主な参考資料
- Los Angeles Times
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2017年公開。ニック・ゴードンのオリジナル脚本をスティーヴン・シー・ミラーが監督し、ヘイデン・クリステンセンとブルース・ウィリスを組ませたアクション・スリラーだ。撮影は当初シンシナティで予定されていたが、街が混みすぎているとの判断でオハイオ州グランヴィルへ移され、薬局を警察署に仕立て、住民の車を警察署長の車として借りるなど、町そのものをセットに変えた。2016年8月末から数週間にわたり、郵便局や飲食店もロケ地として使われ、大作の物量ではなく地域の実景で画面を組み立てている。米国では2017年7月に限定公開され、9月にはホームビデオへ移る早期・同時VOD型の配給だったため、劇場興収だけではこの企画の商売全体を測れない。制作側が最も手際よく仕留めたのは、物語の犯人ではなく、ロケ費と劇場公開のリスクだったのかもしれない。
ロケ地変更は、税制や天候、許可の問題で起きることが多い。本作の場合、監督スティーヴン・C・ミラーが示した理由は、シンシナティが同時期の制作で混み合っていたことだった。オハイオ州の映像税制拡充で州内の撮影が増えた時期でもあり、作品は州外へ出ず、コロンバスとグランヴィルへ移る。一つの州の中で撮影需要が場所を押し流した結果が、物語の小さな町の景観を決めたのである。
低予算の地方ロケでは、建物を一から作るより、既存の町へ必要な役割を割り当てる方が速い。本作は薬局を警察署に見せ、住民の車へ警察車両の役を与え、郵便局とレストランも画面へ取り込んだ。町は単なる遠景ではなく、小道具と美術を供給する共同のセットになったのである。日常の場所が数週間だけ犯罪映画の制度へ変わると知ると、画面の現実味が地元の協力から生まれたことが分かる。
小規模な町のロケは、架空の地名を貼られたり、別州の町へ見せられたりしやすい。本作ではグランヴィルの名と中心街が物語へ入り、薬局や郵便局も役割を変えながら実際の配置を残した。そのため背景に写る道路や角の建物は、映画美術で寄せ集めた町並みではない。
ブルース・ウィリスの名前はポスターで大きく扱われるが、本作で物語を主に追うのはヘイデン・クリステンセン演じる父親である。ミラー監督にとってウィリスは、すでに二作品で組んだ俳優であり、三度目は地方警察署長という要所へ置かれた。
アクションの迫力は俳優が本当に危険な目に遭うことではなく、安全な距離とカメラ位置を観客に危険へ見せることで生まれる。本作の特典ではTheo Kypriが格闘場面を解説し、その設計を表へ出した。13日または14日とされる短い主要撮影では、反復可能な振付が特に重要だったはずである。速い現場ほど事前設計が画面の自由を作ると考えると、簡潔な格闘にも制作上の理由が見える。
町を守る保安官、外から来た危機、子どもへ何を教えるかという問題は、西部劇が繰り返してきた題材である。本作は舞台を現代のオハイオへ移し、銀行強盗と警察腐敗のノワールへ組み替えた。善人と悪人の役割が途中で揺れるため、制服や家族という肩書だけでは判断できない。小さな町の西部劇を現代犯罪映画へ隠したと読むと、森の追跡や銃の意味がさらに一段深く、古典的に見えてくる。
父親は家族を守る存在、警察は法を守る存在という単純な配置なら、物語の答えは早く決まる。本作はその役割を崩し、犯罪者にも守ろうとする関係を与え、権力側にも裏切りを置く。息子が目撃するのは銃撃だけでなく、大人の肩書が信用できなくなる瞬間である。最初の殺人より最初の道徳判断が重要と見ると、原題が子どもの成長と危うい学びにも、より不穏に重なって聞こえる。
グランヴィルだけで全てを撮れば町の統一感は出るが、都市的な道路や建物の選択肢は限られる。コロンバスだけでは、小さな共同体らしい近さが弱くなる。本作は二地域の特徴を分けて使い、薬局、郵便局、飲食店、都市街路を編集で接続した。ロケ地の長所を役柄のように配分したため、低予算作品でも物語の地理と移動感に、予想以上に豊かで説得力のある広がりが生まれたのである。
全編を14日で撮影したという話と、13日で撮ったという話が競合している。ただし、出どころまでたどれる当事者の証言や制作資料は見つかっていない。本当なら面白いが、今のところは噂として聞くのがよさそうだ。
宣伝ポスターはブルース・ウィリスを中心人物に見せるが、実際の物語はヘイデン・クリステンセン中心だという評価がある。ただし、二人の出演時間を同じ基準で比較した資料は確認できていない。公開当時のポスターやチラシを持つ捜査員は、この指摘と現物が一致するか確かめてほしい。
日本の作品情報は101分、米国の公開情報は97分としている。4分の差は確認できるが、別編集なのか、表記の違いなのかを示す配給資料は見つかっていない。別バージョンがあるのかもしれないが、今のところは決めつけない方がよさそうだ。
息子ダニーを演じたアランナ・トレンブレイにとって、『ファースト・キル』は長編映画への初出演だったとされる。物語の危機を背負う子ども役で、親子の静かな場面から誘拐後の緊張までを演じている。映画初出演が物語の中心に置かれた配役として、本人資料で確定したい候補である。