🔍 ポップコーン探偵
‹ アーカイブへ戻る
湯を沸かすほどの熱い愛の映画トリビア用メインビジュアル
過去の放送記録
放送日 8月27日(木) 13:40〜

湯を沸かすほどの熱い愛

Her Love Boils Bathwater / 2016
IMDb ⭐ 7.4🕐 125分🎬 クロックワークス2016年
配信で見る

湯を沸かすほどの熱い愛はどこで配信?

湯を沸かすほどの熱い愛を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。

P
Prime Video
購入・レンタルの場合あり
N
Netflix
2026年7月31日時点で日本国内配信を確認
U
U-NEXT
2026年7月31日時点で日本国内配信を確認
D
DMM TV
2026年7月31日時点で日本国内配信を確認
D
Disney+
T
TSUTAYA DISCAS
2026年7月31日時点でDVD・Blu-rayの宅配レンタルを確認
📀
DVD / Blu-ray
※本ページにはプロモーションが含まれています。
みんなの トリビア!!!
25件 👍投票数順に表示
CASE FILE
探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

2016年公開。自主映画『チチを撮りに』を観たクロックワークスから「オリジナル脚本で一緒に」と声をかけられた中野量太が、約2年かけて脚本を書き上げた商業映画デビュー作である。原作も監督の知名度もない企画に有名俳優を呼ぶには脚本しか武器がない、と中野は考え、完成稿を読んだ宮沢りえが出演を決めた。撮影は2015年6月のわずか3週間で、浴室と脱衣場には5月末に廃業し、取り壊しを待つ文京区の銭湯「月の湯」を使用し、撮影後の7月には建物そのものが姿を消した。宮沢は終盤の役作りのために1週間を求めたが、短い日程のなかで確保できたのは5日間だった。国内興行収入は出典を明示した一次資料を確認できないものの、二次集計では約3億円とされ、第40回日本アカデミー賞では宮沢が最優秀主演女優賞、杉咲花が最優秀助演女優賞を受賞し、第90回米アカデミー賞外国語映画賞の日本代表にも選ばれた。無名監督のオリジナル企画は、消えゆく銭湯と切迫した撮影日程を抱えながら、最後には作品だけでなく作り手の名前まで世に残したのである。

― ポップコーン探偵
🃏 気軽にスワイプモードON
企画・脚本
信頼度

原型は、警察が登場するミステリーだった。中野量太は約6年前に着想したものの、自分が知らない警察の世界を「嘘を書いているようだ」と感じていったん封印した。『チチを撮りに』などを経た後なら書き直せると考え、約1年をかけて家族の物語へ全面改稿した。完成作で秘密が一つずつ明かされる構成には、初期案のミステリー的な骨組みが残っている。

企画・監督
信頼度

中野量太が日本映画学校で初めて撮った卒業制作も、銭湯を舞台にしていた。16年後、商業映画デビュー作に臨む際、自分の原点へ戻る意味も込めて再び銭湯を選んだ。知らない客同士でも同じ湯船では自然に言葉を交わせる場所だからこそ、血縁だけでは括れない家族を描く本作の舞台になったのである。

タイトル・脚本
信頼度

題名は脚本を書く前から決まっていた。中野量太は脚本を書く前から題名を決めており、正面から「愛」という言葉を掲げることには覚悟が必要だったという。題名を先に置いたことで、物語全体が最後の一場面へ向かって熱を蓄える構造になった。

キャスティング・脚本
信頼度

安澄は杉咲花を想定して書かれた。中野量太は彼女に一度も会わない段階から、テレビや映画で見た演技に人間の愁いや寂しさを受け取る鋭さを感じ、杉咲を想定して役を書いた。実際に会った後も脚本を大きく変える必要がないほど、安澄は当初のイメージ通りだった。

キャスティング・演技
信頼度

宮沢りえを選んだ二つの条件。実生活でも母親であること、そして死にゆく母を演じるうえで母を失う痛みを理解できることを条件に考えた。娘を育て、自身の母を亡くしていた宮沢りえなら、この役に必要な二つの側面を持っていると感じて出演を依頼したのである。

演技・撮影
信頼度

病状が進んだ双葉を演じるため、宮沢りえは終盤へ向けた身体的な準備に1週間ほしいと申し出た。しかし作品全体の撮影期間が3週間しかなく、確保できたのは5日間だった。それでも病室の双葉には、前半とは明らかに異なる肉体の重さと弱り方が表れている。短い日程の中で病の進行を身体へ刻んだ演技である。

キャスティング・演出
信頼度

一浩役のオダギリジョーに、中野量太が初日から繰り返したのは「かっこよくならないで」という注文だった。監督が欲しかったのは、家族を放り出す駄目さを持ちながら、完全には憎めない父親である。テストごとに芝居を変えるオダギリの反応力は生かしつつ、二枚目の格好よさだけを抑えることで一浩の頼りなさを作った。

演技準備
信頼度

宮沢りえ、杉咲花、伊東蒼は、撮影前の約1週間から家族としての関係を作り始めた。敬語をやめて毎日メールを送り、1日1枚の写真を交換し、劇中で使う銭湯を三人で掃除した後には、自分たちの家族について話しながら食事をした。杉咲は遠慮がちな伊東へ突然白目の写真を送り、同じ変顔が返ってきたところから姉妹の距離を縮めている。

演技・撮影
信頼度

母娘の会話を一台のカメラで撮るには、宮沢りえ側と杉咲花側のアップを分けて何度も同じ芝居を繰り返す必要があった。宮沢は自分が画面に映らない杉咲側の撮影でも、そばに立って本番と同じ強さで演じ続けた。杉咲の涙や反応は、編集で見えなくなる相手役の演技にも支えられている。

演技・撮影順
信頼度

病室で双葉と安澄が別れる場面は、作品全体の最後に撮影された。杉咲花は、衰弱した母の姿へ先に慣れてしまうのを避けるため、テスト直前まで宮沢りえと会わず、撮影の合間も別の場所で待機した。三週間を家族として過ごした末に初めて病室の双葉と向き合う撮影順が、安澄の動揺とクランクアップの寂しさを同時に引き出した。

ロケーション・美術
信頼度

幸の湯は二つの実在銭湯をつないでいる。外観には栃木県足利市の花の湯を使い、番台、脱衣場、浴室には東京都文京区の月の湯を使った。中野量太が昔ながらの番台と富士山の背景画にこだわり、必要な条件を備えた二つの建物を編集で接続したため、入口から浴室までが自然に続く一軒の銭湯に見える。

ロケーション・保存記録
信頼度

幸の湯の内部に使われた月の湯は、2015年5月末に営業を終え、取り壊しが決まっていた。制作側は解体を待ってもらい、6月の3週間で番台、脱衣場、浴室を撮影した。撮影が終わった直後の7月には建物そのものが取り壊されている。本編に残る木造銭湯の空間は、セットで再現した古さではなく、失われる直前の実在建築である。

ロケーション・撮影現場
信頼度

家族全員が浴槽につかる場面のため、月の湯の元主人は廃業後にもう一度だけ湯を沸かした。撮影が終わり、スタッフが撤収の支度をしていると、主人は誰に告げるでもなく静かに浴槽へ入ったという。映画の家族が入った湯は、間もなく取り壊される銭湯で、長年その場所を守った主人が最後に入る湯にもなった。

ロケーション・撮影ハプニング
信頼度

幸の湯の外観に使われた花の湯は、撮影時も通常営業を続けていた。そこで入口に劇中用の「店主が蒸発しました」という貼紙を出したところ、実際の利用客が本物の告知だと思い、店主が本当にいなくなったと勘違いしたという。映画の冒頭では家族の不在を示す小道具が、現実の銭湯でも一時的な混乱を生んだ。

美術・ロケーション
信頼度

月の湯は廃業後だったため、営業中の銭湯では難しい美術変更ができた。スタッフは浴室の汚れた目地を白く塗り、自動販売機を撤去して、幸の湯として見えるよう空間を整えた。一方で、監督が欠かせないと考えた富士山の背景画はもともと月の湯にあったものを残した。古い建物の記録と映画用の美術が同じ画面に重なっている。

撮影・演出
信頼度

双葉が誰もいない浴室で泣く場面では、人物を映して終わるのではなく、彼女が画面からいなくなった後もカメラを約1〜2分回し続けた。泣き顔を強調する代わりに、湯を沸かす人も入る人もいない浴室を長く残したのである。家族を動かし続ける双葉が一度だけ止まる瞬間を、空間の冷たさで表した撮影だった。

色彩・衣装・美術
信頼度

双葉の「赤」はすべて意図的に配置された。中野量太は海外上映で観客から色について尋ねられ、双葉の好きな色を赤にした配置はすべて意図したものだと答えている。生きている双葉が身につける色は、やがて彼女がいなくなった後の煙へ引き継がれ、人物の不在を色だけでつないでいる。

脚本・演出
信頼度

家族が鍋を囲む場面は、第一稿ではすき焼きだった。中野量太は海外の観客にも分かる日本料理を入れようとしていたが、肉を湯の中で動かす所作と「しゃぶしゃぶ」という音を同時に使えるほうが演出的に面白いと考え、料理を変更した。食卓の温かさだけでなく、俳優の手の動きと台詞の響きまで料理選びに組み込まれている。

撮影・演技
信頼度

一浩と拓海が薪をくべる焚き口は、撮影者がのぼせてしまうほど実際に熱かった。オダギリジョーと松坂桃李は、子どもが火遊びへ夢中になるように薪をくべること自体を楽しんでいたため、中野量太は細かな演技指導をほとんど加えなかったという。二人の軽いやり取りの背後では、本物の火と熱が画面の空気を作っている。

情報不足・要確認
信頼度

終幕の原点はインドと卒業制作にある。中野量太は学生時代にインドを旅し、ガンジス川のほとりで人々に見守られながら焼かれる死者を見て、「焼かれながら一人ではない」表現を考えた。その発想を卒業制作で一度使い、商業映画デビュー作で再び作り直した。似ていると指摘された後に、監督は初めて『天国と地獄』(1963)を見たという。

終幕・観客受容
信頼度

中野量太は、あの終幕が観客に受け入れられない可能性を制作中から意識していた。最後の仕掛けだけを強く出せば、現実から逃げたファンタジーに見えてしまう。そのため、終幕より前に双葉が家族の一人ひとりへ何を残したかを丁寧に積み上げ、観客が家族の行動へ感情的について行けることを最優先にした。衝撃性は狙いではなく、関係描写の成否を試す最後の賭けだった。

公開後・国際展開
信頼度

『湯を沸かすほどの熱い愛』は、第90回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表として正式に出品された。米国映画芸術科学アカデミーが発表した92か国の出品作一覧にも、日本作品として英題と中野量太の名が記録されている。ただし、これは各国代表としての出品であり、最終候補や本選ノミネートに選ばれたという意味ではない。

映画祭・国際展開
信頼度

2016年、本作は第40回モントリオール世界映画祭、第21回釜山国際映画祭、第29回東京国際映画祭で上映された。釜山ではアジアの新作を紹介する「アジア映画の窓」部門に選ばれ、125分、HDCAM上映の日本映画として公式アーカイブに記録されている。国内公開前後から、銭湯という日本固有の舞台を持つ家族劇が複数地域で紹介されていた。

受賞・公開後
信頼度

第40回日本アカデミー賞では、双葉役の宮沢りえが最優秀主演女優賞、安澄役の杉咲花が最優秀助演女優賞を受賞した。杉咲は新人俳優賞にも選ばれている。同じ作品で母娘を演じた二人が主演・助演の女優賞を分け合い、撮影前から作ってきた親子関係がそれぞれの演技部門で評価された。

情報不足・要確認
信頼度

終幕で焚き口の炎を正面から映すショットには、双葉の足のような形が見えるという指摘がある。この情報は2017年7月9日にフィリピンで行われた監督トークに由来するとされるが、公開されている対談記事には該当発言が収録されていない。形が実際の小道具なのか、炎の偶然なのかを含め、Blu-rayなどでのフレーム確認が必要な未確認ディテールである。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

情報の扱いについて
当サイトは、映画にまつわる公開情報・制作秘話・噂を収集し、信頼度を分けて掲載しています。 誤りのご指摘は お問い合わせ からお願いします。
映画の裏側、のぞいてみる?
1 / 25
← 次へ
↑ 次へ
スワイプで仕分けしよう
気になったトリビアは右へ。それ以外は左・上へ。
ぜんぶ見ました!
👍 0 件のトリビアにグッド
リストに戻って続きを読もう。