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フランケンシュタイン(1931)の映画トリビア用メインビジュアル
過去の放送記録
放送日 8月29日(土) 22:00〜

フランケンシュタイン(1931)

Frankenstein / 1931
IMDb ⭐ 7.7放送日 2026/8/29 NHK BSP4K🕐 70分🎬 Universal Pictures1931年
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フランケンシュタイン(1931)はどこで配信?

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探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

1931年公開。メアリー・シェリーの原作小説がパブリックドメインだったため、ユニバーサルは小説そのものではなく、ペギー・ウェブリングの戯曲を基にしたジョン・L・ボルダーストンの舞台用脚色を取得して映画化の土台にした。当初はロバート・フローリーが監督し、ベラ・ルゴシと撮影監督カール・フロイントを組ませる案だったが、最終的にジェイムズ・ホエールが企画を引き継ぎ、ルゴシとフロイントはフローリーとともに『モルグ街の殺人』へ回り、怪物役にはボリス・カーロフが起用された。脚本はフローリー、ギャレット・フォート、ジョン・ラッセル、フランシス・エドワーズ・ファラゴーらの改稿を経て、1931年8月24日から10月3日の撮影は予定と予算を超過し、AFIの最終製作費記録は291,129ドルである。ジャック・ピアースは怪物の造形のために3か月間調べものを重ね、カーロフには毎日約5時間のメイクと約2時間の落とし作業が課されたとTCMは記録しており、その視覚的な印象は米国国立医学図書館も世界的に認知される造形と位置づける。少女マリアの場面は衝撃が強すぎるとして初公開時に削除され、後年に復元されたため、現在見られる版は1931年の観客が見た版と完全には同じではない。AFIは本作を1931年のニューヨーク・タイムズ紙「年間ベスト10」と1932年の興行上位作に挙げ、The Numbersは米国内興収1,200万ドルとしているが、作る側が十月までに怪物を完成させたのに対し、世間のほうは九十年以上かけても手放す気がないらしい。

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企画・原作
信頼度

メアリー・シェリーの原作小説は、映画化の時点ですでに自由に利用できる状態だった。それでもユニバーサルは、ペギー・ウェブリングの戯曲を基にジョン・L・ボルダーストンが手掛けた舞台用脚色の権利を取得した。フリッツという助手や、電気を使う創造場面など、本作を象徴する要素の多くは小説を直接映したものではなく、舞台化と映画化を重ねる中で形作られている。

企画・脚本
信頼度

最初はロバート・フローリーが開発した。ロバート・フローリーは1931年5月から6月にかけてギャレット・フォートと脚本作業を進め、ベラ・ルゴシを怪物役にしたスクリーンテストまで撮影した。映像は現存が確認されていないが、完成版とは異なる監督、主演、撮影監督の組み合わせで企画が動いていた。

監督・配役
信頼度

ジェイムズ・ホエールが監督を引き継ぐと、企画は出演者だけでなく制作陣から組み直された。初期監督のロバート・フローリー、怪物役候補のベラ・ルゴシ、撮影監督候補のカール・フロイントは『モルグ街の殺人』(1932)へ移り、本作ではコリン・クライヴがヘンリー、ボリス・カーロフが怪物を演じた。ルゴシ一人が完成版の大役を断ったという説明では、この入れ替え全体を捉えられない。

脚本
信頼度

怪物へ犯罪者の脳が入る設定は、メアリー・シェリーの小説にはない。1931年7月、脚本を改稿したジョン・ラッセルが、フリッツが正常な脳を割ってしまい、代わりに犯罪者の脳を持ち帰る流れを加えた。怪物の暴力を本人だけの罪にせず、創造に関わった人間の不注意と判断へつなげる映画独自の仕掛けである。

脚本
信頼度

撮影直前の最終改稿では、怪物をただ人を襲う存在として扱わない方向が強められた。フランシス・エドワーズ・ファラゴーはフリッツへ台詞を与え、怪物の残虐さを抑え、ヘンリーと怪物の双方を単純な善悪では割り切れない人物へ整えた。怪物が火を怖がり、虐待に反応して暴れる流れには、脚本段階から同情の余地が組み込まれている。

制作
信頼度

主要撮影は1931年8月24日に始まり、10月3日まで続いた。日程も予算も当初計画を超え、AFIに残る最終製作費は291,129ドルである。約25万ドルという概算も広く流通するが、最終費用として確認できる数字ではないため、本作の規模を示す時は両者を混同できない。

キャスティング
信頼度

無名に近かったカーロフが怪物役になった。ジェイムズ・ホエールがスタジオ内で彼を見かけ、スクリーンテストを持ちかけたことが転機になった。顔を厚いメイクで覆い、冒頭クレジットでは俳優名さえ伏せられた役が、カーロフを世界的に知られる存在へ変えた。

クレジット
信頼度

オープニングの配役一覧では、怪物を演じる俳優名が「?」とだけ表示される。ところが本編が終わると、エンドクレジットには怪物役としてボリス・カーロフの名が現れる。正体を伏せたまま観客へ怪物を見せ、最後にその身体と表情を作った俳優へ名前を返す構成である。

特殊メイク
信頼度

ジャック・ピアースは怪物の顔を考えるため、解剖学や外科手術を調べ、頭蓋骨をどこで接合すれば人造人間に見えるかを組み立てた。撮影では、コロジオンという液体に浸したガーゼなどをボリス・カーロフの顔へ重ね、その上から濃いグリースペイントを塗った。完成済みのマスクをかぶせるのではなく、撮影日ごとに俳優の顔の上で怪物を作るメイクだった。

特殊メイク・演技
信頼度

くぼんだ頬はカーロフ自身の工夫だった。ボリス・カーロフが自分の部分入れ歯を外して頬をへこませ、ジャック・ピアースがその形へ陰影を加えた。左右の揃わない顔つきは、造形担当者と俳優が互いの工夫を重ねて生まれている。

衣装・演技
信頼度

重い靴が怪物の歩き方を作った。撮影用の厚底靴は片方約13ポンドだったとする資料があり、脚の支えと重い衣装を着けた状態で階段や山道を動いた。ただし靴と衣装の総重量には複数の数字が残っており、正確な重さを確定するには衣装記録の確認が必要である。

特殊効果・美術
信頼度

塔の研究室で火花を放つ機械群は、ケネス・ストリックファデンが自動車部品や電気部品などを組み合わせて作った。新しい科学装置を一から設計するのではなく、その時に手に入る廃品の形を生かし、用途の分からない巨大な機械へ見せている。寄せ集めの部品が、映画史で繰り返し模倣される実験室の原型になった。

小道具・影響
信頼度

本作の研究室に置かれた電気装置の一部は、撮影後もケネス・ストリックファデンが保管していた。メル・ブルックスが『ヤング・フランケンシュタイン』(1974)を作る際に現物が再組立てされ、ストリックファデン本人にも謝辞が与えられた。43年後のパロディは外見を似せただけではなく、元の実験室を構成した機械そのものを画面へ戻している。

美術・セット
信頼度

村は西部戦線のセットを再利用した。前年の戦争映画『西部戦線異状なし』(1930)で使われたヨーロッパの村のセットを再利用している。戦場の背景だった街並みが、結婚祝いの行列と松明を持つ捜索隊の舞台へ作り替えられた。

映像・演出
信頼度

ジェイムズ・ホエールは撮影前に、『カリガリ博士』(1920)、『巨人ゴーレム』(1920)、『メトロポリス』(1927)を参考として見直した。塔の斜めに切り立つ壁、人物を小さく見せる巨大な空間、強い光と影は、ドイツ表現主義映画の画面設計をハリウッドの怪物映画へ移したものだ。研究室が現実の建物より舞台装置のように見えるのは、その人工性を隠さない方針による。

美術・世界観
信頼度

本作には、19世紀風の服装と近代的な電気装置が同時に現れるが、物語の年代や国名は明示されない。ジェイムズ・ホエールは特定の時代を再現するのではなく、おとぎ話のような世界として扱い、美術も現実的な風景より、切り立った丘、硬い木、描かれた空を選んだ。時代のずれそのものが、どこにも存在しない怪物の世界を作っている。

音響・音楽
信頼度

本作には、登場人物の感情や恐怖を途切れず支える劇伴がほとんどない。オープニングと終幕を除けば、音楽は村の楽隊など画面内で実際に鳴っているものに限られる。怪物の初登場や湖畔の悲劇を旋律で説明せず、足音、電気装置、叫び声、沈黙そのものへ緊張を任せている。

宣伝・検閲
信頼度

映画が始まる前、エドワード・ヴァン・スローンが幕の前へ現れ、これからの物語は観客を驚かせるかもしれないと警告する。このプロローグは、実験室で生命を作れるという内容を現実の科学のように信じられるのではないかという懸念を和らげるため、公開前に追加された。本編を切らず、物語の外側から「これは空想だ」と観客へ枠を付ける方法だった。

検閲・復元
信頼度

怪物が命を得ると、ヘンリーは「生きている」と叫び、さらに神になった感覚を知ったという趣旨の言葉を口にする。この一文は冒涜的だとして再公開時に削られ、長い間、雷鳴で聞こえない版が流通した。後年の復元で台詞が戻り、生命を作れた喜びだけでなく、ヘンリーが自分を神の位置へ置く危うさも再び聞き取れるようになった。

検閲・復元
信頼度

怪物はマリアと花を湖へ浮かべて遊び、花がなくなると、少女も同じように浮くと思って水へ投げてしまう。この後半は残酷すぎるとして削られ、怪物がマリアへ近づいた直後に、父親が遺体を抱えて村へ入る版が長く上映された。復元された場面を見ると、殺意ではなく、死を理解できない怪物の無知が悲劇を起こしたことがはっきり分かる。

演技・人物造形
信頼度

地下室の天窓が開くと、怪物は差し込む光を見上げ、両手を伸ばして追いかけようとする。エリザベス役のメイ・クラークは、この動きを宗教的な光を求める姿のように受け取ったと後年に語った。台詞のない怪物をただの殺人者ではなく、生まれたばかりで光や自由を知らない存在として見せる場面である。

原作との違い
信頼度

原作小説で科学者の名はヴィクター・フランケンシュタインだが、本作ではヘンリー・フランケンシュタインへ変えられている。ヴィクターという名は、友人ヴィクター・モーリッツへ移された。原作にある友人ヘンリー・クラーヴァルと家族に関わるモーリッツ姓を組み替えたため、名前を知っていても役割が一致しない。

原作との違い・影響
信頼度

原作小説では、科学者は生命を与える方法を他人が再現しないよう、詳しい手順を明かさない。本作はその空白を、雷、火花を放つ機械、上昇する実験台で埋めた。平らな頭、重いまぶた、首の電極を持つ怪物の姿も映画で広まり、1818年の文章にはない要素が、物語そのものより有名な図像になった。

興行
信頼度

本作の最終製作費は291,129ドルだった。歴史的な興行データでは米国内興収が1,200万ドルとされ、製作費を大きく上回っている。ただし、この数字を現在の世界興収やスタジオへ戻った配給収入と同じものとして扱うことはできず、1930年代作品の興行規模を示す目安である。

保存・受容
信頼度

本作は公開から60年後の1991年、米国議会図書館のナショナル・フィルム・レジストリーへ登録された。この制度は、文化的、歴史的、美学的に重要なアメリカ映画を保存するためのものだ。怪物映画としての人気だけでなく、20世紀の映像文化へ定着した作品として保存対象になっている。

公開後の受容
信頼度

怪物の指が初めて動くと、ヘンリーは「生きている」と何度も叫ぶ。この台詞は2005年、アメリカ映画協会が選んだ名台詞100で49位に入った。言葉をほとんど持たない怪物ではなく、生命を作った科学者の興奮が、作品を代表する一文として残っている。

影響
信頼度

ギレルモ・デル・トロは子どもの頃、本作とディズニーの『ピノキオ』(1940)を近い時期に見て、二つの物語が頭の中で結びついたと語っている。どちらの主人公も、自分の理解できない世界へ突然生み出され、居場所を探さなければならない。内向的で周囲に合わないと感じていたデル・トロは怪物を自分自身のように受け取り、後の創作へ持ち続けた。

文化的影響
信頼度

メアリー・シェリーの原作でも本作でも、怪物には固有の名前が与えられていない。冒頭クレジットで役名すら伏せられた存在だったが、映画が広く知られるにつれ、科学者の姓である「フランケンシュタイン」が怪物の名前としても使われるようになった。映像の影響は、怪物の外見だけでなく、人物を呼ぶ言葉まで変えている。

情報不足・要確認
信頼度

ベラ・ルゴシが厚いメイクを嫌い、完成版と同じ怪物役を断ったためボリス・カーロフが得をした、という話は単純化されすぎている。ルゴシが参加したのはロバート・フローリー監督による初期段階で、その怪物は完成版より台詞も感情も少ない役だった。ジェイムズ・ホエールへの監督交代後、フローリー、ルゴシ、撮影監督カール・フロイントは『モルグ街の殺人』(1932)へ移り、脚本と配役が組み直された。

情報不足・要確認
信頼度

マリア役のマリリン・ハリスは、湖へ投げ込まれる撮影を何度か繰り返したと伝えられている。最後にもう一度撮るよう求められた際、好きだったゆで卵を条件にし、ジェイムズ・ホエールが二ダース用意したという。ただし、この話を収録したとされる本人インタビューまたはDVDコメンタリーの版と該当箇所を確認できておらず、撮影回数と卵の数には原典の特定が必要である。

情報不足・要確認
信頼度

怪物がエリザベスの寝室へ入る撮影で、メイ・クラークはボリス・カーロフのメイクを本当に怖がってしまうと心配したという。そこでカーロフは、カメラに映らない側の小指を動かし、メイクの下にいるのは自分だと合図し続けたと伝えられている。出典とされる1985年のインタビュー全文を確認できていないため、原掲載誌と本人の正確な言葉が不足している。

情報不足・要確認
信頼度

フリッツが脳を盗む大学の標本室には、人間の全身骨格が立っている。この骸骨は、当時は人工物を作るより標本業者から実物を買う方が安かったため、本物の人骨を使ったという説がある。しかし、小道具台帳、購入記録、制作担当者の証言は確認できず、画面だけで実物か複製かを判定することもできない。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

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