主な参考資料
- Vanity Fair
- WIRED
- Post Magazine
- TIME
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2017年公開。ピクサー長編第19作であり、リー・アンクリッチら制作陣は約3年にわたってメキシコ各地を訪れ、家庭、墓地、市場、工房などを取材しながら文化コンサルタントの意見を制作へ反映した。だが企画初期の2013年、ディズニーが仮題に使っていた「Día de los Muertos」の商標登録を申請し、文化の私物化だとの反発を受けて撤回する騒ぎも起きている。その後はラテン系キャストを中心に据え、文化的な正確さを慎重に積み上げた。製作費約1億7,500万ドルに対し世界興収は約8億1,500万ドルに達したが、敬意ある作品へたどり着く前に、企業側はずいぶん分かりやすい地雷を踏んでいたのである。
制作陣は2011年から複数回メキシコを訪れ、3年間にわたり家庭、墓地、市場、工房、教会などを調査した。
現地で複数世代が同じ家に暮らす家庭を見たことが、先祖と将来を結ぶ家族劇の核になった。
リー・アンクリッチはピクサーで本格的なミュージカルを作る発想から出発したが、音楽を物語から切り離せない映画へ方針を変えた。
死者の国は新しい住民が増えるたび上へ拡張され、基部から頂上へ建築年代が新しくなる設計である。
死者の国の上下に積み上がる都市景観は、制作陣が訪れたグアナフアトを基礎にした。
住民がすでに死んでいるため、死者の国の高所には手すりや転落防止設備を置かない規則が作られた。
現地で霊を家へ導くため道路からオフレンダへ敷かれた花びらの道を見て、二つの世界を結ぶ橋へ拡張した。
制作陣が現地で見た色鮮やかな民芸品アレブリヘを、死者の国で動く精霊の案内役として物語へ組み込んだ。
死者の国の駅に2万9000、墓地に1万8000、都市に2000の実用光源を置いた。
約800万光源の初期方式は1フレーム1000時間相当でもノイズが残り、6か月以上の研究開発で最終的に50時間相当へ短縮した。
本作は当時のピクサーで最大の人型群衆作品で、全編の3分の1以上に群衆が登場した。
何千着もの衣装へ細かな刺繍を施すため、見本の縫い目を模様領域へ合成する専用手法を作った。
細く高速に動く骨を布が突き抜ける問題に対処するため、衣服の衝突システムを約3年かけて改修した。
死者の国には主要ガイコツ約80体が作られ、各モデルは127本の骨を持った。
硬い頭蓋骨だけでは感情と台詞が伝わらないため、眼球、瞼、眉のように動く眼窩、口形を作るガイコツの唇を加えた。
体をばらばらにする演技は、通常リグとは別の拘束リグを重ね、各部位が本体の動きを追えるようにした。
ヘクターの崩れた歩き方は、ダスティン・ホフマンが演じたラッツォの足取りを参考にした。
生者に強く記憶されているガイコツほど白く明るく見え、忘れられるほど古びる陰影規則が作られた。
年齢によって弾力を失った皮膚の動きを調べるため、実在の女性に歩行や身振りをしてもらい、首と脇の下のリグへ反映した。
リー・アンクリッチの息子マックスが、ミゲルの手書き文字、グラフィック、自作ギターの装飾を実際に制作した。
ギターの接写は名手の演奏資料を基にし、押さえる弦と指、ストロークを曲へ合わせた。
エルネストの白いギターは、メトロポリタン美術館所蔵の19世紀メキシコ製象嵌ギターを参照した。
ピクサーはコルドバ社と複数のギター会社を検討し、劇中意匠を使った演奏可能な楽器を共同制作した。
採用時はミゲルが歌う設定ではなかったが、ゴンザレスがマリアッチを歌ったことで、改稿後の歌唱を任せられた。
制作期間中にアンソニー・ゴンザレスの声が変化し、一部をデジタル処理して録音時期の差をならした。
制作陣は主要な声の配役をラテン系俳優で構成する方針を初期から置いた。
ヘクター役のガエル・ガルシア・ベルナルは、英語版に加えてスペイン語版でも同じ役を担当した。
同じ旋律、和声、歌詞を、スターの派手な持ち歌と父から娘への子守歌の両方で成立させた。
ロペス夫妻は仕事で子どもと離れる際に専用の子守歌を残しており、その経験を『リメンバー・ミー』へ入れた。
エイドリアン・モリーナとジャーメイン・フランコは、エルネストが大スターに見えるよう複数の持ち歌を書いた。
制作時にメキシコへ渡り、現地のマリアッチ演奏を録音して劇中音楽へ取り入れた。
ダンテはメキシコ原産のショロイツクインツレをモデルにし、歯が欠けて舌を収めにくい特徴を持つ。
当初はエルネストの大規模な舞台と観光案内を兼ねた導入があり、完成版では削除された。
2018年のMovieNEXは、別オープニング、別の最期、家族史の歌、橋の案など8本の未公開シーンを収録した。
ディズニーは2013年に映画の候補題を守る目的で『Día de los Muertos』を商標出願したが、強い批判を受け撤回し、作品題も変更した。
商標問題を風刺したラロ・アルカラスが、オクタビオ・ソリス、マルセラ・デイヴィソン・アヴィレスらと文化監修へ参加した。
米国公開時には22分の『アナと雪の女王/家族の思い出』が本編前に限定併映され、長さをめぐる反発が起きた。
原題『Coco』に対し、日本では物語の鍵を握る曲名『リメンバー・ミー』を邦題に選んだ。
ブラジルでは原題が不都合な連想を招くため『Viva - A Vida é uma Festa』に変更され、ココの名もイネスになった。
白いギターには経年による細かな亀裂と摩耗が加えられ、新品の舞台装置に見えないよう作られた。
生前は靴を履いていたヘクターが死者の国では裸足で過ごし、家族へ戻った後の終幕では靴を履いている。
髑髏ギターの歯の形、破れた家族写真、ヘクターの過去の動作が、人物関係の真相を終盤より前に示す。
ママ・ココ役のアナ・オフェリア・ムルギアは、長い舞台・映画歴を持つメキシコ俳優で、本作が国際的な知名度を大きく広げた。
ママ・ココには実在の女性がモデルだという説が流通しているが、ピクサー側が公式に特定人物をモデルとして認めた話とは分ける必要がある。現地で語られる話として面白いが、公式モデル断定には慎重でいたい。