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踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!を配信で見られるサービスを、確認できた範囲で掲載しています。未確認のサービスは公式サイトで探せます。
2003年7月19日公開。連続ドラマを母体とする劇場版第2作で、君塚良一の脚本を本広克行が演出し、撮影の藤石修、照明の加瀬弘行、録音の芦原邦雄、美術監督の梅田正則、編集の田口拓也らが制作を担った。藤石によれば、前作では撮影部と照明部がフィルム経験者だったのに対し、本作は前作に参加できなかったテレビ照明部も加わり、撮影部だけをフィルム側の人員とする編成で、24Pのシネスコ撮影を選んだ。巨大化したお台場を横長画面で見せる方針は、クランクインのおよそ半年前に本広と藤石が話し合って決めたもので、クレーンとステディカムを多用するため、ステディカム用のカメラを常時待機させた。24Pシネスコでは画面を切り出すぶん解像度が落ち、横移動でフリッカーも起きやすいため、テストを重ね、引きの画を抑え、ガンマカーブや変換テーブルの調整まで行ったという。日本映画製作者連盟の2003年年間集計では興収173.5億円で同年1位となったが、映画の「スケールアップ」は、まず予備カメラと夜更けの技術調整から始まるらしい。
『踊る大捜査線 THE MOVIE』(1998)の成功後、製作側はすぐに続編を作らず、作品を取り巻く熱をいったん冷ますために5年の間隔を置いた。プロデューサーの亀山千広が第2作のテーマに掲げたのは「増殖」で、人、建物、観光客、犯罪が増えたお台場を物語へ取り込んだ。前作を大きく見せ直すのではなく、5年間で膨張した街と警察組織を続編の出発点にしている。
前作の頃には空き地が目立ったお台場が、5年後には観光客で混雑する街へ変わっていた。本広克行と撮影監督の藤石修は、クランクインのおよそ半年前から、発展した街の広がりを見せるには横長のシネスコ画面が必要だと決めていた。画面サイズの変更は大作らしさを加えるためだけでなく、続編で変わった舞台そのものを映すための選択だった。
前作は35ミリフィルムで撮影されたが、本作では高精細デジタル映像を毎秒24コマで記録する24P方式を採用した。当時のカメラは16対9の映像を記録するため、そこから上下を切ってさらに横長のシネスコ画面を作ると、使用できる画素が減ってしまう。撮影班は輪郭を補うディテール調整を加え、解像度の低下が目立ちやすい遠景を増やしすぎないよう画面を設計した。
24Pカメラの映像には、フィルムよりも輪郭が硬く見える電子的な質感があった。そこで藤石修は、光をわずかに拡散させるブラック・プロミスト・フィルターを全編で使用し、人物や照明の縁を柔らかくした。デジタル撮影を選びながら、完成画面をそのまま鋭く見せず、シリーズの実写映像になじませる調整を加えている。
白い壁や空の明るい部分が一度に真っ白になるのを防ぐため、撮影班は約5種類のガンマカーブを比較した。最終設定は標準より約24%広い明部を記録でき、絞りに換算するとおよそ2段分の余裕を持たせたという。撮影済みのデジタル映像を上映用フィルムへ変換する色調表も作り、藤石修らは夜遅くまで調整を続けた。
人物の移動を追う場面では、クレーンと、撮影者が体に装着して揺れを抑えるステディカムを頻繁に使った。通常のカメラから装置用の設定へ組み替える時間を減らすため、撮影班はステディカム専用の2台目を常に使える状態で待機させた。大規模な画面を限られた撮影時間で作るため、機材交換そのものを撮影計画から減らしている。
冒頭でお台場を見下ろす空撮には、ヘリコプターの振動を抑えるウェスカムという安定装置を使った。最初の飛行では高度約1,500フィートで機体が雲へ入ってしまい、撮影を断念している。完成版に使われたのは、天候を待って別日に飛んだ2回目の映像である。
客船を使う場面には3日間が割かれ、船内を2日、外側を1日かけて撮影した。現場には3台のカメラと約20メートルまで伸びる大型クレーンを持ち込み、海上の映像は別働の撮影班も担当した。実在する船を借りられる時間の中で、内部の芝居と船全体の大きさを同時に確保する体制だった。
青島が駅から湾岸署へ歩く出勤場面は、天候が合わずに2度中止された。撮影できる最後の日も空は曇っていたが、それ以上延期できないためカメラを回し、仕上げの色調補正で明るさと色を整えた。完成版の晴れやかな街並みには、3度目でようやく確保した素材が使われている。
湾岸署の内部は、東宝第8ステージの約400坪を使って建て直された。テレビシリーズの撮影では画面に映らない部分を省けたが、本作ではカメラを広く動かせるよう天井まで含む空間として作り込んだ。5年ぶりに同じ職場へ戻った印象を残しながら、細部は新しい庁舎として更新されている。
湾岸署の各区域は、同じ庁舎内でも色で区別された。刑事課には赤紫に近い光、受付には琥珀色の光を置き、蛍光灯と白熱灯を混ぜて部署ごとの空気を変えている。さらに薄い煙を入れて光の筋と奥行きを見せ、広いセットが平板に見えないようにした。
冒頭のパーティーは、脚本ではビルの間に設けた屋外会場だった。しかし大勢の出演者を集めた撮影では天候の影響が大きいため、藤石修は「屋外に見える屋内」を探すよう提案した。選ばれた東京ビッグサイトでは2日間撮影し、同施設で映画を撮るのは初めてだったという。
東京ビッグサイトは大きなガラス面から自然光が入るため、時間が進むと会場の明るさも変わってしまう。そこで照明班は、ヘリウムで浮かせる気球型のHMIライトを2基使い、日が傾いても人物へ同じ方向から光が届くようにした。屋内を屋外に見せる場面は、施設の光だけに頼らず、頭上へ浮かべた人工の昼光でつながれている。
交通量の多いレインボーブリッジを映画撮影のために封鎖することはできず、橋上の追跡場面は京都の建設中だった道路で撮られた。最初に予定した合流地点は工事の進行で使えなくなったため、藤石修が周辺を歩いて代わりの未開通区間を見つけた。そこで撮った青島や車両へ、東京で撮影した橋の背景とCGを組み合わせている。
シリーズの撮影では通常、すべての場面を絵コンテにする方法を採っていなかったが、レインボーブリッジの合成カットだけは例外だった。撮影班はロケ写真を基に、使用レンズ、青島の大きさ、背景の位置、カメラの高さまで先に決めた。走行車から撮った実際の橋と、京都でグリーンバックを背に走らせた青島を同じ条件に合わせ、別々の映像を一つの道路へつないでいる。
走る青島までCGで作られたカットがある。お台場の背景を地面以外すべて作り替えたカット、ヘリコプター、競技場の群衆、細かな雨に加え、橋の上を走る青島までデジタルで作った映像がある。本広克行によれば、織田裕二本人も完成後に、どの場面で自分を撮ったのか尋ねたほど自然に仕上がっていた。
雨の場面では、高所作業車に載せた散水機と地上のホースを組み合わせて水を降らせた。通常のシャッター速度では雨が長い線になりすぎるため、撮影時は1/96秒まで速め、粒の形が残るようにしている。画面内の雨には、実際に降らせた水と、仕上げで加えた細かなデジタル処理の両方が使われた。
警視庁の群衆は8回分を合成した。同じ場所へ出演者を分けて配置し、8回撮影した素材を一つの画面へ重ねている。人数をデジタルで一から作るのではなく、実在する人物の動きを複数回分組み合わせて群衆へ増やした。
全編の基本撮影は24Pデジタルだったが、恩田すみれが撃たれる場面にはフィルムを使い、通常の4倍の速度で撮影した。高速撮影した映像を通常速度で再生すると動きがゆっくりになり、倒れる瞬間や周囲の反応を引き延ばせる。本広克行はこの場面の編集を何度も組み直し、事件の衝撃が最も強く伝わる長さと順序を探った。
海外向け再編集版は18分短い。日本劇場版の138分に対して120分へ短縮され、その一方で劇場では使われなかった場面も加えられた。未公開映像が入っていても全体は18分短いため、日本公開版とは場面の選択と流れが異なる別編集である。
海外向け再編集版の音響は、アメリカのスカイウォーカー・サウンドで作り直された。DVDにはDTS-ESとドルビーデジタルEXの立体音響が収録され、発売時には日本の実写映画DVDとして初めてTHX認定を受けた特別版と案内された。映像の再編集だけでなく、銃声、車両、群衆、音楽の配置まで家庭用の多チャンネル音声へ組み直している。
2003年7月19日に約400スクリーンで公開され、最初の3日間で興行収入18億4,000万円、観客動員126万934人を記録した。当時の日本映画として最大の公開初動で、『千と千尋の神隠し』(2001)が持っていた記録を更新した。さらに公開29日で興行収入100億円へ到達し、国内興行の勢いを早い段階で示した。
国内興行収入は173.5億円に達し、2003年に公開された邦画の第1位となった。この数字はアニメを除く日本の実写映画で歴代最高となり、2025年に『国宝』(2025)が173.7億円を超えるまで22年間更新されなかった。公開直後の勢いだけでなく、長期間にわたって実写邦画の基準になった記録である。
潜水艦事件を次の物語の手掛かりとして残した。本広克行は、青島と室井が潜水艦内にいる終盤の静止画と合わせ、まだ映画にしていない事件の手掛かりとして置いたと説明している。シリーズを続ける場合に、湾岸署の外へ物語を広げられる余地を本作の中へ残していた。
世界興収をドル換算したデータベースでは、本作は約1億5,500万〜1億6,200万ドルと記録されている。この数字を基に、2003年公開の非英語映画で世界最大のヒットだったとする資料もある。ただし、国ごとに公開年や換算レートが異なり、同じ条件で全作品を比較した言語別年間表は確認できないため、順位まで断定するには集計基準の特定が必要である。