影ステージにまたがって組まれたという。ジャングルの中の施設に見える場所も、実際にはかなり大がかりな室内セットだった。見返すと、建物の重さが少し違って見える。
本作の変異恐竜の発想には、過去作の遺伝子操作がすべて成功するわけではない、という見方がある。つまり怪物的な存在は、突然の新設定ではなく失敗した遺伝子実験の延長線に置かれている。シリーズの派手さを、少し不穏な方向へ戻す仕掛けだ。
ダンカンの結末をめぐっては、タイ撮影中に生存を示す別カットも撮られていたという。脚本上の死とスター俳優の扱いのあいだで、映画の着地が揺れたらしい。キャラクターの運命にも、現場の判断がにじむ話だ。
本作には、合計で1515カットものVFXショットがあるとされる。そのうち1000カット以上をILMが担当したという数字だけでも、恐竜映画の裏側がどれほど巨大な作業か伝わってくる。見えている怪獣より、見えない作業量のほうが怖い。