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デイアフター2020 首都大凍結を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。
2010年製作。原題『ICE』は、ジェームズ・フォレットが1978年に発表した小説をもとに、英国のPowerとニュージーランドのScreentimeが共同製作した全2部のテレビミニシリーズである。ニック・コパス監督のもと、リチャード・ロクスバーグ、フランシス・オコナー、サム・ニールら多国籍の俳優を集め、撮影の多くをニュージーランドで行いながらロンドンを襲う寒冷化災害へ作り替えた。英国・ニュージーランドの正式な合作認定を得たことで両国の制度を利用でき、当時新しかったニュージーランドの製作奨励策も、テレビ映画としては大規模なVFXとロケ撮影を支えた。世界規模の氷河期を起こす前に二国間の共同製作書類を整える必要があったわけで、地球は急速に凍っても映画の資金調達だけは段階を踏むのである。
英国のパワーとニュージーランドのスクリーンタイムは、両国の優遇制度を利用できる公式共同製作として企画を立ち上げた。製作開始時には、ニュージーランドで発生する費用の40%を同国の映像製作奨励制度から受けられる見込みと報じられている。ロンドンやグリーンランドを舞台にした災害劇を、ニュージーランド側の資金、人材、撮影環境を組み込んで成立させた。
ニュージーランド映画委員会の記録では、長編映画版の総支出は927万1,680ニュージーランドドル、テレビ・ミニシリーズ版は1,229万367ドルで、国内支出比率はいずれも73.18%だった。映像製作奨励制度の最終承認額も、映画版248万9,000ドル、テレビ版165万9,000ドルと別々に記載されている。二つの金額を合計した製作費ではなく、同じ企画を異なる形式で認定した二組の会計記録である。
撮影はニュージーランドの冬の雪を利用するため、2009年9月に始まった。その後いったん休止し、再開後は11月下旬まで続く計画が組まれていた。休止期間中にはスティーヴン・モイヤーが新たに出演陣へ加わっており、実際の季節を待つスケジュールの途中でキャスト編成も更新された。
物語はグリーンランドの掘削施設から英国の農場、政府施設、凍結したロンドンへ広がるが、主要撮影地として記録されているのはニュージーランドのオークランドである。映画版とテレビ版の公的記録では、どちらも製作支出の73.18%がニュージーランド国内に落ちている。異なる国と気候を、オークランド周辺のロケ、美術、造形、VFXを組み合わせて構成した製作である。
Apple TVの長編版ページは2時間54分、技術仕様では各話92分で計184分、日本盤DVDは前後編各94分で計188分と表示する。ドイツDVDには175分の記録もあり、同じ原題の下で少なくとも174分、175分、184分、188分という尺が併存している。前後編の境界、放送枠、地域別編集によって総尺が変わるため、版を比べる際には媒体と収録時間の確認が必要になる。
製作会社パワーのカタログとテレビ東京は2010年製作とする一方、初期公開記録では2011年1月2日のスペイン公開を基準に2011年作品とされる。日本盤DVDは2012年11月21日に発売され、配信ページにも2012年の表示がある。2010年は製作・完成、2011年は最初期の公開、2012年は日本流通という異なる段階を示しており、資料ごとに採用する年の基準が違う。
英国側の製作・配給会社パワーは、本作が完成した2010年9月に会社管理手続きへ入った。ニュージーランド側の製作責任者フィリー・デ・レイシーの経歴にも、同社の破綻によって公開が複雑になったと記録されている。パワーはその後サビドに買収され、2016年には創業者ジャスティン・ボドルが保有権利を含む会社を買い戻した。
1978年の原作小説では、南極の棚氷から分離した巨大氷塊が海中を北上し、ニューヨークの岩盤へ衝突する危機が描かれる。核兵器でも止められない氷塊、津波、有毒な赤潮が災害の中心である。映像版はこの筋を使わず、企業によるグリーンランドでの石油掘削、海流の変化、急激な寒冷化、ロンドンにいる家族の救出へ物語を組み替えた。
映像版より25年前の1986年11月8日、BBC Radio 4は原作を88分のラジオドラマとして放送した。ショーン・バレットが語り手を務め、キャロル・ドリンクウォーター、アンソニー・ハイド、エド・ビショップらが出演している。こちらは南極から流出した巨大氷塊がニューヨークへ迫る原作系の筋で、2010年版とは異なる方向へ脚色された。
撮影監督リチャード・ブラックは、本作以前に『ロード・オブ・ザ・リング』三部作と『キング・コング』の第二班へ参加し、『アバター』でも第二班を担当していた。本人の経歴には『マスター・アンド・コマンダー』の船舶模型や『レジェンド・オブ・ゾロ』の列車模型など、ミニチュア・VFX撮影も並ぶ。俳優の芝居、本隊と別班の素材、模型、合成を扱ってきた撮影監督が、長尺の災害劇を担当した。
撮影班には、REDデジタルカメラを管理するギャレス・デイリー(その日の撮影映像を確認する素材)、Aカメラとステディカムを兼任するダナ・リトル、第二班撮影監督アンドリュー・ストラウドが置かれた。本隊が俳優の芝居を進める間に、移動、車両、群衆、災害用の素材を別班で撮り、歩行や逃走の長い動きはステディカムで支えられる体制である。前後編に及ぶ撮影量へ対応するため、機材管理と各撮影班の責任範囲が分けられていた。
VFX班には、デヴィッド・ブース、プロデューサーのピアーズ・ハンプトン、デジタル環境担当スコット・バロウズ、モデラー、合成リード、複数の合成担当者が置かれた。国際ポストプロダクション会社プライム・フォーカスの製作責任者ショーム・ダスグプタも参加し、ポストプロデューサーのジェームズ・ハドソンはオークランドのトイボックスで本作を担当したと記録している。氷河、気象、凍結都市の映像は、環境制作、立体素材、合成、進行管理を分けた体制で処理された。
造形スタッフのコビ・ベックは、2009年の本作でポリスチレン彫刻と小道具製作を担当したと経歴に記録している。ポリスチレンは大きな形でも軽く、氷壁や雪塊のような造形を現場へ運び、表面を削って調整できる。遠景や規模はVFXで広げながら、俳優が立つ足場や触れる凹凸には実物の美術を置くための作業も行われた。
科学者トムとサラを演じたリチャード・ロクスバーグとフランシス・オコナーは、ともにオーストラリア出身である。英国勢のクレア・フォーラニ、ベン・クロス、サイモン・キャロウ、パトリック・バーギンが政府や家族の人物を担い、ニュージーランドのサム・ニールが企業経営者カバナーを演じた。英・ニュージーランド共同製作の枠にオーストラリアの主演二人を置く、三地域混成のキャスティングだった。
原題は一語の『Ice』で、「デイアフター2020 首都大凍結」は日本独自の題名である。「2020」は劇中の設定年、「首都大凍結」は寒波に覆われるロンドンを示し、原題だけでは分からない時代と災害の見せ場を補っている。ローランド・エメリッヒ監督の『デイ・アフター・トゥモロー』とは、製作会社、登場人物、物語のつながりがない。
国立科学基地の入口にある看板は、『遊星からの物体X』に登場する基地看板と同じデザインに見えるという指摘がある。どちらも氷雪地帯の隔離施設を舞台にするため、意識的なオマージュなら場面設定にも合う。ただし現時点では投稿以外の根拠がなく、美術スタッフの証言や製作資料も見つかっていない。ソフトを持っている捜査員は、該当場面を一時停止し、この指摘が画面と一致するか確かめてほしい。
劇中ニュースが戒厳令の発令を伝えた後、首相補佐官が首相へ戒厳令を発令するよう勧める場面があるという指摘がある。同じ措置がすでに実行された情報と、これから判断する案件の両方として扱われるため、台詞の連続性が合わない。複数の編集版が流通している作品なので、場面の順番や台詞が版によって異なるかも含めた確認が必要である。
地上にある唯一のヘリコプターが破壊された後、遠景の空にヘリコプターが飛んでいるように見えるという指摘がある。設定どおりなら移動手段を失う重要な場面なので、背景の一機が同じ地域の機体なら連続性が崩れる。ただし偶然写り込んだ実機、別組織の機体、版によるカット順の違いも考えられ、フレームと前後の台詞を照合する必要がある。