🔍 ポップコーン探偵
‹ アーカイブへ戻る
フランティックの映画トリビア用メインビジュアル 画像は生成イメージです
テレビ東京 午後のロードショー
次回放送 10月23日(金) 13:40〜

フランティック

Frantic / 1988
IMDb ⭐ 6.8放送日 2026/10/23 テレ東🕐 120分🎬 Warner Bros.1988年
CASE FILE
探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

1988年公開。本作は『ポランスキーの パイレーツ』(1986)の後、ワーナー・ブラザースから次に何を撮りたいか尋ねられたロマン・ポランスキーが、「パリで、旅行中のアメリカ人の妻がホテルから消えるスリラー」と口頭で示し、その場で企画を通した作品である。ポランスキーと共同脚本家ジェラール・ブラッシュは当初、事件の背景に麻薬取引を考えたものの陳腐だとして捨て、視覚的に撮れることを優先しながら脚本を組み直した。ハリソン・フォードは、妻メリッサ・マシスンがポランスキーと『タンタン』企画を進めるためパリへ赴いた際に同行し、監督が約2時間かけて演じてみせた本作の構想を聞いて出演を決め、人物像もフォードを知った監督の判断で心臓外科医へ変更された。撮影では、グランド・ホテルのロビー、屋上、室内など主要空間をブローニュ撮影所に建てる一方、車の追跡は警察の白バイに守られながら実際のパリの交通に入り、観光絵はがきではない同時代の街を使った。完成作の試写後にはワーナー社長テリー・セメルがパリへ赴いてポランスキーと編集を協議し、ポストプロダクションの遅れで記者向け渡航企画とパリ・プレミアは中止、全米公開も予定の2月12日から26日へずれ込んだ。製作費は2,000万ドルと報じられ、北米興収は約1,764万ドル、海外興収は確認できないため採算までは断定できないが、劇中の主人公だけでなく配給会社までパリで出口を探すことになったらしい。

― ポップコーン探偵
この映画の トリビア!!!
22件

ピックアップトリビア

美術・クラブ
信頼度

『フランティック』パリのクラブを灰皿まで再現し、本物の常連客も連れてきた

『フランティック』で再現されたパリのクラブには、内装だけでなく、その店にいた人々も参加していました。当時の経営者ユベール・ブコブザは回想録で、灰皿までそろえ、スタッフと常連客の一部もエキストラにしたと記しています。[1]

本物の店へ撮影に行った、という話とは少し違います。レストランを含む店の空間そのものを、ブローニュの撮影所に作り直していたのです。

・映画の店の後ろに、実在のLes Bainsがある

ポランスキーは公開当時の取材で、劇中の「Blue Parrot」は「Bains-Douches」を再現したセットだと説明しています。ホテルのロビーや屋上、室内も、同じくブローニュ撮影所に建てたと話していました。[2]

一方、ブコブザは店を運営していた側から、その再現の細かさを振り返ります。灰皿のような小さな物まで合わせた、という回想です。[1] 監督が語るセットの名前と、経営者が覚えている店の細部が、ここでつながります。

・家具だけでなく、そこにいる人も再現した

クラブの雰囲気は、壁紙やテーブルだけでは決まりません。そこで働く人がどう立ち、常連客がどこへ座るかでも、見える空間は変わります。

ブコブザが挙げるスタッフと常連客の参加は、その点で面白い工夫です。[1] 全員が店の関係者だったという意味ではありませんが、建物を模した場所へ、本物の店を知る人々も入っていたのですね。

・観光絵はがきとは違うパリ

ポランスキーが求めたのは、米国映画でおなじみの観光名所だけで出来たパリではありませんでした。監督は、周辺の道路や、通常は取り上げられない街の側面も見せたかったと説明しています。[2]

そのための映画で、実際の街と撮影所のセットが組み合わされています。見慣れたクラブを灰皿まで再現し、そこにいた人まで連れてくる。主人公には落ち着かない異国の夜でも、画面の背景では、土地を知る側の具体的な記憶が使われていました。

・脚注

  1. abcユベール・ブコブザ Dix mille et une nuits 電子版PDF 106ページ。(リンク)
  2. abLe Monde ポランスキー本人インタビュー 1988年4月1日。(リンク)
21件 👍投票数順に表示
🃏 気軽にスワイプモードON
企画
信頼度

『ポランスキーの パイレーツ』の後、ワーナーから次作を聞かれたポランスキーは、パリを訪れたアメリカ人の妻がホテルから消えるスリラーだと説明した。この最小限の構想で製作が動き出したという。

脚本開発
信頼度

ポランスキーとジェラール・ブラッシュは事件の荷物を当初は麻薬にしようとしたが、使い古された仕掛けだとして諜報事件へ組み替えた。監督は画面にでき、現場でも変えられる脚本を求めたという。

人物設計
信頼度

初期案にいた主人公夫婦の16歳の娘は脚本から外され、自由奔放な若いパリ女性ミシェルへ置き換えられた。監督は『情事』(1960)とは逆の男女配置だと説明している。

美術・セット
信頼度

ポランスキーが欲しかったのは観光絵はがきのパリではなく、1980年代の生活感がある街だった。ホテルのロビー、屋上、室内、クラブをブローニュ撮影所に建て、必要な実景だけを街で撮った。

カーチェイス
信頼度

車の追跡場面は隔離した道路ではなく、実際のパリ交通へ入り、警察の白バイに守られながら撮影した。街の混雑そのものを画面へ取り込んだのである。

撮影・テイク数
信頼度

ポランスキーによれば、屋上の危険場面は2テイク、スーツケースのショットは1テイクで決まった一方、冒頭のシャワーと電話には約20テイクを費やした。

演技・演出
信頼度

ポランスキーは当初フォードの自然な演技を直そうとしたが、日常の模倣ではなく、カメラに映るための演技だと理解した後は必要以上に矯正しなくなったという。

演技・新人起用
信頼度

経験の浅かったセニエに、ポランスキーは細かな指示を与えすぎず、場面の状況だけを伝えて反射的な表情を残した。財布を抜く場面の表情も本人から出たという。

キャリア
信頼度

セニエは高校卒業資格試験を終えた年の9月に本作へ入り、撮影後はワーナーの費用でロンドンへ6か月の英語研修に送られ、3本契約も提案されたという。

撮影監督
信頼度

ソボチンスキーによれば、『パイレーツ』で2日間のカメラテストが製作者を納得させ、ポランスキーから任される範囲が増えた。その経験により本作の協働は円滑だったという。

編集・別エンディング
信頼度

【ネタバレあり】公開前の試写後、約15分が削られた。製作者は別エンディング案も認めたが、完全に違う結末ではなく、主人公の勝利度合いを調整するものだと説明した。

編集権
信頼度

ワーナー社長テリー・セメルは試写結果を持ってパリへ赴いた。フランスの著作者人格権制度上、スタジオが監督を外して自由に再編集することは難しかったためである。

公開延期
信頼度

ワーナーは北米記者をパリへ招きプレミアも開く予定だったが、ポストプロダクション未完了で両方を中止し、全米公開を2週間延期した。

脚本資料
信頼度

現存するワーナー表記の脚本は1987年4月10日を最終稿としているが、4月28日から7月14日まで6回の改訂日が残る。撮影開始後も変更が続いたことが分かる。

バージョン
信頼度

BBFC記録では1988年の劇場版が119分36秒で、家庭用媒体には114分台の版もある。ただし再生速度やマスター差を含むため、削除版とは断定できない。

音楽
信頼度

劇中で印象的に使われるグレイス・ジョーンズの「I've Seen That Face Before (Libertango)」は、モリコーネ名義の公式サントラ10曲には収録されていない。

製作費・興行
信頼度

公開直前報道の製作費は2,000万ドル。北米累計は約1,764万ドルだが、海外興収が揃わないため、作品全体の採算までは断定できない。

情報不足・要確認
信頼度

【ネタバレあり】「別エンディングでは妻がスパイだった」という説があるが、同時代の製作者説明と1987年最終稿のどちらにも、その設定は見つからない。

情報不足・要確認
信頼度

フォードが題名を「Moderately Disturbed」にしようと提案したという逸話は広く流通するが、本人の元発言や当時記事には到達できなかった。現状は確認済み事実ではない。

情報不足・要確認
信頼度

コスナー、ノルティ、ウィリアム・ハートが主演候補だったという説があるが、製作者・監督・当時の配役報道による裏付けは確認できなかった。

情報不足・要確認
信頼度

2015年の上映前にセニエが補助ペダルの逸話を話したとされるが、イベントの開催記録はあっても、該当発言の映像・音声・記録は確認できない。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

配信で見る

フランティックはどこで配信?

フランティックを配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。

P
Prime Video
購入・レンタルの場合あり
N
Netflix
U
U-NEXT
2026年9月4日時点で日本国内配信を確認
D
DMM TV
D
Disney+
T
TSUTAYA DISCAS
2026年9月4日時点でDVD・Blu-rayの宅配レンタルを確認
M
music.jp
2026年9月4日時点で日本国内配信を確認
📀
DVD / Blu-ray
※本ページにはプロモーションが含まれています。
情報の扱いについて
当サイトは、映画にまつわる公開情報・制作秘話・噂を収集し、信頼度を分けて掲載しています。 誤りのご指摘は お問い合わせ からお願いします。
映画の裏側、のぞいてみる?
1 / 21
← 次へ
↑ 次へ
スワイプで仕分けしよう
気になったトリビアは右へ。それ以外は左・上へ。
ぜんぶ見ました!
👍 0 件のトリビアにグッド
リストに戻って続きを読もう。