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2024年公開。アレックス・ガーランドは2018年ごろから構想を進め、社会の分断とパンデミックが重なった2020年に脚本を書いたと語っている。製作費は約5,000万ドルで、当時のA24として最大規模の企画となり、撮影監督ロブ・ハーディは小型のDJI Ronin 4Dを戦闘場面へ持ち込み、報道カメラが現場へ紛れ込んだような距離感を狙った。ワシントンでの最終戦は数か月かけて設計され、実際にはジョージア州やアトランタのスタジオを使って作り上げられている。世界興収は約1億2,730万ドルに達し、A24の事業規模を一段押し広げた。国家崩壊への警告を描いた映画が、スタジオの成長戦略にはきっちり貢献したあたり、現実のほうが少々皮肉である。
A24作品としては異例の約5,000万ドル規模で作られた。インディペンデント色の強い会社が、内戦ロードムービーに大作級の賭けをした一本だ。
アレックス・ガーランドは『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で、内戦の細かな政策説明より分断の空気を体感させる設計を選んだとされる。観客がどちら側かを簡単に判断できないよう、あえて説明を削った構成だ。
赤いサングラスの兵士を演じたジェシー・プレモンスは、当初予定の俳優が出られなくなったあとに参加したとされる。短い出番なのに映画全体の緊張感を持っていく、かなり効いた緊急登板だ。
劇中の印象的な銃撃場面の一部は、実在した廃クリスマス施設を活用して撮られたとされる。祝祭の名残と戦場の緊張が重なり、妙に現実離れした怖さが生まれている。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の音響は、派手な映画的爆音ではなく近くで鳴る銃声の圧を重視しているとされる。戦闘場面を娯楽的に盛るより、報道現場の怖さとして聞かせる作りだ。
キルステン・ダンストのリーは、英雄的な記者というより見すぎた人の消耗を背負う人物として演じられている。ロードムービーの中心に、報道する側の心の摩耗が置かれているのだ。
日本公開は北米より遅れたが、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は公開初週に動員ランキング1位を記録したとされる。A24作品としては、日本でもかなり強い入り方をした作品だ。
物語はワシントンだけでなく、記者たちが移動するロードムービー形式で進む。内戦そのものを説明するより、土地ごとに違う異常な日常を見せていく構成が不穏だ。
カリフォルニアとテキサスが同盟する設定には、ファンの間で現実政治との対応を読む考察が多い。ただし作品は単純な政党寓話として作られていないため、特定勢力の置き換えと断定するのは危うい。
原題は短く『シビル・ウォー』だが、日本公開時の題名は『アメリカ最後の日』を加えている。内戦スリラーというより、国家崩壊のイベント映画として伝わるようにした改題だ。
現実政治との近さから、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は具体的な未来予言として語られることがある。しかし劇中の州同盟や政治背景は意図的に説明を絞っており、現実の特定勢力をそのまま当てはめる読み方は根拠が弱い。