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アメリカン・サイコ

American Psycho / 2000
IMDb ⭐ 7.6🕐 102分🎬 Lions Gate Films / Edward R. Pressman Film2000年
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N
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U
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D
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D
Disney+
T
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J
J:COM STREAM
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M
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CASE FILE
探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

2000年公開の本作は、メアリー・ハロンとギネヴィア・ターナーが既存脚本を捨てて組み直し、原作の露悪趣味をそのまま競うのではなく、1980年代の金と虚栄を笑う時代ものとして設計した作品である。 ハロンが長い候補探しの末にクリスチャン・ベールを選んだ後、ライオンズゲートは本人たちに知らせないままレオナルド・ディカプリオへ出演を打診し、ハロンは企画から外れ、オリバー・ストーン案を経てようやく復帰した。 復帰の条件は製作費1,000万ドル未満に抑え、脇を知名度のある俳優で固めることだったため、主演の顔を差し替えようとした商売の計算が、結果として低予算の風刺劇を守ることになった。 マンハッタン役のトロントでは、暴力表現を問題視する抗議で撮影直前に複数のロケ地が使えなくなり、撮影監督アンドレイ・セクラはオフィス場面の大半をセットへ移し、天井内の照明グリッドと広角レンズで人工的に整いすぎた空間を作った。 セクラはSuper 35と低感度のKodak EXR 5245を用い、ハロンは露骨な暴力を画面外へ退かせたので、予算の小ささは派手な残酷描写ではなく、表面だけが完璧な世界の不穏さへ回された。 製作費は資料により700万〜800万ドル世界興収約3,427万ドルとされる。大スターの出演料だけで企画を膨らませかけた映画が、結局はその数分の一の規模で公開され、世界でこの興行を積んだのだから、会議室の見栄より編集室の判断が強かったのである。

― ポップコーン探偵
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企画・脚本
信頼度

本作の映画化には複数の脚本家が関わったが、メアリー・ハロンとギネヴィア・ターナーは六組目の脚本チームだった。二人は先行脚本を手直しせず、ブレット・イーストン・エリスの原作小説(1991)を声に出して読み合い、1980年代の金と虚栄を笑う時代ものの社会風刺として一から組み直した。

脚本・暴力表現
信頼度

メアリー・ハロンとギネヴィア・ターナーは、原作小説(1991)と同じ量の露骨な暴力を映画へ移さないという方針を置いた。何が起きたか分かる手掛かりは残しながら、決定的な瞬間を画面外へ送り、観客自身の想像に補わせた。低予算だから隠したのではなく、少量の描写の方が強く残るという演出判断である。

結末・脚本
信頼度

脚本家は「全部が夢」という結末を避けた。ギネヴィア・ターナーは、弁護士がパトリック・ベイトマンを見分けられないのは、同じ服装と価値観の男たちが交換可能なほど似ているからだと説明している。メアリー・ハロンも、出来事は起きているが、終盤ほどベイトマンの知覚が現実からずれていく構成だとしている。

配役
信頼度

クリスチャン・ベールは本作の脚本を読み、思わず笑った。だが残酷な題材なので、自分だけが喜劇として誤読していないかメアリー・ハロンへ確認し、ハロンも同じブラックコメディを考えていると分かった。二人はパトリック・ベイトマンを同情的に説明せず、過剰に完璧な外面そのものを笑いと恐怖へ変えた。

配役変更
信頼度

メアリー・ハロンがクリスチャン・ベールを選んだ後、製作側はレオナルド・ディカプリオへ2,000万ドル超と報じられた条件で主演を打診した。ハロンは企画規模と観客層が変わるとして受け入れず、監督を外れ、オリバー・ストーン案が進んだ。ディカプリオが『ザ・ビーチ』(2000)へ移ると、ハロンは製作費を1,000万ドル未満に抑える条件でベールとともに復帰した。

配役・準備
信頼度

クリスチャン・ベールは主演から外れていた約9か月の間も、最終的には自分へ役が戻ると考えて身体づくりを続けた。周囲から別の仕事を受けるよう勧められても準備を止めず、メアリー・ハロンにも定期的に連絡した。正式な契約がない期間の準備が、企画の再転換後すぐ撮影へ入れる状態を作った。

契約・報酬
信頼度

クリスチャン・ベールによれば、本作の出演料は法定の最低額で、メイク担当者より少なかった。製作側の多くが別の主演を望むなか、メアリー・ハロンだけが起用を押し続けたためである。当時は家族で暮らす家が差し押さえの危機にあったが、それでもベールは役を手放さなかった。

演技設計
信頼度

メアリー・ハロンとクリスチャン・ベールは、パトリック・ベイトマンの幼少期や心理的原因を足さなかった。二人が共有したのは、人間社会へ来た異星人が、笑顔や会話の型を観察して真似ているという役の捉え方だった。感情を内側から表すのではなく、完璧な外面を保つ行為そのものを演技にした。

演技・共演者
信頼度

共演者は撮影中のベールを下手だと思っていた。ベールは普段もアメリカ英語の役の声を崩さず、共演者と親しく過ごさず、表情や動作を意図的に作り物めかしていたからである。完成版を見て初めて、その不自然さが役全体を貫く設計だったと理解された。

演技・撮影
信頼度

名刺を比べる場面で、パトリック・ベイトマンのこめかみから一筋の汗が落ちる。メアリー・ハロンによれば、クリスチャン・ベールは複数のテイクで同じ位置から汗を出した。小道具の差に取り乱す人物を大きな動作で示さず、身体反応だけを正確に繰り返した。

演技・編集
信頼度

ウィレム・デフォーが探偵ドナルド・キンボールを演じる場面は、相手を犯人と確信している、疑っている、まったく疑っていないという三つの状態で撮影された。メアリー・ハロンは各状態のテイクを一つの会話へ混ぜたため、パトリック・ベイトマンにも観客にも探偵の真意が読めない。曖昧さは台詞だけでなく、異なる演技をつなぐ編集で作られている。

美術
信頼度

パトリック・ベイトマンの部屋は、1987年ごろの建築・インテリア雑誌から抜け出したような空間として作られた。美術は高価で美しく見える家具を置く一方、写真や思い出の品など、そこに誰が住むかを示す痕跡を避けた。ステンレスの台所も家庭の温かさより遺体安置所を思わせ、人物の空虚さを背景へ移している。

ロケーション・製作トラブル
信頼度

本作はマンハッタンの場面を主にトロントで撮ったが、原作と暴力表現への抗議により、約束されていた複数のロケ地が撮影開始の数日前に使えなくなった。製作陣は予定していた実景をセットへ移し、限られた空間で画面を組み直した。抗議は公開後の評判だけでなく、撮影場所そのものを変えている。

セット・照明
信頼度

本作の約3割を占めるオフィス場面は、実在の会社ではなくセットで撮影された。天井の一部を外せるようにし、その上へ照明器具を自由に移せる格子状の設備を組んだため、狭い室内でもカメラ位置ごとに均一で人工的な明るさを作れた。完璧に整った職場の見た目は、セットの構造から設計されている。

撮影・予算
信頼度

警察のヘリコプターが近づく場面でも、本作の予算では実機を飛ばせなかった。撮影班は6,000ワットの大型照明を手作業で動かし、建物や人物へ流れる光を作り、後から回転翼の音を重ねた。画面外の機体を見せず、光と音の移動だけで存在させたのである。

撮影
信頼度

撮影監督アンドレイ・セクラは、本作を暗く濁った犯罪映画の見た目にしなかった。Super 35という35ミリフィルムの撮影方式と低感度のKodak EXR 5245を主に使い、手前から奥まで見える深いピントと、白く整った明るい画面を選んだ。隠す暗闇ではなく、すべて見えるのに感情だけが見えない空間を不穏さへ変えた。

映像参照
信頼度

メアリー・ハロンが本作の画面づくりで参照したのは、『シャイニング』(1980)や『テナント/恐怖を借りた男』(1976)のように、人物だけでなく周囲の空間まで不穏に見せる映画だった。顔の接写だけで恐怖を説明せず、広角の画面へ人物と整いすぎた室内を同時に置くことで、環境そのものが人物を作っているように見せた。

性描写・演出
信頼度

本作の性描写で、パトリック・ベイトマンは相手より鏡に映る自分を見て、身体や動きを誇示する。メアリー・ハロンは二人の女性にも退屈そうに演じてもらい、性愛の場面ではなく、ベイトマンが自分を演出する自己愛の場面として撮った。鏡は美しい身体を見せる道具であると同時に、他人へ関心がないことを示している。

レイティング・編集
信頼度

米国の審査では本作がNC-17指定となり、上映館や家庭用ソフトの展開が狭まる可能性があった。メアリー・ハロンは性描写の一場面を合計約20秒短くし、17歳未満も保護者同伴で見られるR指定を得た。暴力場面ではなく、性描写の長さが米国公開版の編集を変えている。

音楽
信頼度

パトリック・ベイトマンがポップ音楽を長々と解説する場面は、原作小説(1991)の音楽評論風の章を残したものだ。メアリー・ハロンは、普段ほとんど感情を示さない人物が、既成の評論を暗記したような言葉で明るい音楽だけを熱心に語る矛盾を面白いと考えた。音楽の知識ではなく、他人の言葉を借りて人格を演じる場面になっている。

音楽権利
信頼度

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「Hip to Be Square」(1986)は本作で使用されたが、発売されたサウンドトラック盤には収録されなかった。ヒューイ・ルイス本人によれば、映画が暴力的だから曲を引き揚げたのではなく、映画使用は許可し、サウンドトラックへの収録だけを断った。二つの使用許諾が別契約だったためである。

音楽権利
信頼度

本作はホイットニー・ヒューストンの「The Greatest Love of All」(1986)を使う場面も用意したが、本人側から原盤の使用許可を得られなかった。製作側は場面を削らず、同じ曲のオーケストラ編曲版へ置き換えた。脚本上必要な曲名と、実際に使える録音物を分けて解決している。

衣装
信頼度

衣装デザイナーのアイシス・マッセンデンは、現代の細身のスーツで1980年代を代用せず、Cerrutiの保管庫から当時の型紙を調べて衣装を作った。肩幅や布の量まで時代の輪郭を戻し、パトリック・ベイトマンが欠点のない外見へ金と時間を費やす人物だと分かるようにした。

製作費・興行
信頼度

本作の製作費は資料によって700万ドルと800万ドルに分かれるため、約700万〜800万ドルと見るのが安全である。北米興収は1,507万285ドル、世界興収は約3,427万ドルと集計されている。レオナルド・ディカプリオへ提示されたと報じられた2,000万ドル超の出演条件より小さい金額で、映画全体が完成した計算になる。

情報不足・要確認
信頼度

ヒューイ・ルイスは完成した本作の暴力描写に怒り、『Hip to Be Square』(1986)を映画から引き揚げた」という話がある。しかし本人は、映画での使用は許可しており、断ったのはサウンドトラック盤への収録だけだと説明している。映画使用とアルバム収録という二つの契約を混同した噂である。

情報不足・要確認
信頼度

グロリア・スタイネムが野球観戦中にレオナルド・ディカプリオへ本作への出演をやめるよう説得した、という逸話がある。共同脚本家ギネヴィア・ターナーも「伝説では」と前置きして紹介しており、スタイネムやディカプリオ本人の確認は取れていない。ディカプリオが離れた理由として断定せず、製作現場に残った伝聞として扱う必要がある。

情報不足・要確認
信頼度

クリスチャン・ベールが役の状態でブレット・イーストン・エリスと食事をし、エリスが恐怖で震えて逃げたという話がIMDbにある。オーラルヒストリーでエリスは食事を不穏だったと振り返るが、ベールは出来事自体を覚えておらず、震えて退席したという細部までは確認できない。会食の存在と、後から強くなった描写を分けて扱うべき逸話である。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

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